<不自由を自由にする野営スタイル>
こんにちは、「不自由は自由だ!」をモットーに、不便がいっぱいな自然の中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしているRYUです。
この連載で、キャンプで使えるロープワークは結構たくさんやってきました。数えると8回行っているのですね。振り返ってみたとき、ふと、重大なことに気づいたのです。私がかなり多様しているロープワークを紹介していないと…(笑)
そのロープワークは、立木にロープを結ぶ時に必ず使う結びです。以前、紹介している「巻き結び」ももちろん使えるのですが、私が普段使っているロープワークを紹介していなかったのです。
そのロープワークは「ふた結び」です。あまり使っている方はいらっしゃらないかも知れないのですが、実はとっても便利。ただし、私は最初の巻きを上から巻きます。
今日はこのふた結びをどんな時に使うのか? 結び方は? そして応用編の引き解け仕様、つまり簡単に結べて、解くときも簡単な結び方を紹介しようと思います。
とっても簡単で、かつ、汎用性が高く、私がロープを使ってキャンプをする場合はほぼ100%使っているロープワークなので、ぜひ習得してみてください!
■どのようなときに使うのか?
ではこの結び(写真は、引き解けふた結びにしたもの)をいつ使うか? 私は立木へ結ぶときと、タープの輪っかに結ぶときに良く使います。それ以外にもこのロープワークは輪っかが締まるので、薪をまとめて運びたい時などに重宝します。
逆に、使ってはいけない時もあります。それは、タープや幕に結ぶ際、結ぶ場所がハトメの場合です。
上の写真のように結ぶ場所が、ハトメになっている場合は避けた方が良いでしょう。
なぜならこの結びは、ロープを引っ張れば引っ張るほど、輪っかが締まるのです。従って、テンションをかけすぎるとハトメが幕から外れてしまう可能性があるのです。もちろん、1回、2回のキャンプでは問題ないと思いますが、別の結び方で対応する方がいいでしょう。
ハトメに結ぶ場合は、以前紹介しました、「もやい結び」を使いましょう。この結びであれば、輪っかはロープを引っ張っても締まりません。ここがポイントです!
このように結ぶ場所によって、ロープワークを変えることが必要なのです。ですから、複数のロープワークを覚えて、その特性を理解している必要があるのですよね。
それでは次はいよいよ結び方です。
■ふた結びの結び方
今回は冒頭で説明した通り、「ふた結び」と、解くのが簡単な「引き解けふた結び」を順番に紹介していきます。
【ステップ1】ロープを木にかける
上の写真のように、短い方のロープを木に引っ掛けてください。私は左から木の後ろを通して、右から出してくるやり方がやりやすいので、このようにしてますが、逆でも構いません。ただ、体で覚えるまでは同じ方向で練習するのが良いです。
【ステップ2】上からバッテンを作って、ロープを通し、上に持ってくる
まずは右の短い方のロープを左の長い方のロープの上(下で行う場合も)に持っていきます。左手で持っているロープとバッテンを作るイメージです。
その後くるりと木とロープの間の空間に上から回し、短い方のロープが上方向にくるようにします。
上の写真のようになったらOKです。
【ステップ3】短い方のロープで輪っかを作り、その輪っかに短い方の先端を通して完成
ステップ2で上方向に出たロープの先端を長い方のロープの下を通すように持ってくると上の写真のように輪っかができます。
できた輪っかに短い方のロープの先端を通せば、出来上がりです!
短い方のロープの先端と、長い方のロープを引っ張りあえば、立木部分の輪っかが締まり、しっかりと固定されます。
これが、変形ふた結びです。やり方はふた結びとそう変わりませんが、ひと結びを2回巻いたものではないので、厳密にはふた結びではないかもしれません。
さて、このままでも良いのですが、もう一手間加えることで、解く時に時短になる「引き解け」もやっていきましょう!
■引き解けの結び方
キャンプのロープワークで最も大事なことは、しっかり結べて、撤収の時は簡単に解ける、です。従って、ちょっとした工夫を施しておくと、後が楽なんです。
先ほどの結び方の手順のステップ2までは同じなので、ステップ3から紹介します。
ここまで一緒です。ここから少しだけアレンジしましょう。
短い方のロープの先端を上の写真のようにします。このように途中を折り返し、その折り返し部分の山を輪っかに入れます。
このように輪っかに通します。
あとは、長い方のロープを左側に引っ張り、上の写真でいうと、折り返してできた輪っかの下の方を右側に引っ張ると、締まります。
これで完成です! 文章で読むとちょっと小難しく見えますが、やってみると簡単ですよ。
それでは、引き解けというくらいですから、どのくらい簡単に解けるか、みてみましょう! 写真だと、左に短いロープの先端が見えると思います、これを左方向に引っ張ります。
このように、片手で簡単に引っ張ることができます。
ほうら。簡単に解けます。撤収が簡単。これ、一番大事ですよね!
さて、いかがでしたでしょうか? 立木に固定するときや、タープのループに結ぶ時にとっても便利で簡単なふた結びと、その応用編の引き解けふた結び。
結び方はとても簡単なのですが、一度完璧に覚えるために、何度も練習しましょう! 体で覚えるまで繰り返す。これが大事です。頭で理解するより、繰り返しが大事です。ぜひ習得して、キャンプで使ってみてください。
>> 連載
(文・写真/RYU)
RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、年間数十泊の野営を行っている。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/502429/
- Source:&GP
- Author:&GP