本記事はCAMELORS株式会社の代表取締役社長 田根 靖之氏による寄稿記事です。「フリーランスの課題と有効的な活用例」について書いていただきました。
企業が抱える「業務委託」の「プロ人材」の活用課題
近年、「個の時代」「新しい働き方」としてフリーランスや副業への注目が集まっています。実際に、フリーランスとして仕事をする人や副業人材は増加傾向にあります。
これらの人は専門的なスキルをもつ「プロ人材」という特徴があり、自分のスキルを活かして成果につながる仕事をしています。
私自身も会社員から独立し、フリーランスとして数年仕事をしていた時があります。その当時、業務委託先の企業と仕事においてミスマッチを感じることがありました。
そのミスマッチの主な原因は、業務委託先の企業が解決したい課題を解像度高く整理ができていなかったこと、どういう業務を依頼することがより課題解決につながるのか、活用イメージがないまま進めてしまうことでした。
それによって人材側もパフォーマンスを発揮しきれない、そういったケースです。
また、フリーランスや副業人材を業務委託で採用している企業は、まだまだ少ない印象です。
株式会社Lboseが行った調査によると、一都三県の企業に所属し、正社員採用業務、派遣労働者・外注先への依頼業務の両方を行っている企業担当者400人のうち、66%が「正社員採用に苦戦している」と回答しています。
しかしながら、正社員採用が厳しくなった際の代替手段として「フリーランス活用」と回答したのは20%。最も多かった回答は「人材派遣・契約社員活用」の51%でした。
フリーランス活用が正社員活用の代替手段にならない理由として、最も多かった回答は「なんとなく・とくに理由はない」が26%で、次いで「他の手段の方が管理・採用しやすい」というものが23%でした。
フリーランス活用の障壁になっているものとして、「どのように活用したらいいのかわからない」ということが挙げられます。
活用方法がわからないからなんとなくフリーランス活用に踏み出せない…すでに活用している派遣や契約社員の活用の方が採用・管理がしやすい……という企業が多いです。
また、株式会社みらいワークスが行った、大企業に対する『フリーランス・プロフェッショナル人材活用実態調査』によると、大企業でフリーランスのプロ人材を活用しない理由の22.1%が「活用方法がよくわからない」というものでした。
正社員を雇用契約で採用するのと、フリーランスや副業人材を業務委託で採用する違いは、特に即戦力を求めた場合ですと「専門性の高いスキルが必要な業務を依頼して、成果を上げてもらい、成果や稼働に対して報酬を支払う」という点でしょう。
- 事業やサービス課題を解決するためにどんな人材要件にするべきか
- 採用後、成果を上げてもらうためにどのように業務を依頼したらいいのか
上記のような、まさに「活用方法がわからない」という企業がまだ多いのが現状です。「業務委託」の「プロ人材」活用課題を解消することで、企業が優秀な人材採用を促進し、事業成長や世の中をよりよくすることにつながると考えています。
業務委託人材の採用や活用をサポートする「SOKUDAN」
その課題に対してCAMELORSが提供しているのが、フリーランスや副業で活躍するプロ人材と企業のマッチングサービス「SOKUDAN」です。
近年のフリーランスや副業人材の増加にともなって、求人案件紹介のサービスやマッチングプラットフォームは急増加しており、SOKUDANもその1つです。
弊社でまとめた「フリーランス・副業向けサービスカオスマップ-2022年完全版」も参考にしてみてください。
フリーランスや副業人材のマッチングプラットフォームの中でもSOKUDANの特徴は、採用だけでなく、実際に活用できるプロ人材のマッチングです。
- 事業やサービス課題を解決するためにどんな人材要件にするべきか
- その人材要件をどう求人に表現していくべきか採用後、成果を上げてもらうために、どのように業務を依頼したらいいのか
上記の課題をクリアにし、人材や求人案件の解像度を上げてマッチングを行います。
例えば、業務内容を細かく要件定義し、1人のプロ人材ではなく複数のプロ人材の組み合わせを提案することがあります。どんなスキルの人材で、どうやって業務をこなしていくのか採用後の「活用」までイメージできるようにしています。
案件紹介のサービスやマッチングプラットフォームによっては、企業が作成した求人に応募があった人を横流しで紹介したり、大量の人材との接点だけを提供したりすることが少なくありません。
しかし、プロ人材を業務委託で採用するには即戦力として活躍してもらう必要があります。一般的なプラットフォームでは「採用したものの、なかなか成果につながらない」といったことがありますが、SOKUDANでは、各企業にマッチした優秀なプロ人材へのオファーが可能です。
そのため「すぐに契約終了となって採用工数やコストが無駄になる」リスクを少なくできるでしょう。
課題に対する人材の要件定義をしっかり行うことで採用に成功した事例
実際に弊社を利用して業務委託のプロ人材の採用に成功された事例として、製造業でサービスを提供しているI社での新規事業の立ち上げの人材の採用事例を紹介します。
I社では、熱技術の領域で特許を取得しており、この技術を使って新規事業の立ち上げを検討していました。しかし、事業として確立できるのかどうか、もしくは諦めた方がいいのか、自社のメンバーだけでは見極めがつかず、過去にコンサルを何社か利用していました。
しかし、熱伝導というニッチな領域での知見が少なかったり、知見はある程度あってもアドバイスのみにとどまったりするなど、新規事業としての立ち上げが上手く進んでいない状況でした。
そこである時SOKUDANを知っていただき、SOKUDANではコンサルティングだけでなく実働で一緒に事業立ち上げができるようなプロ人材の活用ができるとのことで検討いただきました。
まず、新規事業を進めるにあたって必要な業務内容を細かく要件定義しました。そうすると、1人のプロ人材で解決するのではなく複数のプロ人材を組み合わせることで、課題が上手く解決されることが見えてきました。
また、人材要件を1人ではなく2人で担えるように要件を分けることで、プロ人材を採用できる難度を緩和。
さらに、「どういうスキル」で「どのくらいの経験」で「どのような組み合わせ」がいいのかなど、必要な人材の要件定義をしました。
最終的に、下記の組み合わせでプロ人材を採用することができました。
要件01 熱技術の領域に知見があり、事業開発のプロ人材
要件02 0→1の新規事業の立ち上げ、テストセールスのプロ人材
結果として、2人のプロ人材を上手く活用することができ、事業化へ向けたサービス設計、見込み先にとなりうるターゲット企業との商談創出、ニーズの把握など、新規事業の立ち上げを成功することができました。
また、プロジェクトの初期フェーズでは、プロジェクトの進め方や、やるべきミッションをフェーズごとに分けて進行します。
さらには数ヶ月経過後にクライアントの期待水準、事業の進捗を確認しながら、人材側の業務領域、やりとりの仕方など微修正など行うことで、よりパフォーマンスを向上しました。
フリーランスや副業の人材を採用する企業を増やし、個人の挑戦を後押し
フリーランスや副業の人材を採用する企業を増やすには、フリーランスや副業の人材を「活用」できるサービスを提供することが重要です。
SOKUDANでは、I社のように、課題に対しての必要要件を細かく定義することで、実際に活用できるプロ人材を採用することができます。
SOKUDANでは、「信頼されるひとがどんな世界でも挑戦できる世の中をつくる」といったミッションのもと、個人の挑戦を少しでも後押ししていけるサービスを目指しております。
最近、企業の技術力がAI中心にどんどん進化しているかと思いますが、企業の成長や技術がどれだけ発展しようと、はじめの起爆剤は「ひと」だと思います。
こうした個人の挑戦を企業の成長につなげ、そして世の中をよりよくすることにつなげていきたい、そう強く思っています。
また現在、国内では労働人口が7,420万(2022年5月時点)ですが、さらに人口減少が加速し、今後10~15年後には6,773万(2035年)の約1,000万の労働人口が減ると言われています。
この労働人口減少は、企業の採用難度がさらに上がりそれにより企業成長の足かせになり、結果として経済成長の鈍化を加速してしまうほど、より一層社会問題化されています。
我々はそんな社会問題に挑み続け、個人や企業の挑戦の後押しで、世の中をよりよくするサービスに進化してまいります。
<著者プロフィール>
田根 靖之
CAMELORS株式会社
代表取締役社長大学卒業後(株)経営コンサルティング会社に従事した後、女性専用30分フィットネス「Curves(カーブス)」の創業メンバーとして、事業立上げ、セールスマネジャーとして業界内店舗数No.1の企業に牽引。
その後楽天(株)入社 楽天インサイト(株)に出向し、セールス、マーケティング、新規事業の立ち上げ、人事・採用に従事したのち、執行役員として事業経営に従事。その後CAMELORS(株)を創業。IT事業の立ち上げを模索しながら、フリーランスとしていくつかの企業の仕事を業務委託で従事していく中で、複業の業界にペインを感じ、2019年7月即戦力人材を最速で獲得できる複業マッチング『 SOKUDAN (ソクダン) 』β版をローンチ
- Original:https://techable.jp/archives/202879
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:Techable編集部