iPhoneにプリインストールされているApple製「マップ」アプリが進化を続けており、最近ではGoogleマップよりも優れていると考えるユーザーも出てきている、と米有力紙The Wall Street Journal(WSJ)が報じています。Appleのマップは公共交通機関の乗り換えや、すっきりした見やすい表示が評価されているようです。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. Appleのマップは2012年の公開当時、情報の間違いが多いと問題に。
2. 現在では、GoogleマップよりAppleのマップが優れていると考えるユーザーも。
3. 一方、Appleマップに対する不満の声も伝えられている。
リリースと同時に評判が悪化したAppleのマップ
Appleが独自開発して2012年9月に公開した「マップ」アプリは、情報に間違いが多く、日本でも実在しない「パチンコガンダム駅」が表示されるなどと批判を集めました。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)が同アプリの問題について公式に謝罪し、Googleなど他社製アプリのインストールを推奨する事態となりました。また、iOSソフトウェア責任者だったスコット・フォストール氏はこの騒動の後、Appleを退職しています。
調査会社Canalysによると、アメリカのiPhoneユーザーの大多数がApple純正「マップ」に加えてGoogleマップをダウンロードしており、現在もリリース当時の印象が尾を引いている模様です。
公共交通機関の乗り換え案内、すっきりした表示が好評
しかし、Appleはマップの改善を着実に続けた結果、GoogleマップよりもAppleのマップが優れていると考えるiPhoneユーザーも出てきている、とWSJが複数のユーザーの声を紹介しています。
ニューヨーク在住の37歳男性は、Appleのマップは公共交通機関の乗り換え案内がGoogleマップよりも優れており、地下鉄の運休にも対処して短時間で移動できるルートを提案できた、と評価しています。また、AppleのマップのほうがGoogleマップと比べてすっきりして見やすいので好みだ、とも述べています。
空港にいることを検知したiPhoneからマップを使うよう提案されてアプリを開いたという42歳の女性は、空港内の施設情報が見やすくて気に入ったそうです。また、Googleマップは拡大しても通りの名前も確認できないのに対して、Appleマップの道案内は表示がシンプルで見やすいと評価しています。
Appleマップに対する不満の声も
一方で、CarPlayでAppleマップを使ったところ、渋滞を回避するためのルートに一時停止が多く、余計に時間がかかったと不満を述べるユーザーの声もWSJは伝えています。
また、ボストン市内をAppleのマップを頼りに歩いたら何度も道に迷ったと語るユーザーもおり、万人から評価されているわけではないようです。
Appleマップの弱点が評価されるという皮肉
WSJのレポートについてApple関連情報メディアの9to5Macは、マップ上に案内情報を表示するガイド機能ではAppleがGoogleの後塵を拝する状況にあり、施設情報の少ないAppleマップが「すっきりして見やすい」と評価されるのは皮肉だ、とコメントしています。
iOS17ではマップのダウンロードにも対応
iOS17では、マップをiPhoneにダウンロードして保存し、オフラインでも経路案内や施設情報が利用できるようになります。
また、電気自動車の充電ステーションの空き状況をリアルタイムで表示できる機能も追加されます。
iOS17は現在、開発者向けベータと登録ユーザー向けパブリックベータが提供されており、秋に一般ユーザー向け正式版が公開される予定です。
Source:The Wall Street Journal, 9to5Mac
Photo:Apple
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-545612/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania