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総務省、回線契約とスマホ購入のセット割上限を引上げを提案。過度な割引販売は規制へ

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総務省は、2023年5月30日に開催した有識者会議「競争ルールの検証に関するWG(第45回)」において、通信契約を条件とした端末購入時の値引き上限を引き上げるとともに、「iPhoneが1円」のような端末の過度な割引を規制する方針を示しました。

過熱する割引競争、携帯業界が総務省に規制要望も

2019年10月に施行された改正電気通信事業法により、回線契約を条件とした端末の値引きは、税込22,000円に規制されています。ただし、回線契約を条件としない端末単体販売の場合は値引きの上限が設定されておらず、販売店が独自に値引きをすることが可能となっています。
 
しかし、総務省が実施した覆面調査では、規制の上限を超えた過度な値引きや、回線契約を伴わない端末単体での値引き販売を拒否する事例が確認されました。
 
「iPhoneが1円」など、新規契約を獲得するための過度な値引き販売によって「転売ヤー」の横行などの問題も発生しています。
 
2022年11月には、顧客獲得合戦を繰り広げている大手キャリア各社が、総務省に端末の値引き販売に対する規制を求めるという奇妙な事態にも至っています。

端末割引の上限は22,000円から44,000円に引き上げ

総務省は、「競争ルールの検証に関するWG(第45回)」で示した電気通信事業法の改正方針案において、端末購入と回線契約をセットにした場合の割引額上限を大手キャリア3社のARPU(1契約あたり売上高)と平均利益率、および端末平均利用期間をもとに、税込44,000円を上限とすることを提案しています。
 
同時に携帯電話業界が、端末の過度な値引きに頼った競争慣行から脱却できない場合には、通信サービスと端末販売のあり方を含めた検討が必要、と端末の過度な値引きを規制する方針も示しています。
 
総務省は今後、報告書(案)に対する意見公募(パブリックコメント)を経て、2023年夏をめどに報告書を取りまとめる方針です。
 
 
Source:総務省
(hato)

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