ドコモは、4月1日から「爆アゲ セレクション」を開始します。
“セレクション”という名のとおり、これはドコモ自身が選定したコンテンツサービスを契約できる仕組みのこと。契約や支払いをドコモに一本化できることに加え、dポイントでの還元を受けられるのがユーザーにとってのメリットです。
その還元率は、10%もしくは20%と高く、すでにサービスを契約しているユーザーがドコモ経由に切り替えてもメリットがあります。
ドコモは、4月1日から爆アゲ セレクションを開始する(写真提供:NTTドコモ)
いずれもdポイントの還元率は20%で、3700円のDAZN for docomoには673円分、990円のDisney+には180円分のdポイントがつきます。ポイント還元を受けられることで、実質的な価格が下がると言えるでしょう。
一部を除くと、20%還元のサービスが多い。DAZN for docomoは、20%、673ポイントの還元を受けられる
Netflixは4月5日、YouTube Premiumは4月下旬にドコモ経由での契約が可能になります。
Netflixは、990円のNetflixベーシックが10%、1490円のNetflixスタンダードと1980円のNetflixプレミアムが20%還元の対象です。また、YouTube Premiumは、20%還元です。
これら4サービスに加え、ドコモが4月17日にdTVからリニューアルする「Lemino」の有料版「Leminoプレミアム」も、同日から爆アゲ セレクションのラインナップに加わり、全5サービスから選択ができるようになります。
NetflixやYouTube Premiumなどが加わり、コンテンツのラインナップは全部で5つになる。今後、ラインナップを拡充していく意向も示している
ドコモを介するだけでポイント還元が受けられるため、利用しない手はありません。
一方で、爆アゲ セレクションには条件もあります。その1つが、中・大容量プランに加入していること。具体的には、データ容量が無制限の「5Gギガホ プレミア」や60GBの「ギガホ プレミア」、オンライン専用プランの「ahamo」などです。
逆に言えば、旧料金プランや段階制料金プランの「ギガライト」に加入していると、ポイント還元を受けられないことになります。あくまで、ドコモ回線でのデータ通信量が多い人向けの特典ということです。
Netflix以外は、ギガホやahamoへの加入が条件になっている
Netflixは、中・大容量プランか光回線があればよく、そうでない場合も10%還元を受けられるので、ほかのサービスより条件が緩めと言えるでしょう。
ユーザーが毎月料金を払い、ショップというリアルな接点を持ち、かつ映像系サービスを利用するための足回りである回線を提供しているという点で、キャリアはこうしたコンテンツサービスを扱う窓口に適しています。
実際、海外でも、キャリアがコンテンツサービスを販売するケースは多く、ドコモと同様、映像系のサービスをセットで提供し、割引を提供しています。
米国キャリアVerizonのサイト。HuluやDisney+を提供している
ドコモの爆アゲ セレクションは、こうしたトレンドを踏まえたサービスと言えるでしょう。
キャリアにとってのメリットは、やはり通信量の底上げにあります。爆アゲ セレクションもNetflixを除くと条件が中・大容量プランになっているため、ユーザーがコンテンツサービスをきっかけに、こうした料金プランを選択してくれる可能性があります。
外出先で動画が見やすいとなれば、データ使用量も自然と増えていくはずです。
ユーザーのデータ容量は年々増加している。爆アゲ セレクションのような特典は、こうしたトレンドを後押しする可能性がありそうだ
Netflixのように、大手キャリア3社が取り扱っているサービスもありますが、再契約の手間がかかるため、解約の歯止めになるのは間違いありません。
一方で、コンテンツサービス側は、販路を広げられるのがメリットになります。特にオンラインのサービスは、キャリアのようなショップを持っていません。ユーザーに接触できる機会が限られていると言えるでしょう。キャリアが販売することで、それを広げることができます。
厳しい見方をすれば囲い込みの一環ではありますが、キャリア、サービス提供者、ユーザーそれぞれにメリットがある仕組みと言えるでしょう。
(文・石野純也)
- Original:https://techable.jp/archives/202023
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:はるか礒部