Appleが現地時間6月5日開催の世界開発者会議(WWDC)で同社初の複合現実(MR)ヘッドセットを発表するのはほぼ確実視されていますが、このデバイスはティム・クック最高経営責任者(CEO)の最初のビジョンからはかなりかけ離れている、とAppleの内部情報に詳しいBloombergのマーク・ガーマン記者が伝えています。
メガネのようなデバイスの発売はもっと先?
AppleのMRヘッドセットは、7年もの開発期間を経てついに公に発表される見通しですが、当初イメージされていた一日中かけても邪魔にならないメガネのようなデバイスではなく、スキーのゴーグルのようなヘッドセットとなり、外付けのバッテリーパックも必要になると予想されています。
それでも、Appleにとっては一世一代の製品リリースであり、クックCEOにとってもスティーブ・ジョブス氏のような功績を残せるかが問われる重要なプレゼンになるといわれています。
クックCEOが思い描いていたような拡張現実(AR)グラスは、今でもコードネーム「N421」の元開発が続けられているとのことですが、軽量のデバイスに十分な性能を持たせるのは非常に困難で、「クックCEOを喜ばせるために、エンジニアたちはプロジェクトに取り組んでいる」との冗談を関係者が口にしていたほどだそうです。
しかし、ARヘッドセット担当のマイク・ロックウェル氏が2019年末に催された全員参加の会議で、メガネ型デバイスは最初のヘッドセットの販売開始から1年後に導入できると話したとされています。
その後、関係者によれば、Appleはメガネ型のデバイスの本格的な開発を何度も延期し、もし一般販売が実現するとすれば少なくとも4年先といわれています。
デザインにクックCEOはほぼ関与していない
クックCEOは軽量なメガネ型のARデバイスを強く希求しながらも、ヘッドセットの具体的なデザインに深く関与することはなかったとのことで、タッチスクリーンの感触やMacアプリのアイコンに使われる青の色合いに至るまで、自分の強いデザイン感覚をApple製品に押し付けることで有名だったジョブズ氏とは大きく異なります。
クックCEOが最も製品開発に近づくのは社内でのデモ発表のときで、それでも彼はXはすべき、Yはすべきでないと言うタイプではなく、細部まで強い意見を持っていたジョブズ氏とは対照的だそうです。
Source:Bloomberg
(lexi)
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