Appleは拡張現実(AR)ヘッドセットの開発を進めており、新たな開発パートナーとして中国企業のLuxshareを選んだ、とNikkei Asiaが伝えています。iPhone組み立ての主要サプライヤーである台湾Foxconnもプロジェクトに関わっているものの、初代ではなく、2番目のより廉価なARデバイスの量産体制の確立を手助けしているとのことです。
中国企業がAppleの新ジャンルの製品開発を任されるのは初めて?
Appleはこれまで新ジャンルの製品開発の際、必ずと言って良いほど台湾企業とタッグを組んできました。元々はARプロジェクトも台湾Pegatronをパートナーとし始められたものでしたが、同社は電気自動車やその他の事業に焦点を移しており、プロジェクトから離脱した模様です。その後釜として、中国Luxshareに白羽の矢が立ったと報じられています。
LuxshareはこれまでにもすでにiPhone、Apple Watch、AirPodsの生産に協力してきましたが、ARデバイスのようなAppleにとって新ジャンルとなる製品開発を任されるのは今回が初めてです。
米中間の貿易摩擦や、ハイテク企業のサプライチェーンの脱中国化の流れの中でのAppleの選択は興味深いものがありますが、必ずしもLuxshareの技術が台湾企業にとって脅威となり始めたことを意味するわけではない、と専門家は指摘しています。
PegatronはすでにMicrosoft Hololensなどのヘッドセットを生産しており、ARヘッドセット開発に関して確かな技術を有しているのは間違いありませんが、同社はAppleのARプロジェクトに対して次第に懐疑的になり、最終的にチームから外れることになったとのことです。
販売価格をどのように抑えられるかが鍵に
Appleの初代ARヘッドセットは、台湾TSMCと日本のソニーが開発を進めるマイクロOLEDディスプレイが高価なこともあり、3,000〜5,000ドル(約40万4,500〜67万4,200円)の高額な価格設定となる見通しです。そのため、初代ARヘッドセットを購入するのは、テクノロジー好きの人かAppleのプレミアム顧客のみになると推測されています。
Foxconnが大量生産の自動化と生産性能の向上に重点を置き開発を手助けしているAppleの2番目の廉価版ARデバイスは、ハイエンドのMacほどの価格に抑えられるとされており、より多くの顧客が興味を持つのではないかと期待されています。
Appleの最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏は、昨年9月に行ったイタリアの大学の講演で、近い将来「ARなしでは生きられなくなる」と述べており、ARはインターネットと同じくらい重要なパラダイムシフトを引き起こすと、同技術に大きな希望を持っています。
Source:Nikkei Asia
Photo:Ian Zelbo
(lexi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-525510/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania