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公正取引委員会がスマホ1円販売を問題視~緊急調査結果を公表

公正取引委員会 緊急調査
 
公正取引委員会は2月24日、などの「1円」などの極端な値引き販売に関する緊急調査結果を公表しました。場合によっては独占禁止法違反となる可能性があると指摘しています。

公正取引委員会の緊急調査

公正取引委員会は2022年8月、大手の販売代理店等がスマートフォンを1円等の格安価格で販売することに関して調査を行うと発表しました。
 
なお今回の調査においては、端末代を「一括1円」で販売することに加え、2年後に端末を返却する残価設定契約を締結することで顧客の実質負担額を抑える「実質1円」についても極端な廉価販売と定義しています。
 
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルのMNO4社および関東地方の販売代理店(279社)において、販売台数上位のiPhone20機種、Android20機種の計40機種の販売状況等について調査が実施されました。
 
調査の結果、1,000円以下で端末を販売する「極端な廉価販売」が233社で行われており、調査対象機種の販売台数の約15%を占めていたことが判明しました。なお、Android端末の方が、iPhoneよりも極端な廉価販売に該当する割合が多かった模様です。
 

独占禁止法違反の可能性に言及


 
公正取引委員会は、大手キャリアや販売代理店の1円等での端末販売は赤字となることに着目し、販売代理店はキャリアからの奨励金で、キャリアはユーザーからの毎月の通信料等で赤字を補填していると指摘しました。
 
他方で、通信契約に紐づかないSIMフリー端末や中古の販売業者は「1円スマホ」に価格で対抗できない状態となります。
 
そのため、大手キャリアの1円スマホは公正な競争に影響を及ぼす独占禁止法違反(不当廉売)となる可能性があると報告しています。
 
また、大手キャリアが販売代理店に対して実質的に端末の赤字販売を強制している場合も、独占禁止法違反(優越的地位の濫用)に該当するおそれがあると言及しています。

今後監視を強化

公正取引委員会は報告書において、大手キャリアは端末の販売価格の設定に留意する必要があると述べるとともに、独占禁止法上の問題について今後監視を強化すると表明しました。
 
記事執筆時点においては、一部の家電量販店でiPhone13等が実質負担額1円~24円で販売されています。公正取引委員会や大手キャリアの今後の対応により、販売代理店での内容が変化する可能性もあり、要注目です。
 
 
Source:公正取引委員会(PDF)(1), (2)
(seng)

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