<&GP編集部員が買ってみた!使ってみた!>
“めっちゃ早くお湯が沸かせるバーナー”なんて聞くと、つい買ってしまうわけですよ。めっきり山に行かなくなったというのに。
JETBOIL(ジェットボイル)のスタンダードモデル「ジップ」を買ったのは何年前になるか、もう忘れました。「500mlを約2分半で沸騰させられる!」という言葉には謎の魅力があり、つい…。
もちろん購入後は使っていたんですが、お湯を沸かす以外に使いみちが見当たらず。いやそれが重要なんですが。分かってはいるんですが、結局は汎用性の高い他のシングルバーナーに落ち着き、メインの燃料もOD缶からCB缶になり、なんてしているうちに、めっきり出番がなくなってしまいました。ごめんねジェットボイル。
でもね(この言葉の後に続くのは大体言い訳です)、購入当時から思っていたことがありまして。このクッカー「もうちょっと広口だといいのになー」って。そしたら料理にも使いやすいじゃないですか。ちなみに「ジップ」の口径は約10cm。
そしたら広口で浅い「ミニモ」(>> 超速湯沸かしからとろ火まで!料理好きも納得の「ジェットボイル ミニモ」【アウトドア銘品図鑑】)が出て、おーい! と思っていたら、クッカーが「ミニモ」に近くて超軽量の「スタッシュ」(>> 高速湯沸かしバーナー「ジェットボイル」の新作はわずか200gと軽いぞ!) までもが発売。うらやましいやらなんやらで…。先日もモンベルのショップで「スタッシュ」を見かけて、出番のなくなった「ジップ」に思いを馳せていたんですが、その横にひょっこり置いてあったのが「1.5Lセラミック フラックスリング クックポット」(9350円)。あ、この手があったか!
はい購入しました。「クックポット」は既存のジェットボイルで使えるオプションクッカーで、口径は約16cm。「ジップ」に付属する五徳で使えて、底には早沸きのポイントである波々形状の“フラックスリング”付き。さらに、内部はセラミックコーティング。
これで眠っていた「ジップ」が再び活躍する日が来るんじゃないの?
■想像以上に大きいぞ!
なんと言ってもうれしいのが、広口ということ。
カタログスペックでΦ10.4cmの「ジップ」と比べて5cm以上も大きくなる口径は、数値以上に大きく感じます。それも当然で、径が約1.5倍ということは、面積は2倍以上ですからね。
ソロキャンプ時のメインクッカー、というか、これしか持っていかないスノーピーク「アルミパーソナルクッカーセット」の大きい方のフタがΦ15.5cm。ほぼ同じだなーと思いきや、それよりもひと回り大きく見えます。
アルミクッカーセットの大鍋は調理に使いやすいことは分かっているので、ジェットボイルの「クックポット」も使いやすいこと確定ですね。
そして「ジップ」のクッカーと比べて、大きく異なるのがハンドル。「ジップ」はクッカーに“コジー”というネオプレン製のカバーが付いていて、ハンドルも同素材で取り付けられているんですが、「クックポット」は長い折りたたみ式になっています。
コッヘル(クッカー)によくあるタイプです。ハンドルをグッと握って幅を狭めると動かせるというものです。この手のやつは、フタの押さえにもなるから、持ち運び時に助かるんですよね。
プラスチック製のフタには穴が空いています。湯切り、お湯注ぎ、どっちでも使えそう。
そして底にはフラックスリングが。これが早沸きのキモとなります。
そもそもジェットボイルのバーナーって出力自体はさほどでもないんですよね。手持ちの「ジップ」で1134kcal/hしかありません。これは、シングルバーナーのロングセラーであるSOTO「ST-310」やスノーピーク「ギガパワーストーブ 地」の2500kcal/hと比べると、半分以下です。
それでも早くお湯を沸かせるのは、フラックスリングが火を受ける面積を増やし、熱を余すことなくクッカーに伝えるから。これは、少ない燃料でお湯を沸かせるということでもあり、小型のOD缶でもいい=荷物を小さくできることにつながります。ちょっとでも荷物を小さく軽くするのは、山では重要。そういう意味でも、ジェットボイルはやはり登山向きのバーナーなんです。
でもいいんです。キャンプでも使いたいんです。だから広口の「クックポット」なんです。
バーナーには「ジップ」に付属の五徳を取り付けます。五徳を広げてちょうど「クックポット」の底の凹みにハマる感じ。
安定感も問題なしです。
そしてジェットボイルといえば、個人的にはパズルのような収納も特徴のひとつだと思っているのですが、そもそもクッカー以外はすべて「ジップ」。
今後は「クックポット」をメインで使おうと思っているわけで、パーツ類も「クックポット」に入れることになります。でも「ジップ」のクッカーより浅くなるので、入ってくれるといいなーと思っていたら…
余裕でした。というより、浅くなってもこれだけ隙間があるってことが、「クックポット」の大きさをよく表しています。
そしてクッカーがこれだけのサイズとなると、さて何を作ろうかとなるわけですが、やっぱり思い浮かぶのはインスタントラーメン。早く沸くし内側はコーティングが施されていてこびりつかないし(卵を落とせる!)、これラーメンクッカーとして最適なんじゃないの!? と思ったんですが、いやいやここでラーメンを作っても芸がない。
そこで、ジェットボイルの公式サイトで見つけた山形名物“ひっぱりうどん”を作ってみることに。
■乾麺を折らずに入れられる!
まずは水を入れて着火。
ジェットボイルには点火装置が付いていないので、ガストーチで着火します。
これはジェットボイルの弱点だと思っているんですが、実は風に弱い。風防がないので、風が吹くと簡単に炎が横に流れます。それでも沸くスピードがさほど遅くならないというのは、やはりフラックスリングのおかげですね。
さてここからは一気にひっぱりうどんを作っていきますよー。
サバ缶の汁がいいダシになって、めちゃめちゃ美味い。
乾麺のうどんを折らずに入れられるということは、パスタもそのままで問題ないはず。今回のうどんも、クッカーの内側にこびりついていなかったので、洗いやすかったのもポイント高し。さすがに底面が熱くなりすぎるので、炒めものには向いていないかもですが、汁物を短時間で作れるのはありがたい。もちろん湯沸かしにも使えますしね。
これまで長いこと眠っていたジェットボイル「ジップ」を活かせるのは助かります。せっかくだから、ジェットボイルのレシピ本も買おうかな、なんて思い始めてます。
>> ジェットボイル
<写真・文/円道秀和(&GP)>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/514772/
- Source:&GP
- Author:&GP