一般的な飛行機モデルとはひと味違って、大きなクリアーパーツが多いのでマスキングが大変…。近年発売されているキットは海外メーカー製がほとんどで難易度が高いキットが多いし…。
そんなイメージがあるヘリのプラモデルですが、なかには作りやすいキットだってあるんですよ。そこで、プラモの達人らしい偏向的かつマニアックな嗜好はぐっと抑えて、ビギナーモデラーにもオススメ(作りやすい)のヘリプラモをチョイスしてみました。
【難易度★★】
アカデミー
「1/35 AH-1Z ヴァイパー アメリカ海兵隊攻撃ヘリコプター」(5280円)
「AH-1Z ヴァイパー」は「AH-1W スーパーコブラ」の発展型として開発された機体です。だから、外観はよく似ているけれど機体構造の約95%が新規開発。「AH-1W」の構造をそのまま使っているのはコクピット周辺構造のみで、性能的にも格段に向上しています。アカデミーはMM(ミリタリーミニチュア)でスタンダードとも言える1/35スケールでAH-1Zをキット化。細部再現でエッチングパーツも使われているけれど、パーツ精度も高く、今回紹介のキットの中でもダントツに組みやすいキットとしてオススメ。1/35スケールということもあって、完成後は全長が30センチを超えるサイズになり迫力満点です。
【難易度★】
アオシマ
「1/72 陸上自衛隊 観測ヘリコプターOH-1」(3080円)
「OH-1」は川崎重工業が開発した観測ヘリコプター(偵察機)で、愛称はニンジャ。有事の際に敵を低空から偵察し、攻撃部隊にリアルタイムで情報を提供。戦術を支援するため極低空を高速で飛行する隠密性と機動性、さらに高いサバイバビリティを有しているヘリです。アオシマの「OH-1」は、1/72スケールでは初のキットで、外板の凸リベット再現、右側のアクセスパネルと風防を開けた状態でも組み立てられ、主脚は飛行時の長い脚と、着地時の短い脚を差し替えられる等、とてもよくできたキットです。またコクピット関係は黒、胴体はオリーブドラブで成型されているので、塗装をしなくてもそれなりに雰囲気を再現できるのは、ビギナーにとってありがたいです配慮です。
【難易度★】
タミヤ イタレリ
「1/72 KA-52 アリゲーター」(990円)
特徴的な二重反転ローターを採用しているロシアの最新複座攻撃ヘリ。無骨なデザインが多いロシアのヘリの中にあってスタイリッシュなフォルムをしております。キットはイタレリ製ですが国内ではタミヤ/イタレリ・ウォーバードシリーズで購入できます。プロトタイプをモデライズしているので量産型と細部に違いがありますが、KA-52の特徴をよく捉えた良キットです。パーツ数も少なく組みやすいのでヘリビギナーにオススメ。価格が安いのもありがたいですね。
【難易度★★★】
ズベズダ
「1/72 Mi-24V/VPハインド戦闘ヘリ」(プラッツ版:5456円)
ロシアの戦闘攻撃ヘリ。どこか昆虫的なコクピット周りのデザインが特徴で、また映画などでの露出が多いこともあって(たいてい悪役だけど)、ヘリプラモの中でも人気が高い。それだけに多くのメーカーが各スケールでキット化していますが、ズベズダのキットは後発ということでディテールも良く、組みやすい。1/48も発売されているけれど、手軽に楽しむならば1/72がオススメ。プラッツ版は日本語解説が付属しています。
【難易度★★★】
ハセガワ
「1/48 AH-6D アパッチ ロングボウ 陸上自衛隊」(3740円)
「AH-64D アパッチロングボウ」は、陸上自衛隊が配備している全天候型攻撃ヘリコプター「AH-64A アパッチ」の発展型で、機体の主ローターマスト頂部に取り付けられたロングボウ・レーダーが武骨というか獰猛さを感じさせる外観上の大きな特徴になっています。ハセガワのキットは1/48スケールでアパッチロングボウの複雑なディテールを再現。パーツは多めですが、精度は高いので時間をかけて組んでいけば製作は難しくないキットです。
<番外編>マニアックなヘリが作りたいという方にはコレ!
【難易度★★★★★】
ズベズダ
「1/72 ロシア海軍 KA-29 ヘリックスB 艦載ヘリ」
ヘリと言えばメインローターのトルクを打ち消すテールローターを備えてますよね(テールローターがないと機体がクルクル回ってしまう)。しかしカモフが作った「KA-29」は二重反転式ローター(メインローターが上下二段構えとなっていて、それぞれ逆方向に回転してトルクを打ち消す)を採用しているヘリコプターであります(ロシアのヘリは二重反転好き)。
テールローターを支えるブームがないので、一般的なヘリとはひと味違う独特のスタイル(ズングリムックリとも言う)をしており…無骨でメカメカしい昆虫的なフォルムがもう堪りません(偏向的ヘリlove)。スタイルがナニなのでプラモ的には作りにくさが炸裂していますが、カッコ良いので許します(いやダメだろ)。
つい先日、3月に中国の模型メーカー トランぺッターから1/35スケールでも発売されるという情報が! これは買いだぁ!
<文/長谷川迷人>
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!@Modelart_MOVIE」も配信中。
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/504206/
- Source:&GP
- Author:&GP