NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4キャリアで、5Gと4Gの通信速度を調査した結果をICT総研が公開しました。山手線の全30駅のホームと駅間(移動中)の、合計60カ所で測定しています。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. ICT総研が山手線全駅と駅間で、4社の通信速度を測定した結果を公開。
2. 5G優先モードだと下りはau、ソフトバンク、NTTドコモ、楽天モバイルの順に速い。
3. 5Gを受信しない4G優先モードで計測すると、各キャリアとも通信速度が大幅に低下。
山手線の全30駅と駅間の60カ所で測定
ICT総研が公開した「2023年7月 山手線5Gおよび4G通信速度実測調査」は、国内4キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)の通信速度の実態を把握することを目的に実施されています。
5G優先モードと4G優先モード(5Gを受信しない)のそれぞれについて、山手線30駅のホームと、駅間(移動中)の60カ所で、混雑時間帯や密集状態を避けて測定しています。
測定にはSony Xperia 10 IVを使用して、Googleの「インターネット速度テスト」で下り(ダウンロード)と上り(アップロード)を3回ずつ測定しています。調査期間は2023年7月15日〜21日です。
下り最速はauの157.7Mbps、ドコモは前回から速度低下
「5G優先」で測定した結果で、下り通信速度(全60地点の平均)が最も速かったのはauの157.7Mbpsでした。以下、ソフトバンクが145.6Mbps、NTTドコモが66.4Mbps、楽天モバイルが33.0Mbpsで続いています。4社平均は100.7Mbpでした。
なお、前回調査(2021年5月)と各社の順位は同じです。au、ソフトバンク、楽天の3社は通信速度が向上していますが、NTTドコモは速度が低下しました。
上り通信速度は、auが41.3Mbsで最も速く、以下ソフトバンクの31.1Mbps、楽天モバイルの26.5Mbps、NTTドコモの13.4Mbpsが続いています。
各キャリアの通信速度をまとめたグラフ(上段が下り、下段が上り速度)は以下のとおりです。
5G受信率、auとソフトバンクが100%を達成
全60地点のうち、5Gを受信できていた割合は、auとソフトバンクが100%、NTTドコモは51.7%(前回15.0%)、楽天モバイルは58.3%(前回0%)で、4社平均は77.5%でした。
2020年3月に国内で5Gサービスが開始されてから3年が経過し、5Gエリアが着実に拡大しています。
2023年6月に、楽天モバイルとauとの新たなローミングが開始されていますが、楽天モバイルの測定時にauの電波を受信していたのは60地点のうち3地点のみで、95%にあたる57地点で楽天モバイルの自社回線を受信できていました。
「4G優先」だと下り速度は大幅に低下
5Gを受信しない「4G優先」設定で測定した結果、下りの平均通信速度はauが38.9Mbps、ソフトバンクが31.5Mbps、楽天モバイルが28.1Mbps、NTTドコモが26.4Mbpsでした。4社平均は31.2Mbpsです。
各社ともに、5G優先と比べて通信速度が大きく落ち込んでおり、5Gの速さが際立つ結果となりました。
山手線60地点、下り最速は駒込駅ホーム
「5G優先」で測定した4社の平均下り通信速度は、駅ホームが140.2Mbs、駅間が61.1Mbpsと、移動中の駅間は駅ホームと比べて通信速度が大幅に低下しました。
地点別に比較すると、最速だったのは駒込駅ホームの293.2Mbpsでした。このほか、大塚駅ホーム(258.8Mbps)、神田駅ホーム(218.6Mbps)、御徒町駅ホーム(212.6Mbps)も4社平均速度が200Mbpsを超えています。
4社平均速度が最も遅かったのは渋谷駅ホームで10.0Mbpsでした。
5Gエリア拡大で通信速度向上
ICT総研は、前回と比べて5G受信可能な地点数が大きく増えたことが、下り通信速度の高速化につながったのだろう、と指摘しています。
日本国内では2020年春に各キャリアによる5G商用サービスが開始され、iPhoneは2020年秋に発売されたiPhone12シリーズから5Gに対応しました。
5Gには、高速通信に加えて回線の混雑に強い特徴があり、混雑する都市部でこそ威力を発揮します。携帯電話料金の引き下げが携帯キャリア各社の収益に影響が出ていますが、ユーザーとしては5G通信網の整備への取り組みに期待したいところです。
Source:ICT総研
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-546794/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania