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「アジトのポルコ」早くも完成!そして愛機「サボイアS.21」の製作スタート!【達人のプラモ術<アジトのポルコ>】

【達人のプラモ術】
ファインモールド
紅の豚 アジトのポルコ
02/04

『紅の豚』ポルコ・ロッソの「アジトのポルコ」製作第2回です。いや~筆塗りは楽しい。面白い! というワケで、早くもポルコの塗装は完成しました。

今回はアクリルガッシュを使用しているので、模型塗装の経験がないビギナーでも気負うことなく気軽にフィギュアの塗装が楽しめるのがポイントです。インストには詳しい塗装ガイドも載っていますし、もちろん自分なりのセンスで楽しくポルコを塗るのもOK! これを機会にフィギュア塗装デビューをしてみませんか? そしてフィギュアと並べたくなること間違いなしのポルコの愛機「サボイアS.21」の製作もスタートです!(全4回の2回目/1回目

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube
モデルアート公式チャンネル」
でもレビューを配信中。

 

■塗り絵感覚でフィギュア塗装を楽しむ!

さて、前回はサクサクとキットを組み上げ、「アジトのポルコ」のアジトのヴィネットを引きたてるテーブルやビーチチェア、ラジオやワインボトルといった雰囲気アリアリのアイテムを塗装しました。今回は、いよいよポルコ・ロッソ本人を塗っていきます。こちらも当然ながらアクリルガッシュを使っての筆塗りです。

アクリルガッシュは本来アート用の絵の具ですが、水性で無臭といった扱いの手軽さ、隠ぺい力の高さと発色の良さ、またプラ素材への食いつきの良さで昨今模型塗装シーンでも使われることが多くなってきました。特にAFV系モデルやフィギュアの筆塗塗装ではよく使われています。

また筆塗りでも、乾燥していれば上から塗装しても下地色が溶け出すことがありません。筆ムラが出にくいのもありがたいです。

ただし前回も書きましたが、乾燥すると完全にマット(つや消し)な質感となるので、今回のようなフィギュア塗装ではトップコート等を使ってのオーバーコート塗装でツヤを調整する必要があります。

とはいうものの、アクリルガッシュの特性を理解しておけば、あとは筆でペタペタ塗っていける手軽さは大きな魅力です。

▲アクリルガッシュは下地塗装なしでもプラ素材に定着するが、今回は質感を表現するための下地色という点からオキサイトレッドのサーフェイサー(タミヤ)を塗布している

▲飛行服の指定はライトブラウン(タン)。アクリルガッシュは模型用塗料のようなミリタリー系カラーは出ていないので、イエローオーカー+ホワイト+ブラックで調色したライトブラウンで塗装している。乾燥後にグレーで服のシワなど凹部分に影色を塗装、その上からさらに調色ライトブラウンで陰影を強調している

▲アクリルガッシュは乾燥すると完全にツヤがないマットな仕上がりになるので、水性アクリル塗料の艶消しクリアーでオーバーコートすることで塗膜の保護とツヤを調整している。この作業のみエアブラシを使用している。缶スプレーでもOKだ

▲キットはポルコの顔面が別パーツになっているので、塗装も楽。肌の色はやはり調色した。指定色よりやや赤みを強くしている

▲サングラスと豚鼻とヒゲは付属のデカールを使用してみた。マークセッターを使えば、綺麗に馴染ませられる

▲腕やブーツも個別に塗装してから胴体に取り付けできるので、面倒なマスキングの手間がかからない

▲塗装と組み立てが完了したポルコをビーチチェアに接着。塗料のはみだし等をタッチアップ。最後に塗装した日よけの傘を取り付けて「アジトのポルコ」の完成だ

 

■「アジトのポルコ」完成!

アニメのキャラなので、メリハリが効くように全体に色の明度を高めに調色しています。また塗装指定にはないが、ドライブラシで日よけ傘の汚れや靴底の汚れを表現してみました。

■筆はちょっと良いものを使いたい

模型での筆塗装の仕上がりは、使用する筆の良し悪しで決まると言っても過言ではありません。筆なんかどれでも同じだろうと言われることがありますが、安価な筆だと毛先が割れたり、塗装途中に毛が抜けたり、塗料の含みが悪かったりといった弊害が多く、質の悪い筆は塗装の際のストレスの原因にもなります(経験あり)。とは言うものの極端に高価な筆を選ぶ必要はありません。

一般的な筆塗りであれば模型用の500円~1000円前後の筆で充分です。今回主に使用している筆は「タミヤ モデリングブラシHGⅡ」の平筆と面相筆です。

▲「タミヤ モデリングブラシHGⅡ」(7種類 各660円) 価格も1000円以下と手ごろで、PBT樹脂毛の超極細毛を使用しており、塗料の含みが良く、穂先が柔らかく、それでいてコシがるので、粘度のあるアクリルガッシュの塗装にも適している。グリップエンドには転がり防止用のタブは何気に便利

 

■サボイアS.21Fの製作

ポルコ・ロッソ「アジトのポルコ」は完成。サクサクと組めて、模型用塗料はもちろん、アクリガッシュでお手軽に塗り上げる事ができる楽しいヴィネットジオラマです。しかし映画『紅の豚』を観た方ならご存知のとおり、主役のポルコの相棒と言いますか、もう一人…いやもう一機の主役といえば、そう! 真っ赤な「サボイアS.21F」飛行艇です! キットもあることだし完成したポルコのヴィネットと並べて飾りたくりますよね。

というわけで「1/48 サボイアS.21F」飛行艇も作りましょう!

▲ファインモールド「1/48 サボイアS.21F 後期型」(3080円)

キットは同じファィンモールドから発売されています。実のところ「アジトのポルコ」に併せるのならば、カーチスとの空戦で大破させられる前の「サボイアS.21」となるのですが、今回キットが入手できず…。改修後の「サボイアS.21F」となりました。エンジンを高性能なフィアットAS.21フォルゴーレに換装したので、エンジンカウルの形状が異なります。

「サボイアS.21」は架空の機体ですが、フィアットAS.21フォルゴーレは実在したエンジンです。このリアリティが『紅の豚』の魅力なんだと思います。「1/48 S.21F」には、ジーナとファオのギュアもついてますしね。

ちなみにキットのインストによると「サボイアS.21」から「サボイアS.21F」となったのは、模型化にあたり「機体の設計と改修をおこなったフィオの名前を入れたいね」という宮崎駿監督の意向で付けられたものだそうです(いい話だなぁ)。

 

■1/48スケールのS.21は内部構造も再現

キットは1/48スケールということもあり、全長20センチ程のサイズになります。そして内部構造がリアルに再現されており、S.21Fの木製艇体内部の構造が楽しめちゃいます。

大型の燃料タンクや木製フレームに囲まれたコックピット、そしてフィオを乗せるために一丁降ろした機関銃スペースもしっかり再現されています。

キットは、ヴィネットとはまた違う、飛行機プラモデルのスタンダードといったところですが、組みやすくビギナーにもオススメの飛行艇モデルです。ちなみに今回の「S.21F」の塗装は、アクリルガッシュではなく一般的なラッカー系塗料を使用しています。

▲S.21Fの製作は再現された艇体内部から進めていく。ここでのポイントは塗装による木の質感再現だ。作例ではダークイエローベースに調色、さらにエナメル塗料のフラットアースで木目風にウエザリングを施して木の質感を再現

▲別組み、塗装したコクピットを艇体に取り付ける

▲計器盤はデカールで再現されていてリアルな仕上がりを得られる

▲完成した艇体内部。銀色の円筒が燃料タンクだ

今回はここまで。次回は「サボイアS.21F」の機体の製作を進めます。お楽しみに!

原型制作: 香川雅彦 デジタル調整: 海洋堂造形部
(C) Studio Ghibli
企画/スタジオジブリ・ファインモールド
発売/ファインモールド

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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