Appleは、携帯電話やPCに内蔵されたAIアクセラレーターで実行可能な動画圧縮・解凍アルゴリズムを開発するWaveOneを買収した、とTechCrunchが伝えています。
より複雑なシーンでより高い効果が得られるアルゴリズム
動画の圧縮・解凍を行う標準的なアルゴリズムは、圧縮はコンテンツプロバイダー側(YouTubeサーバーなど)で行い、解凍はエンドユーザー側のマシンが行うのが通例となっています。これは効果的な方法ですが、新しいコーデックには、圧縮や解凍を高速化するために特別に作られた新しいハードウェアが必要で、技術の普及には時間を要します。
そこでWaveOneは、多くの携帯電話やPCに内蔵されているAIアクセラレーターに目をつけました。オンデバイスでのAIを活用したシーンとオブジェクトの検出により、ビデオフレームを本質的に理解することが可能となり、帯域幅を節約するためにシーン内の他の要素を犠牲にして顔を優先させる、といったことができるようになりました。
ハードウェアに依存しないアプローチにより、ビデオファイルのサイズを半分まで削減でき、より複雑なシーンではより高い効果が得られるとWaveOneは述べています。
Apple TV+に活用予定?
AppleはAIを搭載したビデオコーデックを使って、より効率的なストリーミングを実現させるのだろう、とTechCrunchは推測しています。ビデオ圧縮はわずかな改善でも帯域幅のコストの削減につながり、Apple TV+のようなサービスでは、ストリーミングするコンテンツに応じてより高い解像度やフレームレートの提供が可能になるとされています。
YouTubeはすでにこれを実現させており、Googleの親会社AlphabetのDeepMindが、ボードゲームをプレイするために開発された機械学習アルゴリズムを、YouTubeの動画圧縮の問題に応用し、データ量を4%削減することに成功しています。
Source:TechCrunch
(lexi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-530227/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania