これまでスマートフォンのプラットフォームはGoogleとAppleにほぼ独占されてきましたが、新たにMicrosoftがiPhone向けにゲームアプリのストアを開設するつもりがあることを明かしました。しかし投資銀行Morgan Stanleyによれば、幾多の困難を乗り越えてMicrosoftがストアを開設したとしても、Appleにとっては大きなリスクにはならないそうです。
iPhone向けに独自ストアでゲーム配信
欧州連合(EU)によるビッグテック規制取り組みを受けて先日、MicrosoftがiPhone向けアプリストアを立ち上げる計画が公式に発表されました。
これまでAppleはサードパーティーのアプリストアをiPhoneで認可していませんでしたが、EUのデジタル市場法を始めとして、各国で巨大テック企業によるプラットフォーム独占を警戒する動きが起こっています。
MicrosoftがiPhone(正確にはその他iOS製品も含む)向けにアプリストアを立ち上げるとなれば、既存のApp Storeと競合していくことになります。この新生ストアがどこまで影響力を持つかは不明ですが、少なくとも投資銀行Morgan StanleyはAppleの脅威とは見ていないようです。
現時点では不確定要素が多すぎる?
Morgan Stanleyは新たに公開した投資家向けレポートの中で、Microsoftのストアについての見解を示しました。
これまでにもActivision Blizzardの買収や、EUによる規制が今後どのような展開をみせるかによってストアの設立が左右されることは報じられてきましたが、仮にサードパーティーの参画が開放されたとして、Appleがどのような対応を採るかも不明だとアナリストは指摘します。
例えば、Appleがサードパーティーのストアでの購入に手数料を課したり、ストアごとにアプリの価格差を設けることをデベロッパーに禁じたりする可能性もあります。
こうしたことを思えば、Microsoftが詳細を明かさなかったのも頷けるでしょう。不確定要素が多すぎて、彼ら自身もどうなるか分からないのです。
莫大すぎるAppleの収益
またMorgan Stanleyは、無事にMicrosoftのアプリストアが登場しても、当面はAppleの脅威にならないだろうとも予測しています。というのも、Appleの収益全体でApp Storeが占める割合は3%に過ぎません。
さらに、Microsoftのアプリストアがゲームに限定されている点にも注意する必要があります。「App StoreのEUでのゲーム収益すべてをMicrosoftのアプリストアが奪うと仮定しても、App Storeが上げる収益の8%、サービス部門の2%、Appleの収益全体で1%にも満たない」
この他にもMorgan Stanleyは、主要市場である米国と中国で調査を行った結果、Appleユーザーのうち30%弱が「デベロッパーのWebサイトから直接アプリを購入したい」と回答したとし、ユーザーがストアを乗り換えるには、App Storeの表示価格より約35%安くなる必要があると述べています。
Source:AppleInsider
(kihachi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-529428/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania