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自立式カーサイドテント「カブース4」はまだまだ暑い日が続く車中泊キャンプにいいかも

【アウトドア銘品図鑑】

9月になってもまだまだ暑い日が続きます。

車中泊キャンプが新しいスタイルとして注目されていますが、防犯のためにクルマのドアを閉めて眠ると蒸し暑い! いくら窓を少し開けていても限界があるんです。それに網戸をつけないと虫が飛び込んできて、これもストレスのもとに。

結局、本格的に寒くなるまではテント泊のほうが涼しくてよく眠れるのですが、クルマと接続してシームレスに行き来する便利さは捨てがたい。

そんな悩みを解消してくれたのが、ケルティの新型テント「カブース4」(5万7200円)。

ファミリー向きの自立型ドームテントですが、SUVと接続するための工夫を搭載。車中泊キャンプの本命テントとなるか? 試してきました。

■一般的なファミキャン用テントよりやや軽い

「カブース4」は4人就寝ができるテントで、大人が直立できる高さがあります。ファミキャン用で就寝定員4人のテントは10kg程度のものが主流で、「カブース4」は標準よりやや軽い9.53kgとなっています。

▲61×28×25cm、重量9.53kg

大きく開いて出し入れし、ストラップできゅっと両側からしめられるスタッフバッグに入っています。

左からインナーテントとフライシート、ファイバーグラス製フレーム、ペグ。シンプルな構成です。

▲インナー用の黒いフレームをバッテンにかけ、グレーを前方にドーム状にかける

インナーテントを広げ、フレームをかけていきます。インナーテントの出入り口が垂直に立ち上がっていて、ファスナーを開け閉めしやすいのが◎。

比較的寒がりが多い日本人にとって、インナーテントの上半分が全面メッシュなのは不安ではありますが、車中泊キャンプの場合、テントで眠るのは暑い時期。そう考えると暑い時期に全振りの設計は十分“あり”です。

▲213×304×H198cm。製品版ではフライシートの内側に短いグレーのフレームを装備するそうで、クルマと接続した際のたるみを解消するとか

フライシートをかけ、張り綱を伸ばしてペグダウンすれば完成。

なんの変哲もないドームテントですが、2ルームテントではないのにも関わらずパネルが前のほうまで伸びています。

中からファスナーを開くには手を遠くまで伸ばさなくてならないのがナンですが、これが車中泊キャンプで効いてくるんです。

▲ステップワゴンのバックドアに接続

出入り口のパネルが長いので、無理なくクルマの屋根に引っかけられる! 一般のファミキャン用テントだと、パネルがここまで長くないのでうまく接続できないことが多いんです。

▲吸盤ではなくホイールにまわしたウェビングで固定。ブレーキと干渉しないように注意

イマドキのクルマは全体に曲線が多く、よくある吸盤接続ではちょうどいい場所を探すだけで手間取ります。

「カブース4」は跳ね上げタイプのバックドアならホイールに、観音開きのバックドアならルーフキャリアに引っかけるのでほとんどのクルマと接続可能。同社のカーサイドタープ「ウェイポイントタープ」と同じスタイルのセミユニバーサル車両アタッチメントを採用しているんですね。

ホイールのデザインによってはうまく取り付けられませんが、その場合はペグでタイヤ付近の地面に固定しましょう。

ちなみに、「カブース4」はクルマの後ろ側と接続するのがスタンダードですが、ウェビングをクルマの屋根にかけるようにするか、市販の強力吸盤付きフックを複数用意するればクルマの脇に設営することも可能ですよ。

■ほどよく視線を隠してくれる

「カブース4」はクルマと接続した際にプライベートを確保する工夫がなされています。

▲高さ183cmで自由に歩けるリビング。左側はサイドウォールを伸ばした状態

ドームテントの出入り口パネルをクルマと接続したとき、どうしてもパネルの両脇に大きな空間ができてしまいます。風通しがよくていいんですが、荷物が散らばっているのも見えやすい!

「カブース4」の場合、サイドウォールがついていて脇から見えにくくなるんです。

サイドウォールにも金具が付いていて、広げたときも折りたたんだときも金具できれいに固定できます。くるっと丸めてトグルでまとめるよりも簡単で美しい仕上がり。

クルマの高さによってサイドウォールにたるみが生まれますが、それも内蔵のコードを引っ張ることで解消できます。

サイドウォールは完全に視線を塞ぐことはできません。けれども、これがあるとないでは大違い。近づいてのぞき込まないと、車内もテント内もわかりにくくなるんですから。

風をたくさん取り入れたいときはサイドウォールごとまとめて巻くことだってできますよ。

▲インナーテントの奥行きは200cm超

インナーテントは奥行きも幅もほぼ同じで正方形に近い形です。奥にいくほど天井は低くなっているので、並んで眠るなら頭を出入り口側に向けるのがいいでしょう。

天井付近にはメッシュのハンモックがあり、小型LEDランタンを置くのに便利。

フライシートの後部には小さいけれどベンチレーターが搭載されています。また、フルフライですが後部とサイドの裾はゆるやかに弧を描くデザインで、ココをペグで引っ張ることにより空気を取り入れやすくなっています。

大型メッシュでもあり暑い時期でも湿気と熱をためず、ドライに眠れるというわけ。

ちなみにフライシートのドアパネルはタブが2つついたダブルファスナー。

北米ではいちいち腕を伸ばしてテントを開閉するのではなく、上側だけ開いて出入りする人も多いそうです。文化の違いを感じる機能も楽しいですね。

細かなことですが、張り綱をまとめる小さなポケットが縫い付けられています。くるっと丸めた後にこの三角のポケットに入れておけば、いちいち張り綱を付け直す必要がないし、収納袋から取り出したときに張り綱が絡まってイラッとすることはありません。

車中泊が注目され、いろいろなメーカーからカーサイドテントが発売されていますが、インナーテント付きかつ単独でも使いやすいのはまだまだレア。

アタッチメントは取り外しも簡単だから、キャンプ場からどこかに出かける際も楽ちん。なんてことなく見えますが、よく考えられたテントです。

>> アリガインターナショナル

>> [連載]アウトドア銘品図鑑

<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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