キャンプ収納の定番ギアとして多くのキャンパーに愛用されているトランクカーゴから、小物収納に特化したコンテナ「スタックカーゴ」が発売されました。「S-4」(2480円/4L)と「S-6」(2760円/6.5L)の2サイズで、それぞれグリーン、グレー、ブラックの3色展開です。
さっそく1泊2日のキャンプで試してきました。
■小型ギア収納の最適解とも言えるサイズ感と機能性
結論から言うと、小物収納に困っているキャンパーにとって最適と言っていい仕上がりになっています。こんな使い勝手のコンテナを待っていました…!
なんだかんだと小物ギアが多いキャンプですが、収納コンテナは大型のものが一般的で小型コンテナにはあまり選択肢がありません。
もちろん全くないわけではありませんが、帆布素材のものや金属製のものが多く、取り扱いに気を使うことも。
「スタックカーゴ」は、小型ギアをカテゴリ分けしながら収納するのにちょうどいい塩梅のサイズ感。それに加えて、フィールドや天候状況を気にせず使える樹脂製です。
さらに、コンテナをしっかり連結する独自機能の採用で、複数まとめて持ち運びができ、車載時の不満も解決。既存のトランクカーゴ商品とのスタッキングも可能なので、トランクカーゴユーザーはより一層の使い勝手アップに繋がるはず。
■幅×長さ×高さが絶妙なバランス
これまでキャンプ用のコンテナを始め、ホームセンターで販売されている工具ケースなど、さまざまな収納コンテナを試してきましたが、それらと比較しても使いやすい印象。
外寸ですが、「S-4」がW36.5cmxD18.3cmxH12.8cm、「S-6」がW36.5cmxD18.3cmxH18.0cmと、長めのギアも収納できる長方形。
今回、個人的に行方不明になりがちなバーナー類やスパイス類、小型ランタン系、焚き火ツールなどのギアを収納してみましたが、大体のどのギアを入れてもちょうど良く収まる絶妙なサイズ感でした。
もう少し幅が広かったら入れすぎてしまって収まりが悪くなるし、もう少し長ければ微妙に足りないか持て余してしまう。もう少し高さがあったら、ギアを積み重ねて収納できてしまって、ひと目でどのギアが収納されているのか分かりにくくなってしまうし、逆に高さがなければ入れるものに困ってしまいます。
なので、キャンプギア収納用小型コンテナとして、この幅×長さ×高さの絶妙なバランスが最適解だと感じたわけです。
■ユニークな連結機能が生み出す“積みやすさ”と“持ち運びやすさ”
そんな「スタックカーゴ」をユニークなギアたらしめているのが、独自の連結機能です。蓋の短辺にバックルが付いており、「スタックカーゴ」を上下に連結可能。「スタックカーゴ」同士であれば、「S-4」「S-6」を自由に組み合わせてしっかりホールドできます。
小型の収納ケースを車に積載するときに毎回悩むのが、どこに収めるか問題。大型コンテナはそのまま積み込むだけで自然と場所が決まりますが、小型コンテナが複数あるとそうもいきません。
毎回隙間を見つけてなんとなく積み重ねてみたり、収まりそうなところに載せてみたりと、キャンプに行くたびに車載パズルを考えなければならないし、積み込みに失敗して移動中に荷崩れしてしまうことも。
その点、「スタックカーゴ」は連結が出来るので、他の大型コンテナ同様の感覚で積み込めて、連結してしまえば移動途中にひっくり返ってしまうこともありません。
逆に「小型コンテナなら入るのになぁ」と言った微妙な隙間に積みたい場合は、連結を解除して積載できます。
小型コンテナで荷物を分けると管理が簡単になる反面、荷物が細かくなるので持ち運びづらくなるのも悩みのタネです。独立した小型コンテナだと、上手に重ねたとしても2〜3個くらいが限度なので、何回にも分けて運ぶ必要があります。
オートキャンプならまだしも、テントサイトにクルマ乗り入れ不可のキャンプ場ではこの上なく煩わしい…。マンション住まいの人や、駐車場が遠い人ならなおのこと。
その点、「スタックカーゴ」にはハンドルがついているので両手にそれぞれ持って運べるし、持ち手の耐荷重(18kg)以内であれば連結したまま同時に複数持ち運べるなど、運搬のしやすさもピカイチ。
■樹脂素材だから場所や状況を気にせず使える気軽さ
「スタックカーゴ」以外にも小型の収納ケースはたくさんあります。例えば、帆布製のケースは使い込むことで馴染んでいく経年変化で人気だし、金属製のケースは工業製品特有の硬めのルックスで多くのキャンパーに支持されています。ですが、それ故に汚れやサビなどが気になりがち。
ラックやシートを準備して直置きを避ければいいだけなのですが、サクッとキャンプに行きたいときやデイキャンプのときには、少し面倒に感じてしまいます。
「スタックカーゴ」はトランクカーゴの従来商品と同様、樹脂製なので、汚れに強く、万が一雨や泥などで汚れたとしても水洗いで簡単に汚れを落とせます。また底面や側面からの水の侵入はもちろんないし、蓋も水が侵入しにくい構造のため、余程の雨でなければコンテナ内をドライに保てます。
■仕切りやトレーがオプションなのも嬉しい
また、本体だけでなく、「スタックカーゴ」専用の仕切りやトレーがオプションアイテムとして準備されているのも地味だけど嬉しいポイント。
工具ケースなどを使っている人ならご存知かと思いますが、デフォルトでケース内の仕切板や小分けトレーが付属していることがあります。
これらの仕切板やトレーを有効活用できたことがあまりなく、個人的には正直「無くて良いのになぁ」なんてよく思っていました。捨てるのも手間だし、そもそも使わないものにお金を出している気がして少しモヤモヤしたり。
「スタックカーゴ」では、こういったパーツは標準装備ではなく、オプション品として準備されています。価格もそれほど高くなく、「S-6」専用の仕切板は2枚セットで580円、両サイズどちらにも取り付け可能なトレーも980円と、必要に応じて買い足しやすい設定になっています。
このあたりの最低限の機能に買いやすい本体価格と、ユーザー毎にカスタマイズできるオプション品の設定が非常に好感が持てます。
* * *
そもそも、小型コンテナに小物を分けて収納するメリットは大きく3つあります。
まずは、ケース内に整然と収納できるので、パッと見で何が入っているかわかりやすく、忘れ物を減らせること。
2つ目は、大型のコンテナに入れるだけ入れてしまうとコンテナひとつを運ぶだけでも一苦労ですが、小型コンテナに分けることで重量を分散できるため、誰でも無理せず簡単に持ち運べるようになります。
最後に、カテゴリごとに小型コンテナに分けておけばキャンプの準備も楽に。宿泊基本セットをベースに燻製セットや焚き火セットなど、そのキャンプで楽しみたいアイテムセットだけをコンテナごと追加していくだけなので、準備と片付けの手間が一気に減ります。
そういった小分け収納やグルーピング収納のメリットは分かってはいるものの、どうしても上手に収納できずに悩んでいるキャンパーにこそぴったりな「スタックカーゴ」。小型コンテナをお探しの方は要チェックです。
>> トランクカーゴ
<取材・文/山口健壱 取材協力/RISU>
山口健壱(ヤマケン)|1989年生まれ茨城県出身。脱サラし、日本全国をキャンプでめぐる旅ののち、千葉県のキャンプ場でスタッフを経験。メーカーの商品イラストや番組MCなどもつとめる。著書に「キャンプのあやしいルール真相解明〜根拠のない思い込みにサヨウナラ」(三才ブックス)
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/559664/
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