【iPhoneでSafariを使いこなす⑤】
皆さんは「Safari(サファリ)」と「Chrome(クローム)」、どちら派でしょうか?
iOS版Safariのテクニックを紹介してきましたが、iPhoneで使えるブラウザアプリは、Safariだけではありません。
なかでもGoogleが提供する「Chrome」はデスクトップ向けのブラウザとして高いシェアを誇っているので、モバイル環境でも合わせようとChromeを使っているという人は多いのではないでしょうか。
しかし、iPhoneでChromeを選択するメリットとして、ブックマークの同期などシンプルな連携以外には何があるのか、正確に把握している人はあまりいないはずです。
そこで本稿では、iOS版のChromeとSafariの使い勝手について、改めて比較してみたいと思います。
※本稿の検証には、iOS 16.3.1のiPhone 11 Proを用い、バージョン111.0.5563.101のiOS版Chromeアプリを使用しました。Macに関係する手順については、macOS Ventura 13.1で、バージョン:111.0.5563.110のChromeを用いています。使用するバージョンや機種によっては詳細が異なることがあります。
第1回 リーダー表示や履歴表示機能
第2回 検索を効率化するテクニック
第3回 Safari専用アプリ5選
第4回 連携・共有まわりの機能
第5回 「Safari」と「Chrome」どっちを選ぶ?
■ChromeとSafariのUI比較
まずはChromeとSafariのUIを比較してみましょう。
ChromeのUIでまず気になったのは検索窓が上部に表示されることです。特に、大型の端末では指が届きづらいと感じるかもしれません。
一方のSafariは、レイアウトを選択することで、検索窓を上部または下部に配置できます。下部にあった方が、片手操作という点では有利ですね。
新規タブ作成の操作についても差を感じます。
Chromeでは、新規タブ作成が「+」のタップですぐ行えます。しかし、Safariではタブアイコンをタップしてからの操作になるので、手順がワンタップ多くなります。
さらにタブの検索機能についても、Chromeの方が扱いやすい。Chromeは検索アイコンが左上に固定で表示されているので、わかりやすいと感じます。
一方、Safariではタブ一覧画面を最上部までスクロールしないと検索アイコンが表示されません。画面上部をタップして最上部へスクロールするなど、ひと手間が発生します。
こうした特徴を考えると、Chromeは新規タブをガンガン作成して、キーワード検索を交えた運用に向いているかもしれません。
■共有メニューが異なる
Safariは中央のアイコンが、新規タブ作成ではなく共有メニューになっています。一方、Chromeは共有メニューを画面の右上に配置しています。
また、SafariとChromeでは、使用できる共有メニューについても差があります。
例えば、SafariはWebページをPDFとして出力できる機能を備えていますが、Chromeの共有メニューにはPDF出力が見当たりません。
そのほか、Chromeはページ内のキーワード検索を共有メニューの「ページ内を検索」から行うようになっています。一方、Safariではキーワードを検索欄に直接入力して行う仕様です。この点は好みが分かれそうです。
■QRコードの読み込み
アプリアイコンを長押しして表示される機能にも差があります。
特に目立つのは、Chromeは、長押しメニューから「QRコードをスキャンします」という機能が利用できること。ただ、Safariでも標準の「カメラ」アプリを二次元コードに向ければURLを開けますので、この差はそこまで重要ではないでしょう。
一方、Safariはブックマークやリーディングリストへの素早いアクセスができるようになっています。
■Chromeは拡張機能が使えない
PC版Chromeの魅力のひとつとして、豊富な拡張機能がラインナップされていることが挙げられます。しかし、残念ながらモバイル版アプリでは、こうした拡張機能を利用できません。
一方のAppleは、モバイルを含めてSafariの拡張機能提供に力を入れつつあり、App Store経由で、iPhoneのSafariで使える拡張機能を入手できます。
■Webページの翻訳はどちらも使える
閲覧中のWebページを翻訳する機能はSafari、Chromeともに備えます。Chromeではメニューから「翻訳」を選択、Safariではアドレスバーの「あぁ」から「翻訳」を選べばOKです。
■選択できる検索エンジンは大きくは変わらない
ブラウザアプリでは、検索エンジンをGoogle以外にも選択できます。例えば、Safariでは、「設定」アプリからの操作で、「Google」「Yahoo」「Bing」「DuckDuckGo」「Ecosia」の5種類の検索エンジンから選べます。
一方Chromeでは、Chromeアプリ内の設定メニューから「Google」「Bing」「Yahoo! JAPAN」「DuckDuckGo」「百度(バイドゥ)」の5種類を選択可能です。
■Chrome・Safari間の乗り換えはMacがあると便利
最後に、ブラウザアプリの乗り換えで役立つ手順について紹介します。
まず、「これまでMacでChromeを使っていたので、iPhoneでもChromeを使っていたけれど、Safariに乗り換えよう」となった場合は、ChromeのブックマークなどをSafariに同期する操作を行うのが良いでしょう。この操作はMacで簡単に行えます。
Safariを開いた状態で、メニューバーから「ファイル」→「読み込む」を選び、「Google Chrome.app…」を選択。「ブックマーク」にチェックが入った状態で「読み込む」をクリックしましょう。あとはiCloud経由でMacとiPhoneのSafariが同期されればOKです。
一方、「これまでiPhoneでSafariを使っていたけれど、Macに合わせてChromeを使ってみたい」という場合には、SafariのブックマークをChromeに同期し、iPhoneのデフォルトブラウザをChromeに変更する操作を行なっておきましょう。
Safari を開いた状態で、メニューバーにある「ファイル」から「ブックマークを書き出す…」を選択し、ブックマークの情報を適当な場所に出力・保存しておきます。
続いて、Chromeを開いた状態で、メニューバーにある「Chrome」から「ブックマークと設定をインポート…」を選択。「HTMLファイルをブックマークに登録」を選んだ状態で、「ファイルを選択」をクリックします。そして、先ほど出力したファイルを「開く」をクリック。「完了」をクリックします。
そして、iPhoneの設定で「Chrome」を選び、「デフォルトのブラウザApp」の項目で、「Chrome」を選びます。あとはログインしたGoogleアカウント経由で、PC・iPhoneのChrome間のブックマークが同期されればOKです。
* * *
SafariとChromeのどちらを使った方が快適かは、人によって異なります。JavaScriptなどの挙動によって、選び分けた方がよいことも稀にあるかもしれません。Safariだけ、Chromeだけ、と凝り固まらずに、ぜひ広い視野でブラウザを選択してみてください。
<文/井上 晃>
【関連記事】
◆“挿すだけ”でお手軽バックアップ。iPhone、iPadのデータ移行にPCは必要ナシ!
◆デザインも機能も満足できるiPhoneケース5選
◆iPhone使ってるならMagSafe使わなきゃ!スタンドになるモバイルバッテリーありますよ
- Original:https://www.goodspress.jp/howto/519372/
- Source:&GP
- Author:&GP