Appleは自社モバイルOSをGoogle製サービスから切り離すための措置を講じており、特にマップ、検索、広告を中心に歩みを進めている、と英Financial Timesが報じています。
Appleマップに新たな機能が追加
2000年代にGoogleがAndroidオペレーティングシステムを買収して普及させて以来、AppleとGoogleはスマートフォン市場でライバル関係にあります。
AppleはGoogleに対して現在「静かな戦争」をしかけており、自社エコシステムからGoogleが提供するサービスを排除する方向に動いているとのことです。
この戦いの最初の戦線はマップで、2012年にAppleは自社製マップをリリースしています。Appleマップは当初、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が自身が謝なければならないほどひどいものでしたが、近年ではかなりの改善がみられており、今月初めには新機能のBusiness Connectが発表されました。同機能により、飲食店やホテルなどの事業者が情報をAppleマップに掲載できるようになっていますが、AppleのOSとの親和性の高さにより、Apple Payとの統合や会話ツールビジネスチャットなど独自の機能も提供されているのが特徴です。
プライバシーを口実にさらに切り離しを進めていく?
AppleのGoogleとのバトルの第2戦線は検索です。Appleは自社製検索ツール通称「Apple Search」の開発に長い間取り組んでおり、Twitterをインデックス化して検索と分析を可能にしたスタートアップTopsy Labsや元Googleエンジニアが設立した人工知能スタートアップ企業Laserlikeを買収し、機能強化を図ってきました。
Appleは12億人いるというiPhoneユーザーのデフォルトブラウザとしてGoogleを採用しないことで、Googleの持つ市場シェアに素早く食い込むことができるとされています。
GoogleがiPhoneのデフォルト検索エンジンから外される理由として、プライバシーが挙げられています。Appleはこれまでプライバシー重視のポリシーを掲げてきたこともあり、第三者のデータブローカーに検索情報が漏れない自社検索エンジンの採用はマーケティングキャンペーンにもうまく合致します。
Appleはオンライン広告も視野に?
App Storeでの新広告スペースの導入など、昨今Appleの広告事業の拡大が伝えられていますが、最近の求人広告から、サードパーティーのデータブローカーを締め出すような斬新な広告ネットワークの構築を視野に入れていることが明らかになっています。
Appleは、広告主が複数の取引所で広告在庫を購入できるようにするデジタルメディア購入ツールであるデマンドサイドプラットフォーム(DSP)の設計に取り掛かっている模様です。
マップ、検索、広告の3つの面での自社製サービス開発により、iOSエコシステム内でのAlpahebt(Googleの親会社)の地位はこれまで以上に脆弱になっている、と専門家は指摘しています。
厳しい戦いを続けるAppleとGoogleの両社ですが、新型コロナウイルス感染症対策では歩みを揃えており、クロスプラットフォームの追跡技術を発表しています。両社には、お互いに高め合いながら、ユーザーのことを第一に考えたサービス展開を行ってほしいと願うばかりです。
Source:Ars Technica
Photo:Apple
(lexi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-521224/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania