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Appleにとっての次の生産拠点はインドとなるか

wistron
 
国外へのスマホの生産移管が加速しており、次世代の生産拠点として見据えている、とThe Wall Street Journalは伝えています。

生産拠点の脱中国化を推し進める欧米系メーカー

中国の容赦がなく、予想がつかない公衆衛生への取り組み方を受け、多くの欧米系メーカーが生産拠点の脱中国化を進めていますが、Appleも例外ではありません。「iPhoneの街」とも呼ばれる中国鄭州市の工場でも、当局のゼロコロナ政策による厳しい外出制限などが原因で暴動に発展し、600万台のiPhoneの減産につながったとされています。
 
この流れの中で、スマホの生産拠点としてインドへの期待感が高まっています。インドはインフラが脆弱で官僚主義が残っているものの、国内市場が大きく、電子機器製造に対する政府の支援が新たに強化されたことで、チャイナ・プラスワン戦略に適した位置に置かれています。

すでにiPhone11、12、13、14をインドで生産

Apple、Foxconn、Pegatronの台湾企業3社を介して、iPhone11、12、13、14をすでにインドで生産しています。Counterpoint Researchによれば、iPhone14はそのモジュラーデザインのおかげで、インドでも中国と同時に生産が可能となっているとのことです。2025年までに全世界で生産される18%〜20%がインド製になると予測されています。
 
中国と同じく、インドの国内市場もAppleにとっては魅力的であり、同国を第2の生産拠点として選択した主な理由である、と香港拠点のTF International Securitiesのアナリスト、ミンチー・クオ氏は見ています。同氏いわく、2025年までにインドはiPhoneの組み立てだけでなく、部品生産も担うようになるとのことです。

人材と政府支援が豊富

インドは国内市場のポテンシャルが大きいだけでなく、英語を話せるソフトウェア人材の豊富さ、当局による電子機器製造支援のインセンティブがさらに追い風になっています。
 
しかしながら、インド特有の問題もあります。インフラの未整備と、サプライチェーンの上流と下流の脆弱さです。Counterpointのデータによれば、インドのスマホエコシステムにおいて、現地で調達される部品は全体の約14%〜15%に過ぎず、残りは輸入されています。輸入部品の約5分の4は中国からのものとなっています。また、各州が独自のビジネス政策を実施することがほとんどで、中央政府の支配力が弱い点、労働争議が暴力的になりがちな点なども憂慮されています。
 
しかし、インドがスマホの生産拠点として、中国の規模や効率に匹敵するようになるにはまだ長い時間がかかるとみられています。
 
 
Source:WSJ
Photo:Phorm
(lexi)

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