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YouTube、音楽、Web閲覧…1週間使ってわかった「Google Pixel Tablet」の強みとは

グーグルが6月20日に、Androidタブレット「Google Pixel Tablet」を発売しました。価格は128GBモデルが7万9800円で、256GBモデルが9万2800円。どちらもスピーカーになる充電ホルダーが付属しています。

グーグルは2012年〜2014年に「Nexus」というブランドで、タブレットをリリースしていましたが、自社が開発・製造する「Pixel」ブランドとしては初のタブレットです。

 

■約10.1インチの大画面ディスプレイを搭載

Pixel Tabletの画面サイズは10.95インチ。解像度は2560×1600ドットで、写真や動画をフルスクリーンで表示しても鮮明な画質が得られます。画面縁は10mm(筆者の計測値)で太くもなく、細くもないといった印象。両手で持って使う場合には、ちょうどいいように思えました。

▲10.95インチの液晶ディスプレイは、小さな文字もクッキリと表示。べセル幅は10mmほどで両手で持つにはちょうどいい

▲サイズは258×169×8.1mmで、重さは493g。片手で持つのはつらい

横向きに持つと、ディスプレイの上に8メガピクセルのフロントカメラがあります。さらに右上には音量ボタンと電源ボタンがあり、電源ボタンには指紋センサーが搭載されています。

▲8メガピクセルのフロントカメラを搭載し、ビデオ通話などに使える

▲右上に音量ボタンと、指紋センサーを兼ねる電源ボタンを搭載。指紋の登録にはやや時間を要するが、ロック解除はスピーディー

左右にふたつずつ、合計4つのスピーカーを配置。マイクは上部にふたつ、右側にひとつ備えています。左側にUSB Type-Cポートがあり、USBケーブル(非同梱)でも充電できます。

▲右側面にふたつのスピーカーとマイクを搭載。マイクは上部にもふたつ搭載されている

▲左側面にもふたつのスピーカーを搭載。USB Type-Cポートも備えているが、ケーブルは付属していない

ボディにはリサイクル素材が使われていて、背面パネルはサラサラとした手触り。エッジの丸みが強めで、ベーシックなフォルム。背面にも8メガピクセルのカメラが搭載されています。

▲背面はスッキリとしたデザイン。カラバリは、この「Hazel」の他に、クリーム色の「Porcelain」が用意されている

▲リアカメラも8メガピクセル

 

■充電台にドッキングするとスマートディスプレイに

最大の特徴は、充電ホルダーとドッキングできること。充電ホルダーにはスピーカーが内蔵されていて、ドッキングさせると「Google Nest Hub」のように、スマートディスプレイとして使えます。

▲充電ホルダーの正面。マグネット式でPixel Tabletをピタッと装着できる

▲充電ホルダーにはスピーカーが内蔵されている。同梱のDCケーブルを挿して電源につなぐ

▲充電ホルダーにPixel Tabletを装着した状態。映画を観たりする際のスタンドとしてもちょうどいい

筆者はGoogle Nest Hub(第2世代)を使っていますが、充電ホルダーに設置したPixel Tabletは、大画面のNest Hubのように感じられました。

▲手前が7インチ画面のGoogle Nest Hub(第2世代)、後ろがGoogle Pixel Tablet

▲両モデルはデザインも似ている

タブレットとしての機能を使わない場合は、「ハブモード」で設定した画像や情報を表示させることができ、「OK Google」と話しかけて、ハンズフリーで音楽を再生したり、連携させている家電を操作したりもできます。

▲充電ホルダーに設置している時の画面表示を設定できる

▲Googleアシスタントを搭載しているので、声をかけるだけで、いろいろなことを調べられる

▲Googleアシスタントでの検索結果は、音声と画面表示でわかる

▲「Google Home」に登録している他のデバイスの操作も行える

タブレットの使用頻度は人によって差があります。「タブレットは持っているが、そんなに使わない」「使おうと思ったら電池切れだった」という人も少なくないでしょう。Pixel Tableのメリットは、必要な場面ですぐに使えて、待機時も活用できること。シンプルなことですが、実際に使ってみて、非常に便利だと感じました。

