Boot Campとは、Mac上でWindowsを起動するための、Apple開発のソフトウェアです。
しかしAppleシリコン搭載MacではBoot Campを使うことができません。
これまでは、AppleはそのうちAppleシリコンMac上でも使えるよう、Boot Campをアップデートすると期待されていましたが、米メディアMacworldはAppleシリコン対応Boot Camp登場は絶望的になったとし、その理由を記しています。
M1/M2 Macに非対応のBoot Camp
AppleはBoot Campの提供により、Mac上でWindows OSがネイティブに動作できるようにしてきました。macOS Venturaでも、Intel搭載MacであればBoot Campを利用可能ですが、M1/M2 Macでは使うことができません。
一方Microsoftは、Armアーキテクチャによるプロセッサ(つまりはAppleシリコンのこと)で動作するWindowsについては正式に提供しない、としていました。これは技術的には可能であっても、ライセンス上の問題から提供しないという意味だと考えられています。
Microsoft、ARM版Parallelsを公式に認可
ところがMicrosoftが現地時間2023年2月16日、M1およびM2 Mac上の仮想化環境において、Windows 11 Pro/Windows 11 EnterpriseのArm版を動作するための、仮想化ソフトウェアParallels Desktop 18を公式に認可することを明らかにしました。
Macworldは「公式」に認可するという意味は大きいと主張します。つまりビジネス環境において、Parallels Desktop 18とWindowsをM1/M2 Macで動作して問題が発生した場合、Microsoftからサポートを受けられるからです。
仮想化ソフトウェアはほかにもVMware FusionやQEMUなどがありますが、Microsoftが公式認可しているのはParallelsのみとなります。
M1/M2 Mac向けBoot Camp登場は絶望的に?
MacでWindowsを使いたいユーザーにとって、Parallelsの正式な認可はありがたいことですが、Macworldはこれによって、WindowsをM1/M2 Mac上でネイティブに動作させるBoot Campの登場は絶望的になった、と指摘します。
MicrosoftがM1/M2 Mac向け仮想化ソフト用Windowsを公式に認可し、サポートするのであれば、AppleがわざわざBoot Campを開発する必要はないだろう、というのがその理由です。
どうしてもMacでWindowsをネイティブに動作させたいというのであれば、Intel搭載Macを買うしかなさそうです。
Source:Macworld, Microsoft
Photo:Parallels
(lunatic)
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