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胴体をエアブラシで重ね塗り!機体が大きいから大変です【達人のプラモ術<エアバスA300-600ST ベルーガ>】

【達人のプラモ術】
ドイツレベル
「1/144 エアバス A300-600ST “ベルーガ”」
03/04

前回、カーゴ内部を再現した胴体が完成したので、引き続き主翼や尾翼、エンジンと脚などをインストの指示に沿って製作、塗装を進めていきます。胴体内部の自作ができてしまえば、主翼やエンジンといったパーツはシンプルなので、組み立てはサクサクと進められます。今回も完成目指して頑張って参りましょう!(全4回の3回目/1回目2回目

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube
モデルアート公式チャンネル」
でもレビューを配信中。

 

■主翼や尾翼、エンジンなどの製作と機体塗装編

▲サーフェイサーを塗布することで、接着した胴体左右パーツの合わせ面を確認。一部合わせ目が消えていなかったので、改めてイージーサンディングで修正研磨(白い部分)。胴体上面の接着面はともかく強度がないので、サンディングの際に力を入れられないのが辛いところ

▲胴体下面は下地塗装のサーフェイサー塗装後に、消えていなかった接着線目処理のために改めてサンディングしたので、ご覧の状態。この後再度サフを塗装、平滑に仕上げている

▲組み上げた主翼と水平尾翼

▲増設された補助垂直尾翼が水平尾翼端に取りつけられているのだが、ベルーガの外観上の特徴にもなっている

▲エンジンは双発のエアバスA300そのまま

▲タービンブレードもシャープにモールドされている

▲下地の研磨修正を済ませた胴体に組み上げた主翼と尾翼を仮組魅した状態

▲パーツの精度も高く接合部分に隙間や段差生じないのはありがたい

 

■消えたパネルラインを再生する

胴体は左右二つ割りで、プラの肉厚が薄く、また内部にリブを加えた関係で接着面の補強ができず…。胴体接着面の合わせ目の強度が出せずに苦労させられたのですが、何度かの接着面剥がれに泣かされつつも、瞬間接着剤(タミヤ「イージーサンディング」)を使い、接着線を研磨修正しています。

しかし研磨したことで凹モールドのパネルラインが消えてしまったので、彫り直しました。今回はモールドの線が太いので、よく使うニードルやラインチゼルではなくファンテック製のスジ彫りカーバイト(刃厚0.5ミリ)を使い、消えた胴体上面と下面のパネルラインを彫り直し、本来のモールドと線幅が違和感なく繋いでいます。

▲接着線を消すためのサンディング作業で消えてしまった胴体上面と下面のモールドラインをスジ彫りカーバイトを使い彫り直す

▲ファンテック「斬技シリーズ スジ彫りカーバイト0.5」(1760円) 超硬合金(タングステンカーバイト)を使用したスジ彫りに特化した精密切削工具。切れ味が高く耐久性も高い。刃先はエッジの効いた平刀型で深彫りしても線の太さは変わらず、力を入れずに均一な幅のスジ彫りを行う事ができる。今回使用したのは0.5ミリ幅だが、他にも刃の幅は13種類あるので、幅広くモールド彫りに対応させることができる。使用の際は専用ホルダーあるいはピンバイス等に装着する

 

■今回のハイライト!ベルーガ(白イルカ)の塗装

さてさて、今回は、いよいよ機体の塗装であります。

ベルーガはエアラインモデルでもあるので、基本光沢塗装で仕上げることになるのですが、そのために下地は平滑に仕上げなくちゃいけません。エアラインモデルの塗装は、ある意味カーモデルの塗装と通じるものがあります。

まず胴体全体をグレーサーフェイサーで下地塗装。接合面やパーツ表面のヒケ等をチェック。乾燥後に問題がなければ2000番のスポンジヤスリで表面をサーフェイサーの表面を研磨して平滑に整えます。その後機体色のホワイトで塗装していきます。なにしろ機体が大きいので全面白塗装はなかなか大変です。

今回は使用した塗料はガイアノーツの「EXホワイト」。エアブラシで塗装→乾燥→塗装と4回塗り重ねています。通常の白は顔料の質の関係でなかなか色が乗りにくいのですが、EXホワイトは高品質の顔料が使われているので隠ぺい力(下地を隠す力)が高く、エアブラシと組み合わせることで少ない塗り重ねでも均一な白の塗装面を得ることができます。

また今回は塗装する機体のサイズが大きいこともあり、エアブラシは大面積向きの口径0.5ミリを使用しています。缶スプレーのホワイトを使っても良いと思います。ただ、どうしても隠ぺい力がEXホワイトに比べて弱いので、塗り重ねる回数が多くなり、塗膜が厚くなりがちになるのが辛いところです。

機体はほとんど白での塗装ですが、主翼はライトグレーとミディアムグレーの2色で、水平尾翼はライトグレーで塗装。エアラインモデルは、胴体、主翼、エンジンや脚といった具合に、それぞれ組み上げたパーツ単位で塗装していけます。

▲EXホワイトをエアブラシで塗装。隠ぺい力が高いので4回の塗り重ね(通常の白だと5~6回)で、均一な仕上がりを得られる

▲白塗装が完了した胴体とカーゴハッチ。乾燥には最低24時間はおきたい

▲スジ彫りカーバイトで彫り直した胴体のパネルラインももともとのモールドと違和感がないように彫り直している

▲主翼はサフを塗布後、インスト(組立説明書)の塗装指示に沿ってライトグレーとミディアムグレーで塗り分け。前縁部分はシルバーでの塗装となる。今回の塗装でいちばん手間がかかる部分

▲脚と組み合わせるタイヤは小さいのでランナーについた状態で塗装すると作業が楽になる

▲塗装した主翼と尾翼を胴体と仮組みした状態

▲改めてベルーガの胴体がいかに大きいかや、白イルカのネーミングがなるほどと頷ける

▲機体の塗装が乾燥した後に、コクピットのキャノピーをフィニッシュシートの黒をカットして貼って再現。マスキングをして塗装するよりシャープに仕上がる

▲ガイアノーツ「Exカラー(50ml)Ex-01 Ex-ホワイト」(770円)

 

■次回完成!大判デカールを機体に貼る!

ベルーガは機体がほとんど白ということもあって、下地の処理など塗装の難易度が高いのですが、隠ぺい力の強い塗料を使うことで均一でキレイな仕上がりを得ることができました。

機体には垂直尾翼から胴体かけて、大きなブルーのグラフィックが入っています。キットは2分割された大判デカールで再現するのですが、次回はこの大判デカールを、複雑なラインで構成された尾翼周りにいかにデカールをキレイに貼るかを紹介していきます。

またデカールはベルーガ1号機、2号機、3号機を選べるのですが、ここはやはり2号機でしょう! 何故かと言えば…。その理由はまた次回! お楽しみに!

▲キットには印刷のズレなどもない質の良いデカールが付属している。コーションデータ(機体各部の注意書きやライン)もしっかり再現されている

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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