パナソニックとスペインのスタートアップBiel Glassesは、視覚障がい者をサポートするスマートグラスのプロトタイプを共同開発しました。
1月5日から8日まで、米国ラスベガスで開催される世界最大規模のデジタル関連の展示会「CES 2023」の両社のブースに、同製品を参考展示します。
視覚障がい者の自律移動を支援
両社が展示するスマートグラスのプロトタイプは、パナソニックの小型・軽量、5.2K HDR対応のVRゴーグルと、Biel Glasses社の弱視者支援技術とを統合したものです。
AIとロボティクス技術を活用して、カメラとセンサーで捉えたシーンを分析し、障害物、段差、穴などの移動の際の危険を検出。MR技術によって、使用者の残りの視力に合わせた映像表示をおこないます。
緑内障や網膜色素変性症などの病気の影響で生じる周辺視野の喪失(視野狭窄とも呼ばれている)に対し、使用者が障害物やそのほかの危険を認識できるようにすることで、自律的な移動をサポートします。
視覚特性に合わせたチューニングも可
スマートグラスの主な特長として、視覚特性に合わせた視覚情報サポートも挙げられています。検眼士が、視覚障害の状況や必要性に応じてスマートグラスの機能を調整することで、使用者に最適化した映像処理(ズーム、照明への適応、コントラスト強調など)を実現するとのことです。
また、スマートグラスの映像表示にμOLEDディスプレイとパンケーキレンズを採用することで、小型・軽量、低消費電力を実現。動きやすさや装着時の負担軽減に努めています。
なお、Biel Glassesは、かねてから視覚障がい者向けのスマートグラスを開発してきた企業。弱視で生まれた息子のために解決策を求めていた医師と技術者である両親によって設立され、社名の「Biel」は息子の名前です。
(文・Saki.A)
- Original:https://techable.jp/archives/188763
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:天野早紀