サイトアイコン IT NEWS

フルリモート環境でも交流を生み出すために企業は何をすべき?社内でオンラインコミュニティ・マルシェをやってみた話

今や当たり前になったリモートワーク。前回の記事では、リモートワーク下での事業運営におけるデメリットとして、コミュニケーション不足に陥りやすいこと、他部署との連携が希薄になりやすいことなどを取り上げました。

果たしてリモートワークを続けながらこれらのデメリットを解消することはできるのでしょうか?

フルリモートで事業運営をする「HELP YOU」では、メンバー同士のつながりが感じられる取り組みを積極的に実施し、コミュニケーションの活性化に成功しました。その成果として数々の賞を受賞してきました。

本記事は「HELP YOU」を運営する株式会社ニットの代表取締役社長である秋沢崇夫氏にリモートワークでもコミュニケーションを活性化させる具体的な取り組みについてご寄稿いただきました。

オンラインコミュニティの開発

フルリモートでの業務自体はリモートワークで問題なく遂行できても、会社という個の集合体で事業を運営していくうえで、メンバー同士のつながりは重要です。

なぜならば、「温かいつながり」の中で心理的安全性を生み出すことで、悩みを共有したり、トラブルを回避したり、新たな価値を創出する可能性があるからです。

だからこそ、リモートワークであってもメンバー同士の横のつながりを創り出すことが大事になります。そこで、「HELP YOU」では自分らしく安心して働くことができる環境をオンラインでも実現するために、オンラインコミュニティの開発を行っています。

現在、「HELP YOU」には45個のオンラインコミュニティがあります。ポイントは、「強制」ではなく「任意」参加で運営していることです。

会社側がコミュニティを立ち上げてメンバーに参加してもらうのではなく、メンバー自身が自発的に、興味関心のあるトピックでコミュニティを立ち上げ、参加したいときに参加したいメンバーのみが参加します。

内容も、仕事のスキルアップを目指せるものから、趣味に関するものや雑談できるコミュニティまでさまざまです。

仕事だけではなく、共通の趣味でつながりを持つことで、業務の際にコミュニケーションをスムーズに行うことができたり、何か困ったことがあっても、お互いのことを知っておくことで、生産性の高い組織にしていくことができたりします。

オンラインイベントの開催

当社では日本全国・世界35か国にいるメンバーは500名のうち、約480名がフリーランスです。そのため、複業や本業など、多彩なスキルを持つメンバーが多いのも「HELP YOU」の特徴でしょう。

そんなメンバーの特性を活かし、「HELP YOU」を運営している株式会社ニットでは、メンバーの趣味や特技を応援できる場として「ニットマルシェ」や「MEET UP」などのオンラインイベントを開催しています。

お互いの好きなことや得意なことを共有しながら、仕事以外のつながりをオンライン上で生み出すことで、関係性を深めています。

また、オンライン合宿など、メンバー同士の横のつながりを創出するイベントを随時実施しています。イベントでは、クイズやビンゴゲームなど、みんなが楽しみながら相互コミュニケーションが取れるように工夫をしています。

幸福度診断の実施

HELP YOUでは、目に見えない「幸せ」を定量的に測る手段として、全社のメンバーを対象に年に2回「幸福度診断(Well-Being-Circle)」を実施しています。

同診断では、「地位財(長続きしない幸せ)」と「非地位財(長続きする幸せ)」に分類した2つの幸せを細分化した11のカテゴリを軸に、仕事に関することだけでなく、プライベートに関する質問も合わせて、「幸せ度」を計測します。

企業が優秀な人材を確保したり、優秀な人材を採用したりするために、メンバーが「幸せ」に働けているかどうかを知ることは非常に重要になります。

同時に、「『働く』を通じて、みんなを幸せに」を企業理念に掲げる当社では、メンバーが会社のバリューを体現できているかを把握する指針にもなります。

これにより、離れた場所にいるメンバーでも「HELP YOU」で幸せに働けているか?を定点観測し、組織作りの指針としています。

まとめ:オンラインでも温かいつながりは創れるという想いがあってこそ

メンバーのほとんどがフルリモートで働くHELP YOUですが、以上のように、自発的に参加したくなるようなオンラインコミュニティ運営、オンラインイベントの実施を通じ、メンバー同士の関係性を構築しています。

そして、幸福度診断による客観評価により、定期的にメンバーの状況を把握することで、当社の企業理念でもある「『働く』を通じて幸せに」なれるような環境を作っていきたいと考えています。

何よりも、オンラインでも温かいつながりを創出し、1人ひとりが「ここにいてよかった」と思えるような事業運営をしていきたいという想いこそが、フルリモートでもコミュニケーションを活性化させる秘訣であるのかもしれません。

<著者プロフィール>

秋沢崇夫
株式会社ニット
代表取締役社長

1981年東京都生まれ。青山学院大学卒業。2004年株式会社ガイアックスに入社し、営業、事業開発に関わり、営業部長に。32歳で退職後、一人旅の最中にリモートワークを経験。「このスタイルであれば場所や時間にとらわれることなく自分らしい生活を実現できる」と実感し、さまざまな働き方や生き方の選択肢があってもいいのではないかと考えるように。帰国後「多くの人の働く選択肢を増やしたい」との思いからオンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」を立ち上げる。

オンラインアウトソーシング「HELP YOU」:https://help-you.me/

モバイルバージョンを終了