iPhoneの組み立てサプライヤーとしては新興勢力の中国Luxshareが、Appleからの組み立て発注台数が前年から倍増したことを明らかにしました。“脱中国”と言われながらも、依然としてAppleが中国の生産拠点を重要視していることが浮き彫りとなった格好です。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. LuxshareのCEOがiPhone受注倍増を発表。
2. Foxconn一強体制を崩す、次世代サプライヤーとしてAppleが抜擢か。
3. Apple WatchやApple Vision Proも請け負う、Appleのお気に入りサプライヤーに成長。
組み立てサプライヤーとして大躍進
Luxshareは21日、2023年度のiPhone量産台数が前年比で2倍となったことを明らかにしました。
創業者のワン・ライチュン(王来春)最高経営責任者(CEO)は、中国地元メディアのインタビューで「LuxshareはAppleの需要に応えるべく、中国での生産能力を拡大している」と述べ、近く量産体制に入るApple Vision Proとともに、Appleからの受注が会社の成長に欠かせない存在になっていると強調しました。
計4モデル展開されるiPhone15シリーズのうち、LuxshareはiPhone15 Plusをメインに、iPhone15とiPhone15 Pro Maxを組み立てています。iPhone14シリーズでは、Luxshareは最上位モデルのPro Maxを少量生産するに留まっていました。
簡単に“脱中国”とはならないApple
主力であるFoxconnが、上位モデルのiPhone15 Pro/Pro Maxを中心に全体の60%ほどを量産する構図は従来と同じですが、iPhone組み立てサプライヤーとしては新興のLuxshareが、受注シェアで2位につけたのは注目に値します(3位はPegatron、4位はWistron工場を買収したインドのTata)。
また、これまでFoxconnの独壇場だった上位モデルの量産をLuxshareに25%ほど割り振ったのも、サプライヤーの勢力図を多様化したいAppleの狙いが透けてみえます。
実際、LuxshareのiPhone組み立て工場は中国国内(昆明)のみであり、Appleが中国からインドに軸足を完全に移したわけではないことが確認できたのは大きいでしょう。すでにLuxshareは、Apple Watchの組み立てシェアでもFoxconnを上回っており、すっかりAppleの“お気に入りサプライヤー”となっています。
Source:Reuters(1)(2)
(kihachi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-554066/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania