訪中したティム・クック最高経営責任者(CEO)に対し、個人のプライバシー保護を強化すべきだとして、中国政府の高官がAppleに不可解な指導を行ったことが注目を集めています。
Appleにプライバシー強化求める
Appleと言えば、世界的にプライバシー尊重やセキュリティの重視で知られるテック企業ですが、中国にとっては違うようです。
中国を訪問したティム・クックCEOは、北京で開催された政府主催の発展フォーラムに参加し、商務大臣を始めとした様々な政府高官と意見を交換しました。
そのうちの一人、国家発展改革委員会のトップである鄭柵潔(ジャン・シャンジエ)委員長はクック氏に対して、データセキュリティと個人のプライバシー保護を強化するようアドバイスを行ったそうです。
委員長の真意は一体
この“助言”は2つの点で不可解です。
まず先述したように、Appleは世界的にはユーザーのプライバシー保護を強く重んじてきた企業として有名で、中国の政府高官がそのことを知らないはずがありません。
また、中国はお世辞にもプライバシーに優しい国家とは言えず、Appleも当局の求めに応じて、アプリやサービスの取り下げを度々行っており、それが米国で問題視されているほどです。例えば、現地ユーザーのiCloudデータは、政府系の企業が所有するサーバーに保存することが義務づけられています。
つまり、鄭委員長がティム・クックCEOにこのようなアドバイスをする理由がないのです。声明の詳細は発表されていませんが、さぞかしクック氏も戸惑ったことでしょう。
なお、クック氏はこの発展フォーラムで、30年に渡ってAppleが中国との共生関係を築いてきたことを強調しました。
Source:Reuters(1)(2),AppleInsider
(kihachi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-530425/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania