2月22日に発売された「PlayStation VR2」(以下、PSVR2)。VRゴーグルと聞くと先進的なガジェットの代表格…というイメージも強いのですが、歴史は意外と長く、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)としても2016年にPS4/PS5向けに発売した初代PSVR以来、7年ぶりの新製品です。
そうは言ってもVR、まだ多くの人は未体験の領域で、「今どきのVRってどうなってるの?」と興味のある人も多いはず。僕自身PS5ユーザーということもあり、PSVR2のゲーム、AV機器として体験してみることにしました。
製品はPSVR2本体のみのいわゆる通常版(実勢価格:7万2480円前後)と、PSVR2のローンチタイトルでもある「PlayStation VR2 Horizon Call of the Mountain」(実勢価格:7万7310円前後)がありますが、今回は通常版のハードウェアに『Horizon Call of the Mountain』をプラスする形で揃えてみました。
■VRゲームの臨場感が凄い!
PSVR2はあくまでPS5の周辺機器なので、PS5が必要です。そしてPS5とはUSBケーブルで接続して使います。ちなみにライバルのMeta Quest VRはすべてスタンドアロン型です。
ヘッドセットは、VRゴーグルらしいと呼ぶべきか、ヘッドバンド部も含めしっかりゴーグル。前面のゴーグル部と背面のヘッドバンド部の2箇所で調整できます。本体重量は約560gですが、後ろのヘッドバンドで額に固定するのでかぶりもの感はなく重さは感じません。
VR表示の仕組みは単眼あたり2000×2040ドットの有機ELディスプレイ。リフレッシュレートは120Hz/90Hz対応で視野角は約110度です。
PSVR2の専用コントローラー「PS VR2 Senseコントローラー」(以下、コントローラー)が付属。通常のデュアルセンスのボタンを左右に分けただけでなく、ポジショントラッキング用のIR LEDを搭載しているのでゲーム中に手の位置も認識します。
では、実際にPSVR2を使っていきます。PS5とPSVR2を接続する付属のUSBケーブルは4.5mと非常に長いので、リビングのソファでプレイしても余裕で届きました。
セットアップは画面の指示どおり進めていきます。特にヘッドセット装着周りのガイドは丁寧。コントローラーのペアリング、アイトラッキング、プレイエリアの設定と進んでいきます。
PSVR2を装着していてもシースルービュー機能で白黒ながら周囲の様子が見えるし、プレイエリアの設定では部屋を3Dスキャン。このVRデバイスのハイテク感がスゴイ…。
PSVR2のセットアップを終えたら、早速『Horizon Call of the Mountain』をプレイしてみました。
©2023 Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Guerrilla and Firesprite. Horizon Call of the Mountain is a trademark of Sony Interactive Entertainment LLC.
僕にとって初めてのPSVR2ゲームとなる『Horizon Call of the Mountain』なのですが…ええっ!! こんなに綺麗なの!? というのが第一印象。
ジャングルの川を船で進むシーンからスタートするのですが、有機ELパネルによるドット感のない表現、世界の広がりや奥行き再現が圧巻。VRなので正面以外にも360度好きな方向を見回せて、次々に現れる巨大な機械獣を見上げるリアリティも素晴らしい。そして画面端まで全てが描き込まれる…と思ったら、アイトラッキングの仕組みで、注視しているところを高解像度にレンダリングする仕組みがあるとか。
サウンドについては、付属のステレオヘッドホン(イヤホン)では音空間の位置も含めて完璧にVR空間の臨場感を再現。ただ、ゲームに没入していると周囲も音も聞こえなくなるので、テレビの内蔵スピーカーを使うという選択肢もアリだと思います。
『Horizon Call of the Mountain』のプレイは、ポジショントラッキング付きのコントローラーをフル活用していて、岩やロープを掴んで登る動作が満載。これに振動フィードバックもあって、体験として新鮮で臨場感抜群。あと主人公の得物は弓矢。バトルでは右手で背中から弓を取って、左手で矢筒から矢を取って弓を引いて戦うのですが…プレイ中に腕を動かすので結構疲れるかも。
続いて、PSVR2をAV機器として使い、映画視聴で活用してみます。
まず大前提として、PSVR2装着時も普段と同じPS5「ホーム画面」がそのままPSVR2に表示されます。PS5のメディアとして扱われるすべて、UltraHD Blu-rayの再生やNetflixなどのアプリも何でも視聴できます。このスタイルを“シネマティックモード”と呼びます。
実際の見え方は、巨大なスクリーンのあるVR空間の映画館を再現し、その4~5列目あたりで映像を見るようなイメージ。なおこの距離感とサイズは12段階で調整できます。
表示解像度としては1920x1080ドット扱いで、120Hz/HDRにも対応。ただ実際に画面をよく見ると、ネイティブ4Kほどの解像度はなく若干ザラ付くところは気になりました。
それでも大画面を再現している感はあって、PS5と繋いでいるテレビが大きくないなら、これでサブスク動画配信を視聴する使い方もアリだと思います。
* * *
PSVR2を実際に体験してみると、さすがはソニー、よく作り込まれていると思いました。個人的に期待値を超えていたのは、シースルービュー機能による手元も見える便利さと、『Horizon Call of the Mountain』によるゲームプレイの面白さ。VRゲームってスゴイと素直に実感。“シネマティックモード”でAV体験もカバーしています。
ただし気になるのは価格。今回試したPSVR2通常版(実勢価格:7万2480円前後)というのは、ゲーム周辺機器としてもVRゴーグルとしても高めですね。最近入手可能になってきたPS5本体より高額というのは、なかなか手を出しにくいというのが本音。でも、VRゲームに興味がある人は、試してみる価値があると思いますよ!
<取材・文/折原一也>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/523867/
- Source:&GP
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