官公庁では日々、空き家調査や空き家流通促進などといった空き家対策に取り組んでいます。一方で、空き家を把握するためには現地調査や町内会への聞き込みなどを行う必要があり、膨大な人的コストを要しているといいます。
このような負担を軽減できるAIシステムとして、マイクロベース株式会社は、将来人口動態予測AI「MiraiE.ai(ミラーエドットエーアイ)」をリリースしました。
官公庁やインフラ企業が抱える課題を解決
同サービスは、令和4年度に東京都4市、愛知県豊田市にて実証実験を実施。同実験では、92%の精度で5年後の空き家を予測するなど、有用な結果を確認できました。
空き家把握にかかる膨大な負担の削減
「MiraiE.ai」を活用し、庁内データから空き家発生住戸の予測を行うことによって、高頻度かつ空き家になりやすい住戸・地域を絞り込み、効率的・効果的な把握・施策展開が可能となります。
公共施設・インフラ老朽化の対策へ
「MiraiE.ai」は、官公庁以外に道路や電気・ガスなどのインフラ事業者や、マンション管理事業者も利用できます。
公共施設や道路・水道をはじめとするインフラ設備は、地域住民が安心して住み続けることに欠かせない重要な公共サービスですが、人口減少下において従前通りの維持管理が困難となっているそうです。広大な市街地に点在する公共施設や、そこに張り巡らされたインフラの維持は、自治体の財政負担を高める大きな課題となっています。
「MiraiE.ai」では、将来発生する空き家や再入居が見込める可能性を確率的に示すことが可能です。将来的に公共サービスを受ける人口を詳細に把握し、シナリオ・プランニングなどに活用することができます。
実験では水道凍結事故防止などに活用
令和4年度に行われた実証実験では、冬季の水道凍結事故防止に向けて、過去の水道使用量から空き家予測を行い、今年度水道凍結事故が発生した空き家を的中させることに成功。寒冷地域を除き、住民が水道凍結対策を実施していない地域では、急激な冷え込みで空き家が水道凍結事故が起きるケースが多く、事前に空き家と推察された住宅で水道栓を閉栓することで、水道凍結事故の防止につなげます。
マイクロベース株式会社では、今後「MiraiE.ai」を全国に向けて展開するとのこと。産官学における連携・パートナーシップを深めながら、空き家流通促進をはじめとする実証実験を展開していく方針です。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000122452.html
(文・Tsunoda Maiko)
- Original:https://techable.jp/archives/211508
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:角田麻衣子