エアロネクスト、土砂崩落被災地域でのドローンを使用した定期配送プロジェクトへ参画

ohtani

2年前

*写真は通行止めの崩落トンネル手前で離陸直前の物流専用ドローン

2022年9月、秩父市中津川地内で土砂崩落が発生し、地域の物流が寸断されました。

これまでは一部の緊急車両などの通行のみ許可されている「森林管理道金山志賀坂線」を経由して物資の運搬などが行われていましたが、冬季は降雪や凍結のため通行が困難となります。

次世代ドローン研究開発を行う株式会社エアロネクストは、秩父市中津川地内でのドローンによる物資の定期配送プロジェクト「＆（アンド）プロジェクト」に参加することを発表しました。本プロジェクトは、秩父市や株式会社ゼンリン、KDDI株式会社などの企業・地域・団体等が参画しています。

秩父市中津川地内の地域住民の生活を支える「&プロジェクト」

“決して（A）あきらめずに、（N）中津川地内の（D）ドローン配送の実現を推進し、住民生活の安全・安心の確保を支援し、地域の安堵（AND）に貢献する”といった意味が込められた「&プロジェクト」。

本プロジェクトで実現されるドローン定期配送によって、地域へ食品や日用品、医薬品などを短時間で配送することが可能となります。

本プロジェクトでは、地域住民が電話などで事前に注文した商品を、まず提携先であるコープみらいやウエルシア薬局、ファミリーマートがピックアップし、各社がトラックで道の駅大滝温泉まで配送します。

それらの商品をちちぶ観光機構が個人ボックスごとに箱詰めし、ドローン離陸地点まで配送。そしてドローンが地域に到着後、区長が商品を受け取り、各世帯まで配送するといった流れになっています。

対象地域内のドローン発着地点には作業者の配置ができず、崩落地手前の地点からも目視で確認することはできません。

そうした問題を解決するため、本プロジェクトではKDDIスマートドローンが開発した「スマートドローンツールズ」、衛星ブロードバンドの「Starlink」、そしてエアロネクストがACSL社と共同開発した物流専用ドローン「AirTruck」を組み合わせた専用システムを構築しました。

本プロジェクトなどで運用ノウハウを蓄積し、中山間地域や災害時なども含む全国の様々な地域・環境下でのドローン配送の社会実装を目指すとのことです。

（文・大谷尊迪）