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連結させるのにひと手間かかるものの色気のある希少幕「パラトカ」の張り方

<不自由を自由にする野営スタイル>

こんにちは、「不自由は自由だ!」をモットーに、不便がいっぱいな自然の中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしているRYUです。

先日キャンプをした際、パラトカを持っているけれど張り方が分からないという方にお会いしました。パラトカとはロシア軍の軍幕で、サイズはかなり個体差があるものの、1枚が約175cm四方の正方形です。

このパラトカは、連結するボタンやボタンホールが4辺に付いていないので、初めて手にした方は「どうやって張るのか?」と思う方が多いかもしれません。

今回は、パラトカを使う時の注意点やティピー型として張る場合の方法をご紹介。これからパラトカを入手したい方や、すでに持っているけど張り方がわからない方、そして、正方形の軍幕をお持ちの方ならば参考になるのではないでしょうか。

■パラトカは連結させるのにひと手間かかる

パラトカは1枚約175cm正方形の軍幕ですが、キャンプをするのなら最低でも2枚は欲しいところです。1枚でもギリギリ寝れますが、雨だと完全に濡れます。

なので今回は2枚を連結させることを前提に紹介していきます。通常の軍幕は、ほかの幕と連結できるようにボタン、もしくはボタンホールが四隅についているのですが、パラトカの場合、ボタンやボタンホールの数が連結するには足りないのです。

これも個体差があるのですが、上写真の下の辺は、左側がボタンで右側がボタンホール(少し見づらいのですが)になっているので、ほかの幕に連結しようとしても合わないのです。従って、パラトカを連結させるには、下記のいずれかの加工をしなければなりません。

1)2枚の幕を縫ってしまう。
2)ボタンを連結できるように付け替える、またはボタンホールを開ける。
3)ファスナー加工をする。

ちなみに私は、パラトカは4枚持っていて、4枚連結させるとパップ型に張れるのですが(4枚の張り方は機会があれば紹介します)、2枚は縫ってあり、あとの2枚はファスナー加工をし、すべてが連結できるようにしています。

▲写真は裏側ですが、上の辺と右の辺に黒く見えるのが、ファスナーです

このように何かしらの加工をしないと使えないという点が、自分で縫製できない方や、友人に縫製をやってくれる人がいない方にはハードルが高い軍幕といえます。

シンプルなカーキ色で非常に渋く、あまり使っている方が多くないので、その希少性がいい! と思う方にはおすすめです。

2枚連結ティピー型に張る方法

それでは実際にどのように張っていくかをご紹介します。今回はもっとも手軽に張れて、個人的に正方形の軍幕で一番使う張り方、2枚連結のティピー型の張り方です。

慣れれば早い人で5分、ゆっくりな人でも10分あれば張れるはずです。

▼準備するもの
1.パラトカ:2枚
2.ペグ:6~7本
3.140~145cmくらいのポール:1本

【ステップ1】後方1ヶ所をペグダウン

まずは連結したパラトカ2枚を表向きに敷きます。

連結すると2枚のハトメが重なる部分があり、そこが中央です。

まずは中央をペグダウンします。

中央にペグダウンしなくても張れるのですが、私は中央を先に決めた方が全体のレイアウトがしやすいので、必ず中央を先にペグダウンします。

これは好き好きなので、ペグダウンを少なくしたい方は飛ばしても構いません。

【ステップ2】中央の左右をペグダウン

パラトカは、ボタンホールが7個配置されている辺が1辺あります。その辺が下側に来るように連結すると良いです。

写真のハトメ部分にペグが刺さっているところが、2枚の中央部分になります。そこから左右に数えてボタンホール4つ目をペグダウンしてください。

中央のペグと左右のペグダウンする部分は直線になるようにしてください。

【ステップ3】ポールを立てる

この段階で、先ほどペグダウンした中央のハトメが重なる部分の反対側(こちらが上になります)にポールを差し込み幕を立ててください。

ポールが倒れないように手前に引っ張りながら、左右どちらでもいいのですが、幕をペグダウンします。

次に、2枚連結したことによって長方形になった短い辺の左右部分をペグダウンしていきます。

ペグダウンする場所は上の写真のように短い辺の中央より少しだけ下の部分です。おそらくここにボタンホールがあるはずです(個体差があるのでない場合もあります)。

上記をペグダウンすると、右上と左上の角が遊んだ状態になるので、内側に折り込みます。

この段階で自立します。

【ステップ4】入口部分をペグダウンして仕上げ

最後に前方の左右をペグダウンすれば完成です。

前方に来る部分は長方形でいうと左右の下の角です。パラトカは状態が悪くなければこの角部分にハトメがあります。上記写真の左側のように少し内側に入り込むようにペグダウンすると形も良いですし、しっかりと立ちます。

完成形は上の写真の通り。ロープなしで自立するので、便利です。

■パラトカティピー張りの居住性

さて、この幕の広さはどのくらいかといえばローコットがぴったり入るくらいのスペースで、一人で寝て、荷物を置いてちょうどいいくらいの広さです。

1人用マットを置くとこんな感じ。

ローコットもギリギリ入ります。ただし、すべてペグダウンした後だと入らないので、入口のどちらか部分のペグダウンをする前か、してしまった後であればどちらかを外してからコットを入れることをおすすめします。

小雨程度ならギリギリ濡れずに済みますが、強い雨や風雨の場合、入口から雨が入ってきて濡れます。なので、雨天時は、タープを張るか、入口部分にもう1枚必要となります。

※ ※ ※

さて、いかがでしたでしょうか?

あまり見ませんし、張っていると「それは何という幕ですか?」聞かれることが多いくらいなので、軍幕を使っている人でもパラトカは持っている人が少ないと思います。

入手しにくいというのもあるかもしれませんが、加工しないと使えないという点で二の足を踏む人も多いからだと推測します。ただ、凄く色気のある幕なので、私は好きです。

今回紹介したティピー型は、ほかの正方形幕でも使える張り方で、以前東ドイツ軍幕を使ってポールレスで張る方法も紹介していますので、よろしければそちらもご覧ください。

>> 連載

(文・写真/RYU

RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、年間数十泊の野営を行っている。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」

 

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