永遠のハッチバックといえるフォルクスワーゲン・ゴルフ。このクルマには大きくいって3つの顔があります。
伝統的なハッチバック、高性能モデル、それに機能主義的なバリアント(ステーションワゴン)。
2022年10月にバリアントにディーゼルエンジンモデルが追加されました。22年年末に乗れました。力のあるうえに使い勝手のいいモデルです。
■TDIモデルはディーゼルエンジン搭載
8代目になるゴルフのステーションワゴンボディであるバリアントが、日本に導入されたのは21年7月。999cc3気筒と1497cc4気筒のガソリンモデルでした。
「TDI」と名づけられたモデルは、1968cc4気筒ディーゼルエンジン。最高出力は110kW。数値だけでは1.5リッターガソリン車と同等。発生回転数が少し下がっています。
最大トルクは、ガソリン車の250Nmに対して、TDIは360Nm。
従来より低い回転数から力を発揮する新開発のエンジンで、レスポンスが大幅に向上し、低速域から高速域までスムーズな伸び…とフォルスクワーゲンジャパンでは謳っています。
確かに、最大トルクがわりと低回転の1600rpmから発生するというだけでなく、感覚的に、発進加速も追い越し加速も、太い力を感じさせます。
環境面でも、最新の技術を導入したと謳われています。ツインドージング(デュアルAdBlue噴射)システムを採用することで、窒素酸化物(NOx)の排出量を大幅に削減したといいます。
■エンジンのトルク感と車体の動きがシンクロする
「ゴルフバリアントTDI Style」というモデルをドライブしましたが、特に市街地での扱いやすさが印象に残りました。
すいすいっと動いてくれる。エンジンのトルク感と、ステアリングホイールを動かしたときの車体の動きとが、うまくシンクロしている感じです。
けっこうよく回るエンジンなので、そこもまた楽しいのですが、エンジン音は抑えられて、洗練度が上がっています。
■アクティビティに対応する611Lの荷室容量
2670mmのホイールベースを上手に活かして後席スペースも広々。ハッチバックが380リッターの荷室容量にとどまるのに対してバリアントは611リッター。
家族で旅に出かけるのもよし、ゴルフもよし、マリンスポーツもスノースポーツもよし。遠出もしたいというひとも多いでしょう。
燃費はリッターあたり19.0km。ガソリンモデルでみると999ccモデルの18.0kmを上回っています。
初代バリアントは、1993年にゴルフ3(こちらは91年登場)の派生車種として設定されました。
ゴルフの認識はそもそも1台でなんでもできるクルマ。大きな荷室容量を持つバリアントは、もう一段先の可能性を切り拓いてくれた印象でした。
姉妹ブランドであるアウディではステーションワゴンもスタイリッシュさを大事にしていましたが、ゴルフはルーフの前後長を延ばした実用主義を守り抜いてきました。
フォルクスワーゲンにはパサートバリアントという650リッターの荷室容量を持つ、ものすごくよくできたステーションワゴンもあります。
今回のゴルフバリアントも、これは自動車は使ってナンボ。積載量を重要視するユーザーに対する、メーカーの良心のようなものなのだと、私は思っています。
ゴルフバリアントTDIは4グレード展開。「Active Basic」「Active Advance」「Style」「R-Line」。すべて前輪駆動。価格は、374万9000円から441万6000円です。
【Specifications】
☆Volkswagen Golf Variant TDI Style
全長×全幅×全高 4640x1790x1485mm
ホイールベース 2670mm
車重 1500kg
1968cc直列4気筒ディーゼルターボ 前輪駆動
最高出力 110kW@3000〜4200rpm
最大トルク 360Nm@1600〜2750rpm
燃費 19.0km/l(WLTC)
価格 436万8000円
<文/小川フミオ>
オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/502450/
- Source:&GP
- Author:&GP