アップルによるスマートスピーカー「HomePod(第2世代)」が2月3日発売されました。アップルの直販価格は4万4800円。
iPhoneでもお馴染みの音声アシスタント“Siri”を搭載したスマートスピーカーであると同時に、アップルの音響技術を投入したパワフルな音楽リスニング向けスピーカーでもあります。
せっかくなので、音質重視のスマートスピーカーとしてのライバルとなるAmazon Echoシリーズの「Echo Studio」(2万9800円)とも比較しつつ、使い勝手、音質などをチェックしていきます。
■スマートスピーカーは音楽リスニングが主役
そもそも「スマートスピーカーって、みんな何を目的に買うの?」と思う人もいるかもしれません。
「ヘイ、Siri」で話しかけていろいろとコントロールできるアップル「HomePod(第2世代)」は、初代の国内販売から数えて4年となるスマートスピーカーです。またライバル製品として用意したAmazon「Echo Studio」もスマートスピーカーになります。どちらの製品も踏まえつつ考えてみると、スマートスピーカーの機能は次の3つに集約できます。
1. 部屋で音楽リスニングをするホームスピーカー
2. 自社のTV系デバイスと連携してサラウンド化
3. 照明やスマートホームの連携
とはいえ、スマートスピーカーの利用シーンで圧倒的に多いのが1の音楽リスニング。2は、2台購入が必要だったりとハードルが上がる発展的機能。3は所有している家電次第になります。
そこでまずは、シンプルな音楽リスニング面で「HomePod(第2世代)」を1台で見ていきます。
直径14.2cm、高さ16.8cmとワイヤレススピーカーとしては大柄ですが、アップル製らしい美しいデザイン。バッテリーは入っていないので、ポータブルではなく据え置きです。
内蔵スピーカーは、カスタム設計の高偏位ウーファー、振動板を20mmで振動させるパワフルなモーター、低音イコライザーのマイク内蔵、基部に配置された5つのビームフォーミングツイーターのアレイを搭載。S7チップとソフトウエアによる音響補正も全面的に取り入れていて、設置した環境に応じた音響最適化と、IT企業のアップルらしい技術志向。空間オーディオにも対応します。
初期設定は「HomePod(第2世代)」を箱から出して電源を繋ぎiPhoneを近づけるだけ。自動でApple IDもWi-Fi設定も全部コピーしてセットアップが完了。簡単過ぎてビックリです。
そして「HomePod(第2世代)」で音楽を再生する手段は2通りあります。
ひとつは「ヘイSiri、○○を流して」と音声で操作する方法。この使い方はApple Music契約者向けですが、スマホなどの操作が必要なく使えるので、部屋でBGMとして流す用途では結構便利です。
もうひとつはアップル製品の連携です。iPhoneやMacを操作してAirPlay経由で再生します。これならSpotifyやAmazon Musicなど他社サブスク音楽配信、YouTubeなどの音声まで、すべて再生できます。
アップル製品の連携としては他にも、U1チップ搭載のiPhone(iPhone 11以降)であれば、iPhoneを「HomePod(第2世代)」に近づけてハンドオフで引き継ぎ再生も可能です。
ちなみに、ライバルのAmazon「Echo Studio」の場合、音楽再生は「アレクサ」と呼びかけて音声操作もできるし、Amazon Music以外にApple Music、AWA、dヒッツなども登録可能。また、Amazon Musicのアプリを使えばiPhone/Android問わず「Echo Studio」を再生先に指定できます。これはあくまでアプリ上の連携なので、アップル製のOSレベルの連携ほどの完成度はありません。
そして、音楽リスニングで気になる音質を。
「HomePod(第2世代)」は、引き締まったパワフルな低音のリズムの刻みを効かせた、やや洋楽志向のサウンド。中高域はクリアかつ伸びやかで、J-POPなど歌声も空間に浮かび意外とオールラウンダーな音質です。
同じ楽曲を「Echo Studio」で聴いてみると、低音のパワフルさは「HomePod(第2世代)」の方が上で、空間表現の上手さは「Echo Studio」の方がよくできています。ボーカル曲は「HomePod(第2世代)」の方がクリアで聴きやすいですね。総合的には同レベル。個人的には「HomePod(第2世代)」のサウンドの方が好きかなという程度です。
なお「HomePod(第2世代)」は、2台購入してステレオペア再生が可能です(「Echo Studio」も可能)。ステレオペア再生した際の音質の上がり幅は大きく、素晴らしく高音質なのですが…当然ながら予算も2倍になり総額約9万円と手を出しにくいが本音です。
そして、さらなる発展的機能も。「Apple TV 4K」を繋いだデバイスと「HomePod(第2世代)」2台を接続すると、Dolby Atmos対応のホームシアター化が実現します。アップルデバイスで固めれば、最高の映像・音楽体験ができるセットが完成するわけです。ちなみに、Amazonも同社の「FireTV」シリーズと「Echo Studio」の2台を組合わせてDolby Atmos対応になるので、目指すところは同じですね。
そしてスマートスピーカーで忘れてはならないスマートホーム関連のコントロール機能。「HomePod(第2世代)」ではアップルが主導するHomeKitの他に、新たにスマートホーム各社が規格化したMatterにも対応。一方、Amazon Alexaも対応機種を増やしていて、「Echo Studio」は近距離無線のホームネットワークZigbeeにも対応しています。またEchoシリーズもMatterに対応予定です。
では、どちらが使っていて便利かという点ですが、市場の対応機器でいうとアップルのHomeKit対応機器はかなり限られていて、iPhoneユーザーでも一度も使ったことがない人がほとんどでしょう。Alexaは薄型テレビなど黒物家電にも対応機器があり、Zigbee対応機器も含めると、スマートホーム機能は「Echo Studio」の方が活用できそうです。
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アップルによるスマートスピーカー「HomePod(第2世代)」。音楽リスニング向けの音質も作り込まれているし、アップルデバイスとの連携も充実して扱いやすい。ただ直販価格4万4800円に対して、ライバルの「Echo Studio」は2万9800円、かつプライムデーでさらに安くなるので、悩みどころです。
それでもアップルファンなら欲しくなるのが「HomePod(第2世代)」。最初は1台からスタートしても、2台購入して「Apple TV 4K」まで揃えた総額約11万円のセットに行き着く前提なのかも…なんて思ってしまいました。
<取材・文/折原一也>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/508716/
- Source:&GP
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