複数の国内メディアは5月11日、他人になりすましてSIMカードを再発行してネットバンキングで不正に送金する「SIMスワップ詐欺」の疑いで無職の女が逮捕されたと報じました。約9,000万円が不正に送金された可能性があります。
SIMスワップ詐欺の容疑で逮捕
日本経済新聞によると、警視庁は5月11日、SIMスワップ詐欺の手口で他人の口座から約200万円を不正に送金した疑いで栃木県の大根田愛美容疑者(30歳)を逮捕しました。
大根田容疑者は、2022年9月に通信キャリアの販売店を訪れ、東京都に住む40代の女性になりすまして不正にSIMカードの再発行を受けました。
SIMスワップ詐欺では、不正に取得した被害者のSIMカードを自身のスマートフォンで利用することで、被害者の携帯電話番号を乗っ取ります。
容疑者は被害者の携帯電話番号宛のSMSを自身のスマートフォンで受け取ることで、ネットバンキングで必要なSMS認証(ワンタイムパスワード)を突破した模様です。
容疑者らが管理する暗号資産口座には、計25人から約9,000万円が送金されており、警視庁が捜査を継続しています。
なお、NHKによると大根田容疑者はSNSで「闇バイト」に応募して詐欺に加担していました。
生体認証やフィッシング対策を
SIMスワップ詐欺は、米国等で急速に増加しています。日本でも2023年2月、不正に約600万円をSIMスワップ詐欺の手口で不正送金した疑いで容疑者2名が愛知県警に逮捕されました。
SIMスワップ詐欺では、フィッシング行為によりネットバンキングに必要なログインIDやパスワード等が流出し、その後犯罪組織の標的となり、偽造免許証等でSIMカードを不正に再発行されるケースもあります。
なお4月にはセブン銀行をかたるフィッシングメールが多数確認されました。
また日経新聞は、ネットバンキングにおいて指紋認証や顔認証の生体認証により本人確認を実施することもSIMスワップ詐欺対策に有効だと報じています。
Source:日本経済新聞, NHK
Photo:ぱくたそ
(seng)
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