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本国でも激レアな英国車をオートモビルカウンシル2023で発見!ベッドフォードって知ってる?

2023年4月14日(金)〜16日(日)、千葉県・幕張メッセで開催された「オートモビルカウンシル2023」。元々はヘリテージカー、クラシックカーの販売店が一堂に会して車両を展示するイベントとしてスタート。展示されるクルマにはプライスタグが付けられ、気に入ったものをその場で買える、他のモーターショーにはないスタイルで開催されました。

イベントが回を重ねるごとに内容が進化し、さまざまな企画展示が行われるようになりました。展示されるのはクルマだけでなく、ヘリテージカーがあるライフスタイルを豊かにするさまざまなアイテムも紹介されています。テーマは『CLASSIC MEETS MODERN AND FUTURE』。ヘリテージカーと未来をつなげるスタイルになり、最新の電気自動車(EV)やコンセプトカーも展示されるようになりました。

おもしろいクルマはないかな…。&GP編集部E氏と会場内を歩いていると、目の前に見たこともないクルマが現れました。アウトドアテイストあふれる淡いモスグリーンの車体は雰囲気が抜群! そこで、私たちが一目惚れした、1969年式 ベッドフォード「CAロマニー・ドーモビル(Bedford CA Romany Dormobile)」を紹介します!

 

■本国でも状態がいいものはほとんどない

この車両を出展していたのは、東京都目黒区にあるRANGERSという、新旧ランドローバーの専門店。同店の平元鐘大さんによると、ランドローバーを扱っているためイギリスとの関係が深く、輸入元であるCCJとともにベッドフォードを扱うことになったそう。

「これは非常にレアなモデルで、イギリスにこのクルマでアウトドアを楽しんだりする文化があることを私自身も知りませんでした。それを日本に紹介しようと思っても、独自のルートがないと我々も取り扱うことができません。そこでCCJさんとコラボレーションすることになったのです」(平元さん)

イギリスでも流通している台数は少なく、ましてや状態がいいものはごく少数しかないため、限られた人しか楽しむことができないカルチャーだと言います。そもそもベッドフォードというブランドすら知らない人も多いはず。

ベッドフォードはイギリスのボクスホール(ヴォクソール/ヴォグゾールという呼び名のほうが日本では知られているかもしれません)の子会社で、バンやバスなどを製造していました。このモデルの車名が「CA」で、「ドーモビル」は架装メーカーであるマーチン・ウォルターが手掛けたキャンピングカーであることを意味しています。

ちなみにCAは年式によってリアクォーターウインドウの形状が異なっています。

RANGERSでは試験的にCAのキッチンカーを2台輸入したところ非常に好評だったので、CAのキャンピングカーやキッチンカーを扱うことになったそうです。展示車両は800万円で販売されていました。

ここで、輸入元であるCCJのトニーさんにベッドフォード「CAロマニー・ドーモビル」を解説していただきました!

 

■イギリスでは“デイバン”として使われることが多い

▲CCJのトニーさん

「少し前にベッドフォードのキャンピングカーがディスカバリーチャンネルで紹介されたんですよ。ボロボロのボディを買ってきて、そこにフォードの1600ccのエンジンを載せてレストアしていくドキュメンタリーがね。そこからイギリスでも人気が出て、値段がどんどん上がっています。今はまだイギリスでもフードバン(キッチンカー)としての需要が高いんですが、これからキャンピングカーも盛り上がってくるでしょう」

今回展示していた車両は、日本に輸入する前にイギリスである程度仕上げてきたそう。今はまだフルベッドは入れていませんが、設置すればポップアップルーフ部分に2名、ダイネット部分に2名寝ることができます。

「でもそれだけの人数で乗ったら重くて坂を上れないかもね(笑)。イギリスでは本格的なキャンピングカーというよりもデイバンとして使う人のほうが多いですね。ちょっとサーキットまで遊びに行って、ゆっくり観戦してお茶を飲んで昼ごはんを作って、その日のうちに帰ってくるという感じの使い方です」

キッチンは給排水完備で、ガスオーブンも設置済み。ガスボンベは床下に格納されます。ただ、日本では保安上の問題からキャンピングカーにLPガスを充填してくれる会社が少ないので、この設備をどう維持していくかは事前によく検討しておきましょう。

シンクの下には大型のサブバッテリーを搭載。トニーさんによると「普通に使って4日くらい持つはず」とのことです。もちろん走行充電も可能です。

ボディサイズは全長4216×全幅1778×全高1899mm。排気量は1508ccでトランスミッションは4速MTで、コラム式になります。

インパネは前オーナーがハケで塗装しているので凹凸がありました。トニーさんはそこを直したいと話していますが、むしろ今の状態のほうがいい雰囲気だと思います。フロアマットなどはトニーさんが作ったものが載っていました。

スライドドアを開けて身長187cmの筆者が運転席に座ってみると頭が天井についてしまいました。でもほとんどの人は普通の姿勢で運転できるはず。

「日本のキャンピングカーは素晴らしいですよね。僕も見ていて感心します。安心してロングドライブできるし、車内も快適です。でも一方で、ベース車両が同じなので、どれも同じように見えてしまいます。キャンピングカーライフをカッコよく楽しみたいならベッドフォードがピッタリだと思いますよ!」

このクルマのおもしろいところは、まだ日本でメジャーになっていないことだよ、とトニーさんは笑います。我々が話を聞く前にも有名カー雑誌の取材を受けたそうですが、まず「このクルマは何?」と聞かれたそう。

ヘリテージカーのキャンピングカーと言えばフォルクスワーゲン タイプ2のウエストファリアなどがあります。でもあまりにも有名なので、人とは違う自分だけのクルマという感じにはならないと考える人もいるでしょう(台数が多いのでパーツが豊富というメリットもありますが)。ベッドフォードのキャンピングカーなら、どこに行っても同じクルマと出合わないので、最高の気分でアウトドアライフを楽しめそうですね。

>> RANGERS

<取材・文/高橋 満(ブリッジマン) 写真/&GP編集部>

高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。

 

 

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