昨今、生成AIを自宅学習のシーンでも活用する事例がみられ、AI技術と学校教育をとりまく議論のなかでは「答えを直接得てしまう」ことによってこどもたちの「考える力」「想像力」を阻害する懸念の声が、政府・教育関係者や保護者らからあがっています。
一方、現時点では技術進歩に倫理的観点の整理が追いついておらず、ガイドライン策定など表層的な対処にとどまっている面もあり、夏休みシーズンの自宅学習において生成AIがどのように活用されるのか、不安を感じている保護者や教育関係者も少なくないのでは。
そんな懸念を払拭できそうな、“絶対に答えを教えない”生成AIアプリが登場。プログラミング学習事業などを手掛けてきた株式会社CODEGYMが、規模言語モデル(LLM)の技術を応用した勉強・学習AIアシスタントアプリ「宿題ポケット」を7月20日に公開しました。
“絶対に答えを教えない”生成AI「宿題ポケット」
一般的な対話型AIサービスでは、回答結果を即時に提供するものが多いなか、宿題ポケットではヒントを徐々に開示したり、わかりやすいたとえ話に置き換えて解説を行ったりしながら、ユーザーの考える力や知的探究心などを育むことを目的としてAI学習アシスタントがアプローチ。答えではなくそれに至るための道筋、問題解決の方法や考え方を学ぶように設計されています。
適切な質問が思い浮かばない場合は、他の良い質問をリジェネレートするところから生成AIに入門できるので、「対話型AIを使ってみたいけど、どう質問したら良いか分からない」などといった悩みも解決します。
社会人の資格取得などリカレント教育にも
宿題ポケットは、数学などのように特定の答えがあるものだけでなく、読書感想文や自由研究、レポートの執筆など、生成AIが得意とする“創作”の倫理的な観点をクリアしたうえで、学習支援が可能です。
主なユーザー対象は中・高校生ですが、生活のなかでの雑学や倫理、社会人にとっての資格の勉強にも役立てられるとのこと。たとえば「料理がうまくなりたい」というテーマで相談をすると、「料理がうまくなるために必要なことは何だと思う?」などといった対話文脈で答えにたどり着けるようにサポートしてくれます。
同アプリはApp StoreおよびGoogle Playからダウンロードが可能。また、Webサイト上でブラウザからも利用できます。
「宿題ポケット」を実際に使ってみた!
実際に、宿題ポケットを使って2つの質問をしてみました。
まずサイトにアクセスし、AIに質問したい内容を入力。その後「質問する」ボタンをクリックします。
また「800文字でまとめたい」と相談すると執筆するためのアドバイスもくれるので、書き方に困ったときも安心です。
自由研究にも活用できそう!
つづいて、自由研究に関係する質問をしてみました。
今回は、瞳の大きさと光の強さの関係を研究するために、猫の瞳を観察する学生をユーザーとして仮定。観察を続けると、瞳が大きい時と小さい時の変化に気づきます。そこで生まれた疑問として、「猫の目が細くなるのはどうして?」と聞いてみました。
AIからの質問に回答を進めていくうちに、「すごいね!その通りだよ」と答えに辿りついたことを教えてくれました。
パーソナライズ化されたAI技術によって広がる新たな学びの環境に、今後も注目が集まりそうです。
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000049664.html
(文・miyu sato)
- Original:https://techable.jp/archives/215216
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:sato