AppleはiOS16.4で、公衆衛生当局に対して新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の接触追跡を可能にする「Exposure Notifications API」のサポートを終了できるオプションを用意しました。
そして今回、米国でCOVID-19の国家緊急事態宣言が5月11日に解除されたことに伴い、多くの米iPhoneユーザーが、自分の住む地域で接触通知が無効になったことを知らせるプッシュ通知を受け取っていることが明らかとなりました。
COVID-19に関する公衆衛生上の緊急事態宣言が5月11日に終了
バイデン政権は、COVID-19に関する公衆衛生上の緊急事態宣言を5月11日で終了しましたが、同日の夕方より、米国中のiPhoneユーザーに、公衆衛生当局が接触通知をオフにしたことを知らせるプッシュ通知が届き始めたということです。
iOS16.4より、公衆衛生当局が接触通知機能のサポートを終了すると決定した場合、ユーザーにメッセージが表示されるようになっています。
この通知が、COVID-19に関する公衆衛生上の緊急事態宣言の終了と直接関連があるのか、また全ての保健機関が接触通知のサポートを終了しているかどうかは不明です。今のところ、ニューヨーク州、ネバダ州、ワシントン州のiPhoneユーザーから、この通知を受け取ったという報告が寄せられています。
例えば、ネバダ州保健福祉局からの通知では、以下のように説明されています。
ネバダ州保健福祉局のCOVID-19接触通知を利用して、ご自身とコミュニティを守って頂き、ありがとうございます。
私たちは共にネバダ州におけるCOVID-19の蔓延を遅らせることに貢献しました。Exposure Notificationsは、COVID-19のパンデミック中に多くの症例を防ぎ、人々がCOVID-19の拡散を防ぐために行動を起こし、公衆の安全を守ることを可能にしました。
公衆衛生上の緊急事態が終了した現在、高レベルのワクチン接種、広範な集団免疫と利用可能な治療法により、COVID-19の重症化、入院、死亡のリスクは大幅に減少しています。
接触通知は、2023年5月11日に終了します。5月11日からは、COVID-19の陽性反応が出た人の近くにいても、あなたの携帯電話に通知が届くことはありません。あなたのプライバシーは保護され、GPSの位置情報や個人を特定できる情報は収集・保存されません。
今後、接触通知が再び利用できるようになった場合は、お知らせします。
Exposure Notificationsについて
AppleとGoogleは、2020年4月10日にExposure Notificationsの共同開発を発表しました。同年の5月には、公衆衛生当局が提供するアプリを利用するAndroidとiOSの端末間で相互運用が可能なAPIを公開しています。
両社は、Exposure Notifications APIが広く利用されることを期待していましたが、米国では実装するかどうかの決定は、それぞれの州に委ねられていたため、専用アプリを開発しないことを選択した州も多くあり、広く普及することはありませんでした。
日本の新型コロナ接触確認アプリ「COCOA」について
日本では、Exposure Notifications APIを使用したCOVID-19接触確認アプリ「COCOA」が2020年6月19日にリリースされました。COCOAは、リリース3日でダウンロード数が約326万件に達し、その後もダウンロード数は順調に伸び、同年の8月28日には1,500万件を突破しています。
しかし、厚生労働省は2022年11月、新型コロナウイルス感染症の陽性者の全数把握の見直しを受け、COCOAの機能を停止すると発表しました。これに伴い、同年の11月17日には機能停止版アプリが公開され、接触確認機能を完全に停止することができるようになっています。
Source:9to5Mac
Photo:Apple
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- Original:https://iphone-mania.jp/news-536905/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania