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コンセプト勝負のコンパクトカーが熱かった!「東京オートサロン2023」レポート

「東京オートサロン2023」(23年1月13日~15日開催)では、コンパクトカーの展示でおもしろい車両が多くみつかりました。

1983年に「東京エキサイティングカーショー」 としてスタートして以来、内外装に手を入れるドレスアップや性能アップを生業としたショップが中心になっていました。

近年、もうひとつの潮流して、コンパクトカーをベースにしたコンセプトが多く見られるようになっています。

コンセプトの核は、ひとつはキャンプ、もうひとつはアウトドア。べつの括り方をしてみると、ひとつは、いかに車内で過ごすか、もうひとつは、アドベンチャー的な提案ともいえます。

■ユニークなコンセプトが光るコンパクトカーの雄・ダイハツ

来場者の目を惹いていたのは、ダイハツの「ハイゼットトラック・ジャンボエクテンド」。

▲世界最小のモーターホームを謳うダイハツ「ハイゼットトラック・ジャンボエクテンド」(参考出品)

▲「ハイゼットトラック・ジャンボエクテンド」はキャビンを伸長させることでドライバーが休憩できるスペースになるレース仕様のコンセプトで仕上げた「コペン・クラブスポーツ」とともに、モータースポーツの一シーンがテーマのようでした

「2021年のバーチャルオートサロンのために制作したコペン・スパイダーVer.のアイディアを発展させたものです」

担当したデザイナーの里舘ひなの氏は、このように語ってくれました。

ハイゼットトラック・ジャンボエクテンドは、上記コペン・クラブスポーツでレースに参加したドライバーのためのモーターホームがテーマです。

▲スタイリッシュな「コペンクラブスポーツ」(参考出品)

ハイゼットトラックをベースに、荷台の上に伸縮するドライバーの居住スペースを載せています。1.5mから最大2.6mまで室内長が延長されます。

グレーのアウタースキンと、レッドとの組合せもいいセンス。車体を伸ばしたときも、レッドの部分が出てきます。

「最大救助の初動支援車とレンジャー的な要素を組み合わせた」(ダイハツ工業デザイン部の芝垣登志男氏)という「アトレー・ワイルドレンジャー」もユニークなコンセプト。

▲ダイハツ・アトレーをベースにレンジャーの使うイメージでデザインしたという「アトレー・ワイルドレンジャー」(参考出品)

▲「アトレー・ワイルドレンジャー」のルーフボートの設計は、ダイハツのデザイン部としてはチャレンジだったそう

そもそもスーパーハイトワゴンであるアトレーですが、今回はルーフが脱着式。よく見ると側面にオールがそなわっていて、災害救助のためのボートとして使えます。

ダイハツはコンパクトカーの雄。さらに、もう1台、これ出たら売れそうという「タント・カスタムRED/BLACK」なるコンセプトも魅力的でした。

血の色を思わせる深みあるレッドに、後半は夜の暗闇のようなブラックが霧のように車体にかかっているイメージの塗色。

▲ちょっとワルなイメージの「タント・カスタムRED/BLACK」(参考出品)はラッピングでなく塗装で仕上げたのもデザイナーのこだわり

▲「タント・カスタムRED/BLACK」の「ロック好きにアピールしたい」内装もユニーク

「テーマはロック。年齢や趣味でどんな曲が好きかお好みはわかれるでしょうが、ロックが好きなひとが、興味を持ってくれるように、と仕上げました」

デザインコンセプトを担当したダイハツのデザイナー、秦麻衣香(はた・まいか)氏が語るデザインの背景です。

▲「タント・カスタムRED/BLACK」はヘビメタふうなイカしたロゴ採用

 

■アウトドアスタイルが印象的な三菱・デリカミニ

三菱自動車は、新型車「デリカミニ」をお披露目しました。

▲デリカD:4のイメージを取り込んだスーパハイトワゴンのデリカミニ(23年5月発売予定)ベースの「デリカミニ×Coleman」(参考出品)

「これまでちょっと弱かったスーパーハイトワゴンの分野に挑戦」(広報担当者)と、デリカD:4のSUV的イメージを積極的に採り入れたモデルです。

デリカミニはアウトドアイメージを強調した仕様も参考展示。

たとえば、「デリカミニ×Coleman」は「気軽にアウトドアを楽しむライフスタイルを提案」(三菱自)、「SNOW SURVIVOR」は雪道を力強く駆け抜けるイメージでコーディネートしたカスタム。

どのモデルも、マジメにいい感じでした。

■「自由な空間」を演出するスズキ・スペーシア

同様に、スズキも、22年8月発表の「スペーシアベース」の特別コンセプトモデルを展開。

▲リアスペースを活かしたスズキ・スペーシアベースの「百田&玉井ペアの映えキャン」コンセプト(参考出品)

ももクロ(ももいろクローバーZ)の4人がコンセプトを担当したという触れ込みで、1台は「百田&玉井ペアの映えキャン」。もう1台は「佐々木&高城ペアのワタシ的おしゃれカフェ」。

「スペーシアベースは4ナンバーの商用軽なので、後席はあえて自由な空間として使ってもらうというのが、そもそものコンセプトでした」

開発を指揮したスズキの伊藤二三男チーフエンジニアの言葉です。後席と荷室をつないだ空間で、取り付け位置を変えられるマルチボードの機能性をアピールする提案でした。

▲「百田&玉井ペアの映えキャン」はマルチボードを使ってベッドを作っている

▲スズキ・スペーシアベースの「佐々木&高城ペアのワタシ的おしゃれカフェ」展示

<文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

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