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MacでChromeブラウザを使うとAppleのプライバシー保護機能が無意味になる

safari vs chrome
 
GoogleのChromeブラウザは便利なブラウザです。ユーザーのなかにも純正ブラウザのSafariではなく、Chromeを使っている人も少なくないでしょう。
 
しかしMacでChromeブラウザを使うことは、Appleによるプライバシー保護をユーザーが自ら台無しにする行為だと、米メディアAppleInsiderが主張しています。

セキュリティとプライバシー重視のApple

Appleはユーザーをマルウェアなどの悪意あるソフトウェアから守ることを念頭において、OSや純正ソフトウェア、そしてSafariブラウザを開発しています。そのためAppleソフトウェアだけを使っている限り、悪意あるソフトウェアに感染することはほとんどなく、個人情報流出の危険性も少ないそうです。
 
しかしSafariではなく、Chromeを使った時点でAppleのプライバシー戦略は崩れ去ってしまうのです。
 
Mac版Chromeは、Windowsなどほかのプラットフォーム版Chromeよりはマシとはいえ、「Webブラウザのフリをしたデータマイナー(大量のデータを取得、分析すること)であることに変わりはない」と、AppleInsiderは言い切っています。

Webサイトを訪問すれば個人情報の収集が行われる

Webサイトを訪問すれば、たとえそれがどんなサイトであったとしても、何らかのデータを収集されるというのは、ほとんどの人が理解していると思います。
 
Googleはそのようにして収集したデータを使ってターゲット広告を制作、販売し、ユーザーが広告を見たり、クリックしたりすると、広告を掲載しているサイトが売上を得られるようになっています。

実はシークレットではない?Chromeのシークレットモード

しかしGoogle、そしてFacebook、Twitter、TikTokなどのソーシャルメディアが、ユーザーがそのサイトから移動しても、ユーザーを追跡してデータ収集を続けていることを理解しているユーザーは少ないのではないでしょうか。これを「クロスサイト(サイト越え)トラッキング」といいます。
 

 
Safariやそのほかのプライバシー保護重視ブラウザでは、このサイト越えトラッキングを防ぐ機能を備えています。Chromeでもサイト越えトラッキングをオフにできますが、デフォルトではオンになっています。つまりユーザーが自分で設定を変更しない限り、サイト越えトラッキングが行われます
 
しかし、検索履歴や閲覧履歴を残したくないからといってシークレットモードにしても、メールやSNSのアカウントにログインした場合、ログイン後のアカウントの行動がすべて丸見えとなり、追跡可能となってしまうのです。
 
Googleは、ユーザーがシークレットモードでWebを閲覧している際も個人の情報収集を行っていたとして、2020年にプライバシーの侵害で集団訴訟を起こされています。
 
そしてGoogleは訴えの棄却を要求していましたが、米カリフォルニア州の連邦地方裁判所は2021年3月、同社の請求を却下しました。裁判は現在も進行中です。
 
「少々個人データが収集されても気にしない」という方もいるでしょう。しかし、数多いGoogleのサービス、つまりGmail、YouTube、Googleフォト、Googleドライブ、Googleマップで絶えず少しずつ情報を収集され、蓄積され、分析されて、政治的組織や外国政府、どこかの組織などに売られている…としたらどうでしょうか。

Safariのプライベートウインドウ

AppleのSafariブラウザ、そしてFirefoxやDuckDuckGoなどのプライバシー重視ブラウザでは、少なくともユーザーが知らぬ間にデータを収集されるということはありません。
 
そしてSafariのMacのプライベートウインドウやiOSのプライベートブラウズモードでは、検索履歴や閲覧履歴を残さないだけでなく、Apple側もユーザーのサイト訪問情報を見ることができない仕組みになっています。
 
 
Source:AppleInsider
(lunatic)

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