未発表のApple製品などのコンセプト画像制作を行う3Dデザイナーの人物が、Appleシリコン搭載Mac Proでも自身が使用するカスタムPCの置き換えはできない、と意見を述べています。いったい何がネックとなっているのでしょうか。
永遠に同じCPUやGPUから抜け出せない
イアン・ゼルボ氏は、カスタムビルドPCを使って普段3Dレンダリングやグラフィック作業を行っていますが、WWDC23で発表されたAppleシリコン搭載Mac Proを買うつもりはない、と述べています。
同氏ががっかりした点の一つは、噂されていたM2 Ultraの2倍の演算能力を持つ「M2 Extreme」は搭載されず、Mac Studioと同じM2 Ultraチップを採用するにとどまったことだそうです。
Mac ProはMac Studioと異なり、アップグレード可能なストレージと、高速ストレージやネットワーク、音楽制作に必要な専用カードなどの追加に使える6つのPCI-Eスロットを備えているものの、アップグレード方法は十分とは言えない、とゼルボ氏は述べています。
永遠に同じCPU、GPU、ハンダ付けされたRAMから抜け出せない。
省電力チップはデスクトップ機では意味がない
AppleシリコンはARMアーキテクチャベースであることもあり、省電力なのが特徴ですが、デスクトップ機ではワットあたりの性能は何も意味しない、とゼルボ氏は辛辣な意見を述べています。
同氏のPCはRyzen 5900XとRTX 4090を搭載しており、GPUが最大450ワットという驚異的な消費電力で、最大700~800ワットで動作しますが、デスクトップ機であるためまったく問題はないとのことです。
RTX 4090と比較すると、M2 Ultra Mac ProのGPU性能は物足りないと感じるそうです。ゼルボ氏のPCはMac Proの2倍以上のワット数を使い、パフォーマンスを大幅に向上させる独自のレンダリング技術を使用しているため、同氏のワークフローは、Mac Proでこなすことはできないとのことです。
Macのほうが良いが選択肢が他にない
これだけMac Proをこき下ろしているゼルボ氏ですが、Mac OSが一番落ち着くと述べており、できれば仕事でもMacを使いたいものの、アップグレードできなかったり、使い慣れたプログラムがサポートされていないなどの理由のため使用することができないそうです。
また、価格もMacを選べない理由の一つだそうです。ゼルボ氏のカスタムPCは4,000ドルほどで、どのコンポーネントもアップグレード可能となっていますが、Mac Proは同様のスペックを持つ仕様(128GBのRAMと4TBのストレージ)で9,799ドルと、2倍以上になってしまいます。
「選択の余地がない」とゼルボ氏は述べており、今後のAppleの課題が浮き彫りになったと言えそうです。
Source:9to5Mac
Photo:Apple
(lexi)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania