<不自由を自由にする野営スタイル>
こんにちは、「不自由は自由だ!」をモットーに、不便がいっぱいな自然の中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしているRYUです。
先日キャンプ場でキャンプをした時に、意外とベテランキャンパーさんでも焚き火の着火に手こずっている方が多いなと気づきました。
そこで今回は、マッチかライターでの一発着火、その後はウチワで仰いだり、火吹き棒で息を吹きかけなくても、放っておけばボウボウ火が燃える着火方法をご紹介します!
今回の方法ならば、薪割り時間を除いて5~10分あれば着火可能。焚き火好きだけど、着火に不安があった方、その不安とは今日でおさらば!
■焚き火は準備が9割
焚き火で重要なポイントは「準備が9割」だということです。ちゃんと準備ができていれば、本当に10分、いや5分あれば着火すると思います。なので揃えたいものと、準備段階の説明をします。まずは準備するギアをご紹介。
まずは焚き火台。まあ、当たり前ですよね。今回私が使用した焚き火台はピコグリルです。次にグローブ。火を扱うので、ヤケドしないように火に強いグローブを使用してください。私が愛用しているのはグリップスワニーのグローブです。そしてライター。これはマッチでも、どんなライターでも大丈夫です。最後に着火剤。
あと、私が個人的に最強だと思っている着火剤は文化たきつけという着火剤です。普段、私は天然素材の白樺の樹皮や、赤松の樹脂のファットウッドや杉の葉など、山で手に入れられるものを現地で拾ってきて使っていますが、着火剤を使うなら、これが本当にお勧めです!
もちろんチャークロスなどを火口に、ファイヤースターターで着火<といった方法もありますが、簡単に火をつけるなら着火剤とライターが便利。上手に着火できるようになってから行うのがベストです。
次にいわゆる焚き火準備のお話です。要するに薪ひろいや薪割り、我々野営キャンパーの中では「薪カツ」といわれていたりします。
焚き火準備で一番大事なのは、細い枝拾いや、買った薪であれば小割をいかにたくさん集めるか、です。
いきなり太い薪に着火しようとしている方を多く見かけますが、それはどんなにベテランなキャンパーでもほぼ不可能ですので、まずは小枝拾いと薪割りを徹底的にやりましょう!
これをたくさん用意できるかどうかで、焚き火の成功か不成功かが決まると言っても過言ではありません。
小枝拾いや、薪割りが完了したら、上の写真のように使う順番に並べましょう。右から左にかけて太くなっていきます。
仮に右から1番、2番、3番、4番と名前つけ、上述した小割は1番ですが、太さは指一本分以下くらいを目安に薪割りをしましょう。2番は指2~3本くらいの太さ。3番は指4~5本くらいの太さ。4番はそれ以上として、これを目安に薪を作っておくことをお勧めします。使う順番は1番からとなります。
写真では1番を30本くらい用意しておりますがこれは着火に必要な本数で、焚き火を一晩行ったり焚き火で調理を行う場合は火力調整に使いますので、3~5倍くらいは必要となります。
■着火前の薪の組み方
焚き火準備で薪をしっかりと1~4番まで作れたら、いよいよ焚き火開始です。
しかし、焚き火台に闇雲に薪を並べても効率よく火が付きません。従って、簡単に火が付くための準備として薪を組む、という工程が必要となります。
まずは焚き火台の上に3番くらいの太さの薪で、皮でない方を上に向けて一番下に敷いてください。完全にフラットである必要はありませんが、なるべくフラットになるようにしましょう。
皮面が上にくると着火しにくくなりますので、必ず皮でない方を上にするようにしてください。皮面は乾燥が十分ではないことが多く、着火しにくくなります。
この火床を作っておくかどうかも焚き火の熱量を早く上げること、そして熾火を早期に作るための手順として非常に重要です。
焚き火には色んな薪の組み方があるのですが、私は着火する際は上の写真のような差し掛け型が一番使いやすいと思っています。
焚き火台の奥に3番の太さの薪を2本置き、そこに1番の薪を上の写真のように三角屋根になるように組んでいきます。その真ん中に着火剤を入れれば、あとは着火するだけです。
茶色で見にくいかもしれませんが、文化たきつけという着火剤を薪の中に入れているのはお分かりになりますか??
差し掛けで組む時もなるべく中心部分は細く、外に向かって太い薪とすることを注意してください。ここまでできればあとは着火するだけです。
■しっかり準備が整えたら着火
準備が整ったら、いよいよ着火です。ここで注意点があります。
この段階で息を吹きかけたり、ウチワで仰いで空気を入れようとする人がよくいるのですが、これは絶対にやめてください。
焚き火というのは熱量が上がれば火が大きくなるものです。火が付いたとはいえ、この段階ではまだ熱量が十分ではありません。その段階で息を吹きかけたり、風を送ることは熱量を下げることに繋がります。恐らく失敗している方の大半はここで焦って色々してしまう人たちだと思います。
もし、この段階で火が消えてしまう方は、焚き火の組み方に問題があったり、薪が湿っていたりなどが考えられます。もう一度、手順を見直し、ちゃんと1番の薪を着火剤に近いところに並べているか、いきなり太い薪をくべてないか? などを確認してください。
しっかりと着火し、火が安定してきたら、1番の周りに2番を追加してください。そしてさらに安定してきたら、薪を寝かせて、3番、4番と投入していきます。
上の写真は、2番まで投入し薪を寝かせた状態です。初めに3番を火床として焚き火台の下に敷くことを推薦しましたが、火床に火がついていて、少し黒く炭化しているのがわかりますでしょうか? こうなったら、もう安心です。
火床からの熱でしっかりと全体に熱が行き渡り、焚き火が安定します。この段階から、3番を投入してよいタイミングとなります。
3番を投入し、その3番も炭化したら、4番の投入開始の合図です。
4番まで投入し、しばらく待つと、すべての薪が炭化した状態になります。このようになったら、調理が開始できます。まだ炭化していない状態で調理、特に焼き物をすると、真っ黒い煤が食材について、美味しく焼けません。ちゃんと炭化させてから調理しましょう!
火力が足りないと思ったら、この上に1番を投入し、2番、3番とだんだん太い薪を投入していくことを繰り返せば火力調整可能です。
■炭化を見極めてから火力調整
今まで一度もウチワで仰いだり、息を吹きかけたりしておりません。では一体、いつ火吹き棒を使うの? と疑問を持つ方もいらっしゃるかも知れません。
息を吹きかけたり、風を送るタイミングは、火力調整のタイミングというか、上記の写真のようにしっかりと炭化した状態から行うと覚えておいてください。この段階で火力を上げる速度を早めたい時に息を吹きかけます。炭化していない状況で行うのは前述した通り、NGです。スピードを重視しなければ、順番に薪を追加していくだけで火は大きくなります。
上手に焚き火をする人は空気を送る回数はとっても少ないのです。あと、空気を送るタイミングとしては、炭化した状態で放置しておくと焚き火がどんどん小さくなってくると思いますが、そこから火を復活させたい時などはフーフーします。その時はちゃんと、1番、2番をくべてから行ってください。
さて、いかがでしたでしょうか? 本日紹介した手順で焚き火を行えば本当に簡単に焚き火マスターになれます!
大事なことは1番をたくさん作ること。火床を作ること。むやみにフーフーしないこと。薪をくべる順番は1番から。この4つです。ぜひ覚えて、楽しい焚き火ライフを送ってください!!
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(文・写真/RYU)
RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、年間数十泊の野営を行っている。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/527652/
- Source:&GP
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