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iPhone 15のUSB-C端子では何が動く? USBメモリやUSBハブなど各種デバイスを動作チェック

iPhone 15シリーズの登場で最大の目玉となったUSB-C端子の搭載。Lightning端子によるiPhone向けに作られた周辺機器という縛りから、幅広くPC/MacやAndroidスマホに向けたUSB-C端子搭載の周辺機器が接続可能になり、一気に外部機器による機能拡張の可能性が広がりました。

▲iPhone 15シリーズで搭載されたUSB-C端子での周辺機器接続を確認

iPhone 15シリーズでは、標準モデルにあたるiPhone 15および15 Plusは転送速度最大480MbpsのUSB 2.0相当、iPhone 15 Proおよび15 Pro Maxでは最大速度10Gbit/秒のUSB 3.2 Gen2対応と転送速度の仕様の違いこそありますが、高速伝送の機器以外での互換性は同じです。

そこでiPhone 15 Pro Maxと組み合わせて使ってみたいと思った周辺機器を、特にオーディオ&ビジュアル関連の機器を多めに、動くかどうかチェックしていきます。

 

■予想以上に周辺機器を使える!

最初にテストしたのは、スタンダードなUSB機器である、USBメモリやUSBキーボード。どちらもUSB-A端子が主流ですが、最近はMacBookシリーズ向けなどでUSB-C端子の製品、変換コネクタ付属の製品も増えています。

▲USB-C端子に直接挿せるLexerのUSB3.2対応USBメモリ。「ファイル」アプリでファイルの中身の認識を確認

▲エレコムのUSB-C接続のキーボード「TK-CB01UPKBK」もあっさり認識。「GMAIL」アプリで文字入力もできた

次にテストしたのがUSB-Cで接続できるUSBハブ。USB-Cで周辺機器を接続し始めると、iPhone 15シリーズの1ポートのみだと足りなくなるのは目に見えています。既存のPC用などで販売されているUSBハブを接続してみました。なお、最近はUSBハブにはHDMI出力付き、有線LAN端子付きなど複合タイプも多いため、それぞれの製品を用意して機能の動作も検証してみました。

▲エレコムのUSB3.1 Gen2対応のUSBハブ「U3HC-A424P10WH」。ハブ経由でUSBメモリの動作を確認。ハブに給電用USBケーブルを接続しておけばiPhoneの充電もできます

▲エレコムのUSB3.1 Gen2対応のドッキングステーション(USBハブ)「DST-C22SV」もハブとして動作。4K/60p対応のHDMI端子搭載

▲HDMI端子は3840x2160のDolby Vision形式でNetflixの出力もOK。音声はリニアPCMなら問題なく出ますがNetflixのDolby Digital音声はノイズが乗りました

▲エレコムの有線LAN端子搭載USBハブ「DST-C17SV」では、有線LANによるiPhoneのネット接続も確認。HDMIは4K/30p仕様で1920x1080ドットのSDRしか出力できませんでした

▲以前アマゾンで購入したCable Mattersというブランドの8K対応DisplayPort変換アダプタ。8Kテスト環境はありませんが4K/60Hzの出力までは確認

続いてオーディオ関連もチェックしていきます。すぐに思い浮かぶのは、音楽リスニング向けの有線イヤホン接続。音質重視派には、ハイレゾ再生に対応したUSB-C端子のバスパワーで動く3.5/4.4ミリジャック搭載のUSB DACが近年ブームになっています。一方で、USB接続となればUSBワイヤレスで繋ぐゲーミングヘッドセット接続も選択肢に。

▲USBバスパワーで動く有線イヤホン・ヘッドホン接続用USB DAC、DUNU「DTC 500」。AmazonMusicで96kHz/24bitのハイレゾ出力を確認

▲USBドングルで低遅延の2.4GHzを飛ばすゲーミングヘッドセットCORSAIR「HS80 RGB WIRELESS」もハブ経由で動作を確認。マイク部もカメラアプリの動画で動作確認済み

オーディオ関連では、リスニング以外にも録音、特に動画収録向けのマイクも気になります。そこでUSBマイクとUSBオーディオインターフェースの認識もチェックしてみました。

▲配信者向けのUSBマイク、JBL「Quantum Stream」もカメラアプリで動作を確認。なお、モニタ用のヘッドホン出力端子も音楽再生等で利用できます

▲オーディオインターフェースのZOOM「UAC-232」。STREAMINGモードかつ外部USB給電端子接続で、XLRマイクからの録音を確認。モニタ用のヘッドホン出力端子も音楽再生等で利用できます

iPhone 15 Proおよび15 Pro Maxでは、USB直結タイプのSSD接続も要注目。動画クリエイターにはうれしい動画撮影時のApple ProRes収録を有効にできます。ファイルサイズが極めて大きくなるため、アップルも内蔵メモリではなく外付けのUSB SSDの接続を推奨しています。実際に撮影もしてみました。

▲エレコムのUSB-C端子直結タイプの500GBのSSD「ESD-EMH0500GBK」。「ファイル」アプリの他、「カメラ」アプリでApple ProRes収録も成功

▲ちなみに外付けSSDへのApple ProRes収録は、USB3.1 Gen2対応のUSBハブ「U3HC-A424P10WH」経由でも問題なく保存できました

最後にiPhone 15の接続検証をしていて、ふと目に付いたPS5の付属コントローラー「DualSense ワイヤレスコントローラー」。iOSのゲームコントローラー対応はアプリ個別の対応になりますが、僕がプレイしている『原神』は以前からBluetooth接続でPS4/PS5のコントローラーを接続できるので、USB-Cでは…? と思いテストしてみました。

▲PS5の付属コントローラー「DualSense ワイヤレスコントローラー」をUSB-Cで有線接続すると無事認識。『原神』をPS5と同じボタンアサインでプレイできることを確認

身の回りの機器をiPhone 15 Pro Maxに接続してみましたが、互換性は予想以上。機器が動作するドライバは概ね完備されていると見て良さそうです。ただ各周辺機器の全機能を使うためには設定アプリ等が必要なケースもあるため、個別の対応状況は製品個別にチェックしてみてください。iPhone 15シリーズ登場によって、USB接続の周辺機器のiOS対応もスタンダード化していく可能性大です。

<取材・文/折原一也 取材協力/エレコム>

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube

 

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