Windows PCで、iPhoneのiMessage送受信や電話の発着信などができるWindows 11の新機能「Phone Link」が、簡単に悪用され、プライバシー侵害につながる危険性がある、とセキュリティ企業が注意喚起しています。対策方法もご紹介します。
4月に提供開始、5月に展開完了したPhone Link
Phone Link機能は、PCでiPhoneのiMessageの送受信や電話の通話ができるWindows 11の新機能です。Microsoftは、同機能を4月に提供開始し、5月中旬に全ユーザーへの展開完了を発表しました。
iPhoneとWindows PCを組み合わせて使う多くのユーザーは、利便性向上につながる新機能を歓迎しています。
セキュリティソフトウェア企業のCerto Softwareは、同機能が不当な監視やストーキングに悪用される可能性があると注意喚起しています。
知らないうちにすべての通知を読まれてしまう可能性
Phone Link機能は、PC画面上に表示される二次元バーコードのスキャンやBluetoothのペアリングにより簡単に設定できます。
設定完了後は、iMessageで送受信されるメッセージを読めるほか、iMessageで連絡先にメッセージ送信、発着信履歴の閲覧、電話の発信、iPhoneに届く全ての通知の受信が可能になりますが、iPhoneユーザーは設定後、情報がPCと共有されていることの通知を受け取ることはありません。
そのため、iPhoneユーザーの同意を得ずに二次元バーコードを読ませてWindows PCとリンクさせてしまうと、Bluetoothの通信エリア内にいるPCからiMessageや各種メッセージサービスの通知を盗み見できてしまいます。
Certo Softwareは、Phone Linkが家庭内での過度な監視などに使用された事例が報告されている、と伝えています。
iPhoneユーザーの対策は
Certo Softwareは、iPhoneユーザーがPhone Link機能の悪用から身を守るための方法を紹介しています。
- 「設定」アプリで「Bluetooth」メニューを開き、「自分のデバイス」の内容を確認します。
- 身に覚えのないデバイスがないか確認します。特に「i」ボタンを押して「通知を表示」「連絡先を同期」が表示されるデバイスには注意が必要です。
- 一番下にある「このデバイスの登録を解除」をタップして、身に覚えのないデバイスを削除します。
もし、Bluetoothを使用しないならオフにしてしまえばPhone LinkでのPCへの接続を遮断できます。
また、一般的な対策として、推測されにくいロック解除パスコードを使用する、Face IDやTouch IDを設定しておくのも有効です。
AppleやMicrosoftによる対策も必要
iOS14では、iPhoneのプライバシー対策機能として、マイクやカメラの使用中に画面上部にドット表示で通知されるようになりました。
Certo Softwareは、Phone Link機能の悪用を防ぐため、AppleとMicrosoftは以下の対策を講じるべきだと提言しています。
- Appleは、Bluetooth経由で通知やメッセージが共有されている場合、カメラやマイクの使用中と同様にユーザーに通知するべき。
- Microsoftは、Phone Linkアプリは本人のデバイスとだけ組み合わせて使うようユーザーに注意を促すべき。
Source:Certo Software via AppleInsider
Photo:Apple
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-538135/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania