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Apple Watchの血中酸素ウェルネス〜肌の色で測定精度が影響を受けると集団訴訟

Apple Watch blood oxygen app
 
の血中酸素濃度測定である血中酸素ウェルネスは、肌の色が濃いユーザーが装着した場合、測定精度が劣るなど欠陥があるとの集団が米ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所で起こされました。

肌の色の違いによる測定誤差を無視していると指摘

在住のアレックス・モラレス氏は、AppleはApple Watch血中酸素ウェルネスアプリに、肌の色の濃いユーザーでは血中酸素濃度の誤差が大きい問題があるのを認識しながらそれを無視していると指摘、集団訴訟に至った理由を説明しています。
 
Patently Appleは肌の色の違いによる血中酸素濃度の測定誤差について、新型コロナウイルス感染症流行によるパンデミック期間中とそれ以前に測定された患者の記録をした結果、人種的な偏りがあったとの臨床研究結果があると述べています。
 
その場合、大規模災害の現場などで多数の傷病者が発生した状況においてトリアージが必要になった場合、白人が優先されて黒人が後回しになる懸念があることが同研究での結語として伝えられていたと、Patently Appleは記しています。

測定精度に関してわかれる評価

血中酸素ウェルネスの測定結果は、パルスオキシメーターを用いて測定した血中酸素飽和度(SpO2)の値と同等と評価する意見もありますが、これは肌の色の違いを考慮に入れていないと、Patently Appleは指摘しています。
 
また、パルスオキシメーターは指先などで透過光を用いて血中酸素飽和度を測定するのに対し、Apple Watchを装着する手首での測定では反射光になるため、測定精度が劣るとみられています。
 
そのため、Appleも血中酸素ウェルネスについて、「自己診断または医師との相談を含む医療での使用を目的とするものではなく、一般的なフィットネスとウェルネスのみを目的としています」と説明しています。
 
しかしながら、同アプリの測定結果はパルスオキシメーター並との研究結果が発表されたことで、ユーザーの懸念を増大させた可能性があります。

測定精度を向上させるには厳しい条件管理が必要?

海外の救急隊員が行ったパルスオキシメーターとの比較試験では、「血中酸素ウェルネスを使って信頼できる測定結果が得られると期待しない方が良い」との結論が報告されていました。
 
肌の色の違いによる誤差についてフロリダ国際大学のジェシカ・ラメラ・ローマン准教授は、メラニン色素の多い色黒のユーザーや肥満体型のユーザーの生体信号測定を行う際に光センサーを利用する場合、調整しないと正しい値が測定できないことがあると発表していました。
 
血中酸素ウェルネスはパルスオキシメーター並と評価した研究も、比較は管理された条件下で行われたものでした。
 
 
Source:Patently Apple
Photo:Apple
(FT729)

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