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新明和工業、シンガポールの空港で遠隔操作による搭乗橋の自動装着に成功。空港運営をスマート化

新明和工業株式会社(以下、新明和工業)は、シンガポールのチャンギ空港を運営するチャンギ・エアポート・グループと共同で、航空旅客搭乗橋(以下、搭乗橋)の航空機への自動装着に関する実証実験を行ってきました。

そして2023年8月24日、実運航中の商用機に対して、遠隔操作による搭乗橋の自律型完全自動運転(航空機機種選択レス)による装着に成功しました。

ボタンを1回押すだけで搭乗橋を自動装着

新明和工業は、始動ボタンを1回押すだけで搭乗橋を自動走行させ、航空機ドアへの完全装着までを自動化する「フルオート・ドッキングシステム(完全自動装着システム)」を2020年に開発しました。

同システムの特長は、装着対象の航空機の機種を問わない“航空機機種選択レス”方式による高い汎用性。カメラでドア位置を都度正確に検出するため機種指定作業も不要です。

AI機能により、通常の画像処理と比べて天候や環境の変化・機体のペイントなど、変動要因にも柔軟に対応し、ドア位置を正確に検出できるのもポイント。万一、想定を超える特殊要因により検出できなかった場合は、再学習により検出能力を随時アップデートできます。

同システムは、2023年8月25日より販売を開始。人員不足が課題の空港施設の省人化、およびヒューマンエラー防止に役立ちそうです。

約1年の実証を経て実用化、機能拡充で労働生産性向上

チャンギ空港では、2022年8月に同空港ターミナル1へ納入した新明和工業製の搭乗橋に「フルオート・ドッキングシステム」を搭載。

航空機モックアップを用いて、キャブ(搭乗橋の先端部分の装着口)にてオペレーターが行う運転操作について、搭乗橋の柱脚付近となるエプロン上から遠隔操作で行うという実証実験を約1年にわたって実施しました。

そしてこのたび、その精度および安全性が確認できたことから、実運航中の機体を対象とした実用化に移行しています。

また、遠隔操作機能の拡充で、大型航空機への装着時、1人のオペレーターで2基の搭乗橋の操作が可能となり、労働生産性の向上も期待されるところでしょう。

「フルオート・ドッキングシステム」を世界へ

新明和工業は、同空港での実証実験および実運航中の機体への装着結果を踏まえ、搭乗橋の遠隔操作を含めた「フルオート・ドッキングシステム」を世界市場に広く提案する方針です。

そして、空港施設が抱える諸課題に自社の技術力で応えることで、空港の生命線である高稼働率の維持・向上および定時運航、安全で効率的なオペレーションの実現に貢献したいとしています。

参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000070611.html

(文・Higuchi)

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