ちなみに、充電ホルダーで充電する場合、90%までに抑えて、デバイスのバッテリーに負荷がかからないように初期設定されています。

▲27Whのバッテリーを内蔵し、最大12時間の動画ストリーミングが可能。長時間ホルダーに設置しても、過充電でバッテリーが劣化しないようになっている

 

■純正ケースがあると、より便利に

そして、グーグル純正の「Google Pixel Tablet ケース」(1万2800円)が7月に発売されます。背面にメタルリングが付いていて、タブレットを立てて使える仕様。さらに、メタルリングはPixel Tabletを充電ホルダーに装着する際にも役立ち、リングをホルダーにカチッとはめるような感覚で装着できるようになります。

▲Google Pixel Tablet ケースは、背面のメタルリングを引き出してスタンドにできる。タブレットを縦向きに立てることも可能

▲メタルリングは充電ホルダーに装着しやすいように考慮されている

充電ホルダーからの着脱が多く、充電ホルダーがない場所でも立てて使いたい人は、購入を検討することをおすすめします。

 

■スマホからのキャストにも対応

プロセッサーは、「Google Pixel 7」シリーズと同じ「Google Tensor G2」。RAMは8GBを確保しています。ディスプレイのタッチレスポンスも的確で、ストレスなく操作できるように感じました。

Androidタブレットは比較的安価なものが多く、アップルの「iPad」に比べると、反応が鈍い機種があったりするのですが、Pixel TabletはiPadに近い操作感と評価できそうです。

筆者が1週間ほど試用した範囲で、よく使ったのが「YouTube」「YouTube Music」。「Google Playストア」からダウンロードした「Netflix」も大画面と好印象。「OK Google、Netflixで〇〇を再生して」といった音声操作もスムーズに行えました。スマホで聴いている楽曲をPixel Tabletにキャストして、切り替えることも可能。Androidスマホだけでなく、iPhoneにインストールした「YouTube」などからもキャストできました。

▲スマホで聴いている音楽や、観ている動画を、簡単にPixel Tabletからの出力に切り替えられる

充電ホルダーのスピーカーの音質は、厚みがあり、低音がしっかり響く印象。少し離れた場所で聴くにも十分な音量を出せます。タブレット本体に搭載されているクアッドスピーカーは、低音域の迫力には欠けますが、高音部はのびやかで、結構クリアな音質。音楽再生中にホルダーからタブレットを取り外したり、逆にドッキングしたりすると、スピーカーが切り替わります。ドッキング時に、タブレットとホルダーの両方のスピーカーを使えたら、さらに迫力があるサウンドを楽しめるように思ったのですが、その設定はできないようでした。

 

■マルチタスク操作もスムーズに行える

画面をふたつに分割して、ふたつのアプリを同時に使うことも可能。画面下方から少しだけスワイプして表示するタスクバーから、アイコンをドラッグするだけで分割でき、ひとつのアプリを2/3、もうひとつのアプリを1/3に表示するといった領域の調整も可能。ちなみに「Chrome」はふたつのウィンドウを同時に表示できるので、ネット検索の効率が上がりそうです。

▲画面下に表示されるタスクバーからアイコンを動かすだけで画面を2分割できる

▲このように、ふたつのアプリの表示スペースを調整できる

▲ブラウザは2画面を同時に表示可能

 

■家族で使うタブレットにもってこい

Google Pixel Tabletは、タブレットとしてフツーに使いやすく、特に動画やWeb、電子書籍などを見るには適している印象。スマートディスプレイとして使えることも大きな利点。筆者はベッドルームにNest Hubを置いて使っていますが、Pixel Tabletはリビングに置き、家族で一緒に使うデバイスとしてちょうどいいように感じました。

強いて欠点を挙げるとすれば、モバイルデータ通信に対応せず、GPSを搭載していないくらいでしょうか。外出先で使うにはスマホのテザリングやモバイルWi-Fiルーターが必要です。あくまでも、自宅で使うタブレットとして購入を検討すべきかもしれません。

>> Googleストア

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

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