【達人のプラモ術】
タミヤ
グランプリコレクション
1/20 ポルシェ935マルティーニ
04/05
前回、マルティーニカラーのデカールを貼ったことで、ボディ制作のモチベーションが一気にアゲアゲになりましたね! しかし焦らずデカールをしっかりと乾燥させるために最低3日はそのままおきましょう←これ大事。さて今回はボディのクリアー塗装と研ぎ出し。そしてインテリアの制作を進めていきましょう!(全5回の3回目/1回目、2回目、3回目)
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube「
モデルアート公式チャンネル」でもレビューを配信中。
■缶スプレーでクリアー塗装
デカールを乾燥(3日間)させたのち、クリアーよるオーバーコート(※1)をおこないます。使用したのはタミヤ缶スプレー「TS-13クリアー(ラッカー系)」です。塗装面へのホコリの付着に注意しながら進めていきます。
缶スプレー塗装で失敗しないコツは、一度で塗ろうとしないことです。イッキに吹きつけてしまうと、塗料がボディの表面でタレたり泡ができてしまうといったトラブルの原因になります。
塗装面からの距離は、よく30センチ離してと言われていますが、クリアーのオーバーコート塗装では30センチはちょっと離し過ぎだと思います。個人的には15センチくらいの距離がベストだと考えています。
30センチ離すならば缶を動かすスピードはゆっくり、15センチならばシュッシュッといった感じで吹きつけていく感じが良いでしょう。
(※1)クリアー塗装をトップコート塗装と表記していることが多いのですが、トップコートは水性クリアー缶スプレーの商品名(GSIクレオス)なので、ここではオーバーコート塗装と表記しています。
■まずは砂吹き(粗吹き)
吹き付けは、ちょっと缶の距離を離して、まずボディ全体にクリアーを乗せる感じで吹きつけていきます(1~2回)。これを砂吹きとか粗吹きと言います。あえてザラっとした下地を作っておくことで、この後におこなう本塗装の塗料がしっかりと食いついて塗料がタレにくくなるワケです。
砂吹きを乾燥させたら、いよいよクリアー塗装の本番です、肩の力を抜いて参りましょう。クリアーは15センチくらいの距離でリズミカルに、塗装面が濡れてテカって見えるようにボディ全体に一気にクリアーを吹き付けていきます。素早く吹き付けることで塗装面の塗料の粒子が均一に馴染んで均一な塗装面となるんですね。吹き付け→乾燥(1時間程度)で3回塗り重ねていきます。
もしザラついているとしたら、吹き付けの距離を離しすぎている、あるいは、吹き付けの際に塗料の飛沫が塗装済みの塗装面にとんでしまっているのが原因です。
文字だとなかなかイメージしにくいですよね、以下の動画で私が缶スプレー塗装のコツを紹介していますのでそちらを見てもらうと、塗装の距離や缶を動かすスピードがイメージしやすいと思います。
■クリアー塗装は乾燥が大事!
クリアー塗装が完了したら、しっかりと乾燥させます。今回クリアーは砥ぎ出しを考量して厚塗りに仕上げているので、常温ならば最低でも3日(可能ならば1週間)は乾燥させる必要があります。作例は乾燥器(内部が40~45度になる)を使い24時間乾燥させています。
山善
「食器乾燥器」(9480円)
サイズ:幅41cm×奥行40.5×高さ34.5cm
以前はプラモデル専用の乾燥機(ドライブース)が発売されていましたが、現在は廃版となっており、モデラーに人気が高いのが家電メーカーの山善から発売されている食器乾燥器。サイズが手ごろなのと内部の温度があまり高くならないのでプラモデルの乾燥に最適と口コミで人気が出た乾燥器です。
■砥ぎ出しで光沢アップ!
クリアー塗装が完全に乾燥したら、そのままでも光沢はありますが、さらに光沢仕上げとするため、砥ぎ出し作業を行いましょう。
▼砥ぎ出しとは?
クリアー塗膜の上から研磨ペーパー(今回はスポンジ)とコンパウンドを使って、クリアー層の表面の微細な凹凸を削り塗膜を均一に仕上げること。同時にデカールの段差もなくなるのでボディ表面の光の反射が均一になってキレイな鏡面に仕上げられます。
今回は研磨スポンジを使い1000番→1500番→2000番の順番で水研ぎ、さらにコンパウンドの粗目→細目→極細→セラミックコンパウンドで砥ぎ出して仕上げています。
■インテリアの製作
1/20スケールということもあり、インテリアはロールバーなど、それなりに雰囲気良く再現されています。ただしシートは、ドライバーフィギュアを乗せることが前提になっているので、シートベルトが付属していません。市販のディテールアップ用シートベルトを追加しても良いでしょう。また今回メーターパネルは紫外線硬化クリアーを使ってメーターガラスを再現してみました。
■次回完成!ポルシェ935マルティーニ
ボディの研ぎ出しとシャシーが組みあがり、いよいよ完成が見えてきました。イメージも良く、エンジンやコクピットなども、とても46年前のプラモデルとは思えないか完成度の高さです。次回の完成をお楽しみに!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/548748/
- Source:&GP
- Author:&GP