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再生医療のバイオテクノロジーを応用し、国産牛の受精胚から多能性幹細胞を樹立。培養肉産業の発展へ

株式会社Hyperion FoodTech(以下、Hyperion FoodTech)は、再生医療で培われたバイオテクノロジー技術を応用して、国産牛の受精胚に由来する多能性幹細胞の樹立および維持に成功し、これまでに4株バンク化しました。

今後は、培養肉の産業化においてより望ましい多能性幹細胞株の作製、培養肉への分化技術の開発、周辺技術の開発などに向け、社内研究や共同研究、社外に当該細胞の導出を行い培養肉産業を発展させたいとしています。

無限に近い増殖が可能な多能性幹細胞技術

世界各国で競争が激化している細胞性食品(培養肉)の研究開発。現在は、いわばその「第一世代」として、牛の個体の筋肉組織を出発原料として採取し、その骨格筋細胞から作製した培養肉の可能性や、その可食性・味・食感などの研究が進んでいます。

一方で注目されているのが、限りなく無限に近い増殖が可能な多能性幹細胞(胚性幹細胞やiPS細胞など)技術です。

この技術を活用すれば、牛の個体から筋肉の継続的な採取を行わずとも、多能性幹細胞を出発原料とした、いわば「第二世代」の培養肉の製造が可能なのではないかと期待されています。

ウシ受精胚由来の多能性幹細胞を樹立

Hyperion FoodTechは、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)の樹立および維持の技術を応用して、国産牛の受精胚に由来する多能性幹細胞の樹立および維持に成功しました。

新しい点は、遺伝子組み換え技術をはじめとした外来遺伝子の導入や、特殊な薬剤によるリプログラミング技術や不死化技術を使用をすることなく、ウシ受精胚由来の多能性幹細胞を樹立および維持したことです。

同社は、この技術により樹立した細胞を「BEEF細胞(Bovine Embryo-derived stem cell for Engineered Food または Bovine Embryo-derived Element Forming cell )」と呼称し、同細胞の樹立および維持の技術を特許申請しました。

「宇宙時代の食の自給自足」を目指すスタートアップ

Hyperion FoodTechは、「宇宙時代の食の自給自足」を目指し2023年4月に設立。人が日常的に摂取しても問題のないような培養肉を目指して、原料・プロセス・周辺技術の開発を、再生医療開発で培われた“リスク・ベース・アプローチ”を基本とした姿勢で研究開発していることが特色です。

BEEF細胞については、食用肉で主たる構成細胞のひとつである骨格筋細胞に分化すること、さまざまな細胞に分化することを確認しました。

現在は、より低価格で安定したBEEF細胞の培養を可能とする培養液をナカライテスク株式会社と共同開発中。

また、姉妹会社の株式会社Hyperion Drug Discoveryと大日本印刷株式会社が共同開発した3次元大量培養用の可溶性マイクロキャリア技術を使って、BEEF細胞やBEEF細胞から得られた培養肉を構成する分化細胞について大量培養技術の適用を模索しています。

さらに、大阪歯科大学 医療イノベーション研究推進機構と協働し、毒性学的なアプローチによるBEEF細胞・分化細胞・最終製品(食品)・製造工程由来の残留物などのリスクアセスメントを行っているようです。

参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000124565.html

(文・Higuchi)

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