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ソニー、オーテク、Jabra、SOUNDPEATS 新作完全ワイヤレス一気聴きレビュー

【新作完全ワイヤレス一気聴き】

いまや音楽リスニング時の定番となった完全ワイヤレスイヤホン。アップル、ソニー、ボーズといった大手ブランドはもちろんですが、それ以外のさまざまなブランドからも、音質や機能などで特色のあるモデルが日々登場しています。

そんな大激戦となっている完全ワイヤレスイヤホンから、直近数ヶ月に発売された新作モデルを、オーディオ・ビジュアルライターの折原一也氏がまとめて実機テスト。

今回は、ソニー「WF-C700N」、オーディオテクニカ「ATH-SQ1TW2」、Jabra「Elite 4」、SOUNDPEATS「OPERA 05」の4モデルをお届けします。

*  *  *

■ソニー「WF-C700N」

1万円台半ばで、完全ワイヤレスイヤホンの定番機能ノイズキャンセリング対応となったソニーの最新モデルが「WF-C700N」。ハイエンドの定番「WF-1000XM4」、ミドルクラスの「Linkbuds S」というヒット機の弟分モデルであると同時に、4色のカバラリも展開するカジュアルシリーズでもあります。

注目のノイズキャンセル機能は、1マイクのフィードフォワード方式を採用。上位機種は2マイクの方式なので、あくまでノイズキャンセルとしては入門機仕様。装着してテストもしてみましたが、屋内のエアコンの音を軽く低減する程度で、あまり強力な騒音低減効果はないですね。イヤホン本体が小型で耳への収まりが良くし、耳栓にもなるのでコンパクトさはとても優秀。

サウンドはナチュラル系のオールラウンダーといったところ。ちなみに、LDACコーデック対応ではありません。歌声も楽器も特別クリアに立てる事はないけど存在感は十分だし、低音のリズムの刻みも再現。絶対的な音の解像感は高くないものの、聴き疲れしない万人向けのサウンドとして上手くまとめられています。ソニー製イヤホン共通の“SONY Headphones Connect”を使えるので、アプリから音質カスタマイズすると良さそうです。

▼ここが○
・イヤホン本体が小型で装着感○
・4色のカバラリが可愛らしい
・アプリ対応などソニー製イヤホン共通機能が強力

▼ここが×
・ノイキャンはあまり強力ではない
・音質としてのコスパは今ひとつ
・LDACコーデックも非対応

ソニー「WF-C700N」
対応コーデック:SBC、AAC
アクティブノイズキャンセル:◯
外音取り込み:◯
最大再生時間(イヤホン単体):10時間(NCオフ)
最大再生時間(ケース込み):20時間
マルチポイント接続:ー
3Dオーディオ:◯
低遅延モード:ー
防水:IPX4相当
ワイヤレス充電:ー
実勢価格:1万7600円

 

■オーディオテクニカ「ATH-SQ1TW2」

オーディオテクニカが2020年に発売した「ATH-SQ1TW1」のコンセプトを引き継いだ後継モデルである「ATH-SQ1TW2」。最大の特徴は可愛らしいスクエアデザインで、主に女性向けのシンプルモデルが2023年版にリニューアルして登場します。

今回テストしたフォレストグリーンはカフェっぽい雰囲気で、一目見た印象も“オシャレ”。サイズは小型で、スクエアという形が何か文房具っぽい雰囲気があるんですよね。充電ケースもスクエアで揃っているところも可愛らしい。多機能ではないですが、2台の機器に同時接続できるマルチポイント機能、ワイヤレス充電、アプリ対応と設計は現代的です。

臨場感を重視した音楽を聴く楽しさを感じるサウンド。耳の外まで音楽が広がるライブ感は抜群。一方、音の解像度は物足りず美音系でもないタイプ。元の機種から随分音の傾向が変わったな…と思いきや、アプリのイコライザーで“Vocal”の設定にすると歌声の再現性はむしろこっちが優秀。他にもBass Boost / Dynamic / Clearの設定も使えるので、お好みで選ぶスタイルですね。

▼ここが○
・可愛らしいデザインと小型本体
・マルチポイント接続の機能性は便利
・アプリによるイコライザ選択が可能

▼ここが×
・SBCコーデックのみ対応は残念
・1万円オーバーになった値上がりが気になる

オーディオテクニカ「ATH-SQ1TW2」
対応コーデック:SBC
アクティブノイズキャンセル:ー
外音取り込み:◯
最大再生時間(イヤホン単体):6.5時間
最大再生時間(ケース込み):20時間
マルチポイント接続:◯
3Dオーディオ:ー
低遅延モード:◯
防水:IPX5相当
ワイヤレス充電:◯
実勢価格:1万780円

 

■Jabra「Elite 4」

デンマーク発の世界的な通信機器メーカーによる最新完全ワイヤレスイヤホンがJabra「Elite 4」。同社の製品はグレードの数字+利用シーンでラインナップを整理していて、「Elite 4」はアクティブノイズキャンセル対応のミドルクラスで、特別なシーンを想定しないスタンダードモデル。

これがスタンダードかという作り込みで、本体サイズは小さく装着感が抜群。通話機能は4-マイクテクノロジーを採用で通話音質も優秀。さらにマルチポイント対応と機能は一級品です。アクティブノイズキャンセルは、エアコンなどの音はほぼ消せることを確認できました。

サウンドは、全体の解像感、クリアさ、臨場感の全てが揃う形でバランスを取った超優等生。特に鮮やかつクリアに伸びる歌声の再現性と、引き締めつつズンズンと音圧感のある再現をする重低音が魅力的。ちなみにアプリからイコライザを選べる他、カスタムイコライザも設定可能。同価格帯で万人向けにオススメできるハイコスパモデルですね。

▼ここが○
・音質コスパ○。イコライザも利用可
・ノイズキャンセル対応、マルチポイント等機能も優秀
・小型本体で装着感もとても快適

▼ここが×
・地味な外見でデザインに面白味なし
・JabraのEliteはシリーズ多すぎで選びにくい

Jabra「Elite 4」
対応コーデック:SBC、aptX
アクティブノイズキャンセル:◯
外音取り込み:◯
最大再生時間(イヤホン単体):7時間(NCオフ)
最大再生時間(ケース込み):28時間
マルチポイント接続:◯
3Dオーディオ:ー
低遅延モード:◯
防水:IP55
ワイヤレス充電:ー
実勢価格:1万4300円

 

■SOUNDPEATS「OPERA 05」

日本でもネット通販で定番ブランド化したSOUNDPEATS。3月からクラウドファンディングを開始し、6月から一般販売を発売する最上位モデルが「OPERA 05」です。同社初の3ドライバー搭載プレミアムモデルという位置づけ。“LDACコーデック”も対応と音質面を作り込んでいます。

プレミアムモデルだけあって音質以外の機能もフル装備。アクティブノイズキャンセルは-30dbの強力な仕様で、エアコンの音、また雑踏の音などを強力に低減してくれる効果を確認。一方、本体サイズはかなり大きめ。耳に付けるとキツめに感じるし、外見上も飛び出しが気になります。

サウンドは、ワイドレンジで音数豊富と攻めまくりのサウンドチューニング。空気のボリュームを感じる臨場感志向の重低音、シンバルの金属音までキレ良く鳴る高域、シャープに立てる歌声。最近の高級ハイエンドイヤホンで流行りの音楽の情報を全帯域引き出す音で、電子音楽系の楽曲を聴くと音が飛び交うようでもう最高。このサウンドは1万円台前半は素直にスゴイ。なお、専用アプリからイコライザでカスタマイズも可能です。

▼ここが○
・上位機種らしいサウンド。低域と高域は強力
・LDACコーデック対応でAndroidでは特に音質良し
・ノイズキャンセルなど機能面も強力

▼ここが×
・装着時のフィット感がややキツめ
・外から見た耳からはみ出しが大きい

SOUNDPEATS「OPERA 05」
対応コーデック:SBC、AAC、LDAC
アクティブノイズキャンセル:◯
外音取り込み:◯
最大再生時間(イヤホン単体):9時間
最大再生時間(ケース込み):33時間
マルチポイント接続:ー
3Dオーディオ:ー
低遅延モード:◯
防水:IPX4
ワイヤレス充電:ー
一般販売予定価格:1万3999円

 

<取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube

 

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