iPadをモバイルモニターとして活用したい! そんな要望がようやく実現しました。アップルが9月19日に公開したiPadOS 17では、新たにUVC(USB Video Class)に対応。USB-C端子に接続できるUSB-C&HDMI変換アダプタ(HDMIキャプチャデバイス)を利用することで、iPadに外部ビデオ入力が可能になりました。
今回用意したのは、僕の所有しているUSB-C端子搭載の「iPad Pro(第3世代、2021年モデル)」と、iPadOS 17にアップデートのタイミングで購入した格安の「USB-C&HDMI変換アダプタ(HDMIキャプチャデバイス)」。実は昨今、この手のHDMIキャプチャのデバイスは低価格化が進んでいて、ノーブランドの製品であれば2000円前後で購入できるんです。
なお、iPadOSでは専用ドライバやPCソフトは使えないので、多機能な複合機能モデルを選ぶと動かないことも。なので、繋ぐだけで使える、シンプルで単機能な製品を選びましょう。
HDMI入力が可能となれば、iPadをPC/Macの外部ディスプレイにしたり、Nintendo SwitchやPS5を接続したり、デジタル一眼の外部モニターにしたりなど、さまざまな活用が考えられます。ひと通りの機器を接続して実用性を確認してみました。
■画質はOK。ではPC/Mac接続、ゲーム機、デジタル一眼接続は?
iPadでHDMI接続した機器の映像を表示するには、UVC対応の“キャプチャソフト”が必要です。9月19日のiPadOS 17公開以降、次々と対応ソフトが登場しています。
HDMIキャプチャデバイスというと、外部入力を表示=録画やライブストリーミング機能が必須と捉えられがちですが、外部モニター用途ならHDMI入力をそのまま表示してくれるだけでOK。僕がAppStoreで公開中のソフトをひと通り入れて試してみた中で、オススメのアプリが「CamX - USB Camera」(無料)です。
シンプルで無料、かつ広告もアプリ内課金もなく、アプリによる遅延も他のアプリより小さく、モニター用途にピッタリ。画質劣化も特に気になりません。
iPadの外部モニター化として、最初に試したのが、Mac及びPCの拡張ディスプレイ、いわゆるマルチディスプレイ化です。
Windows&Macは、接続した「iPad Pro」を4Kモニターとして認識。ただ今回、僕がテストした11インチの「iPad Pro」は、リアル解像度が2388x1668なので、フルHDの1080pで出力する方が扱いやすいですね。
注意するべきポイントが、「USB-C&HDMI変換アダプタ」で録画なしのライブ表示をしようとしても、遅延がかなりあること。PC用途ではマウス操作や画面スクロールも目に見えて遅れるので、メインモニターと同じような扱いはできません。固定で映しておきたい画面や画像などのプレビュー向きでしょう。
続いてゲーム機。Nintendo Switch、PS5ともに、iPadの画面をモニター化してプレイ可能です。PS5からは4K/60p対応機器として出力可能でした。
ただ、ここでも問題になるのがUSB-C&HDMI変換による遅延。正直言って、ゲーム機のメニュー操作でも遅延とフレーム落ちがあるため、アクションRPGなどのプレイは実用外。ゲームプレイ用としては将棋のような動きの少ないゲーム程度でしょう。
次は、リアルに利用シーンが浮かぶ機器、デジタル一眼カメラ。
最近のデジタル一眼はHDMI端子からリアルタイムでカメラ映像を出力してくれるので、写真撮影のプロも外付けのライブモニターを用意していたり、WEBカメラ的に使ったりとさまざまな活用がなされています。
iPadOS 17のUVC対応で生まれたiPadの外部モニター化。一番うれしいポイントはHDMI端子を使えて、しかもUSB-C&HDMI変換アダプタ(HDMIキャプチャデバイス)が2000円前後という格安で導入できるということ。遅延とフレーム落ちがある点は惜しいですが、汎用性ある形で開放された以上、活用法を見出すのはユーザー自身。個人的には、今後はiPadを動画撮影時の外部モニターとして活用していこうと思ってます!
<取材・文/折原一也>
【関連記事】
◆迷える人は知っておきたい「iPhone 15」に機種変するメリットとは?
◆その差は+3.5万円。「iPhone 15 Pro」を選ぶ価値はどこにある?
◆iPadのUSB-Cってどんな仕様だっけ? 新iPhoneのUSB-Cに見合うiPadをチェック|iPad Hacks
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/558228/
- Source:&GP
- Author:&GP