【趣味と遊びの最新ヒット&流行モノ】
初めて買うロレックス。この先買うことはないかもしれない。だからこそ、一番気に入った1本を選ぼう。「サブマリーナーを買う」とお気に入りのモデルが決まっている人も多いだろうが、同じモデルでも世代によってディテールが異なり、些細な違いで時計の雰囲気も変わってくるので、様々な年代のものをチェックしてほしい。
中野ブロードウェイにある時計店・ジャックロード店長の阿部さんは、初めてのロレックスの選び方について次のように教えてくれた。
「腕の形や時計のデザインによって自分に合う合わないがありますので、実際に着けてみることがすごく大事です。また、新品とアンティークのどちらを買うか迷う方もいらっしゃいますが、キレイな状態が良いなら新品がおすすめです。一方でエイジングを重ねた質感が好きな方はアンティークものが良いでしょう」
アンティークものは一期一会なので、「これだ!」という1本に出会ったら、逃さないようにしよう。また、現行モデルで中古を買う選択肢もある。あえて中古を選ぶことで、同じ予算でワンランク上のモデルに手が届くこともあるのだそうだ。
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【Submariner】
1953年に誕生したダイバーズウォッチの代名詞
サブマリーナーは、デイト派とノンデイト派に分かれ、どちらを選ぶかが最初の選択肢。黒の文字盤、黒のベゼルが定番で印象も強いが、実は雰囲気が異なる他の配色もある。
■ノンデイト派の本命は最新のサブマリーナー
デイトの有無は日付の必要性や全体のバランスで選ぶのがおすすめです。試着してノンデイトが気に入るお客様も多いですね(阿部さん)
ROLEX
「Submariner Ref.124060」(187万円)
現行のサブマリーナーで、日付が入っていないノンデイトモデル。シンメトリーなデザインは、デイトありと比較してシンプルでバランスが取れている印象を受ける。
■1960年代の高品質モデル。褪色ベゼルで唯一無二の表情に
ベゼルは元々は黒だったものが時代を経て褪色しています。アンティークのロレックスは、このようなオンリーワンの雰囲気も魅力(阿部さん)
ROLEX
「Submariner Ref.5512」(528万円)
5512はクロノメーター認定を受けた高品質のムーブメントを搭載。これは、その中で1966年頃まで製造されていた文字盤に艶がある“ミラーダイヤル”が特徴で、コレクター渇望の1本。
■サブマリーナーと言えばコレ。不動の人気を誇る“赤サブ”
サブマリーナー表記が赤なので“赤サブ”と呼ばれています。ダイヤル表示は6世代に分かれ、これは前期ダイヤルといわれるマーク2です(阿部さん)
ROLEX
「Submariner Date Ref.1680」(458万円)
アンティークのサブマリーナーの中でも特に人気が高いのが、1970年代に製造されていたこのモデル。文字盤のフォントやケース形状などに現行と違いがあり、面白い。
■50周年で初お目見えした“グリーンサブ”の最新作
“グリーンサブ”が初めて出た時は斬新な色で話題を集めました。2世代目は文字盤も緑なので特に異色のサブマリーナーでした(阿部さん)
ROLEX
「Submariner Date Ref.126610LV」(258万円)
ベゼルにロレックスのコーポレートカラーを使用した現行モデル。この配色はサブマリーナーの誕生50周年のタイミングで初めてリリースされたもので、現行は3世代目となる。
■印象がガラリと変わるエレガントな“青サブ”
初めから“青サブ”だけを狙っている人も多いです。サブマリーナにタフさだけでなく、エレガントさも求める方が好む傾向にあります(阿部さん)
ROLEX
「SubmarinerDate Ref.126613LB」(280万円)
コンビネーション素材の現行モデル。ベゼルや文字盤はブルーで、ゴールドは18金を使用。定番色とはかなり印象が異なる。青を使ったモデルは“青サブ”と呼ばれている。
■現行モデルは初の41mm。サブマリーナー定番の形
定番中の定番で、当店でも販売個数が多い人気モデル。サブマリーナーが欲しい人は、これをベースに考えるのがおすすめです(阿部さん)
ROLEX
「Submariner Date Ref.126610LN」(219万8000円)
2020年から製造されている現行モデルの新品。サブマリーナー初の41mmケースで、他より少しだけ大きめ。ベゼルの目盛り部分はプラチナコーティングされている。
【Daytona】
時計好きが憧れるクロノグラフモデルの頂点
クロノグラフ好きが憧れるコスモグラフデイトナ。ロレックスの中でも高額だが人気は絶大。主流は白または黒の文字盤のSSバンドだが、革やラバーバンドもある。
■製造終了の革ベルトモデル。ベルト交換で表情が変わる
当店では、新しい革ベルトに交換して販売しています。好みの色や材質でオーダーメイドで作ることも革ベルトの楽しみ方です(阿部さん)
ROLEX
「Cosmograph Daytona Ref.116519」(398万円)
現在は製造終了の革ベルトのデイトナ。こちらはひと世代前のモデルで、18金のホワイトゴールドケースを使用。革ベルトに変わることで印象も似合うシーンも変わってくる。
■1963年に製造されたデイトナの初代モデル
初代のデイトナはプッシャーがまだねじ込み式ではない点も特徴。手巻きムーブメントはバルジュー社製が使われています(阿部さん)
ROLEX
「Cosmograph Daytona Ref.6239」(758万円)
6239は現在7代目まで続くデイトナの初代モデルで、製造は1963年。ケース径37mmで現行(40mm)よりややすっきりとしており、ディテールもシンプルな印象を受ける。
■歴代最高クラスの人気。90年代製造のデイトナ
現行の3世代前のデイトナは常に人気で、これは文字盤が黒ですが、白の文字盤は特に人気が高く、入荷してもすぐに売れますね(阿部さん)
ROLEX
「Cosmograph Daytona Ref.16520」(408万円)
人気が高い1988年〜2000年製造のモデル。クロノグラフムーブメントがまだ完全自社製ではなく、ゼニス社のムーブメント“エルプリメロ”をベースに独自改良して搭載。
■名機のディテールを踏襲した一世代前モデル
3世代前の影響が強いからか、現行モデルも白文字盤のほうが人気があります。そのため、白のほうが価格も高めで推移しています(阿部さん)
ROLEX
「Cosmograph Daytona Ref.116500LN」(508万円)
2016年から製造されている現行のコスモグラフデイトナ。2世代前のデイトナを踏襲したと言われているインダイヤルのデザインが特徴的。
■デイトナ史上初のラバーベルトモデル
ラバーベルトにはメタルブレードが入っていて頑丈です。発売してしばらく経ちますが、バンドが切れた話は聞いたことがありません(阿部さん)
ROLEX
「Cosmograph Daytona Ref.116515LN」(684万円)
ロレックス独自のラバーベルト“オイスターフレックス”を採用したデイトナは2017年より販売。ローズゴールドやブラウンの文字盤も相まって、他とはかなり印象が異なる。
■統一感が好きならこっち。一世代前の黒文字盤
文字盤のカラーリングは好みで選びましょう。3世代前を踏襲していますが、ディテールは少し異なるので見比べてみてください(阿部さん)
ROLEX
「Cosmograph Daytona Ref.116500LN」(439万8000円)
一世代前の黒文字盤バージョン。先に紹介した白文字盤に比べてベゼルと文字盤の色が統一されて落ち着きある印象。スポーツモデルだが様々なシーンで合わせやすい。
【GMTmaster】
ベゼルの配色がお馴染みのパイロットウォッチ
1955年にGMTマスターが誕生し、1983年にGMTマスターIIが後継モデルとして登場。ベゼルの配色が代名詞で、色と文字盤、ブレスを見比べてお気に入りを選びたい。
■GMTマスターといえばコレ。赤×青の間違いない配色
このモデルといえば赤×青で昔も今も一番人気。GMTマスターがずっと好きだった人が初めて買うならこの配色だと思います(阿部さん)
ROLEX
「GMTmasterII Ref.126710BLRO」(319万8000円)
現行で発売されているGMTマスターIIで、見たことがある人も多いであろう鉄板のカラー。赤×青の色味も時代によって少しずつ変化しているので、特に好きな色味を探したい。
■象徴的カラーの2世代目モデル
GMTマスターの2世代目。オイスターブレスと呼ばれる3連のブレスは長く人気だったデザイン。現行とはバンドも異なります(阿部さん)
ROLEX
「GMTmaster Ref.1675」(388万円)
1960年代に製造されたGMTマスター。象徴的な赤と青のベゼルの通称“ペプシ”。その中でも珍しい「バイオレットベゼル」と「ロング E」の特徴を持つ1本。
■リューズの位置が左。シリーズ唯一のレフティ
GMTマスターで初めてのレフティ。他ブランドでは時々ありますが、ロレックスのレフティはとてもレアなんですよ(阿部さん)
ROLEX
「GMTmasterII Ref.126720VTNR」(303万8000円)
リューズの配置が通常と反対のレフティのGMTマスターIIは、人と違うものが欲しい人向けのアイテム。ベゼルは黒×緑でロレックスのカラーが使われている。
■ブラウン、ゴールドが雰囲気ある3世代目後期型
前期型はインデックスがフジツボダイヤルなのに対し、後期型はインデックスが現行モデルに近いドット型に変更されています(阿部さん)
ROLEX
「GMTmaster Ref.16753」(258万円)
1980年代まで作られていた3世代目GMTマスターの後期型モデル。ベゼルと文字盤のブラウン系コンビ、ゴールド×SSのバンドなど、GMTマスターの定番とは少し異なる配色が魅力。
■18金の復刻ブレスは、細部にビンテージの趣き
黒とグレーのツートーンベゼル。新色として加わったグレーは、ビンテージで見られる色褪せを表現しているのではと言われています(阿部さん)
ROLEX
「GMTmasterII Ref,126713GRNR」(324万8000円)
GMTマスターIIの新作で、ジュビリーブレスが復活したモデル。ケースやベゼル、ブレスに18金が使われており、ラグジュアリーな印象が強くなっている。
■通称“バットマン”。現行の人気カラー
現行モデルとして10年前に初登場し、今では人気カラーの一つに。そのカラーから時計業界では“バットマン”とよばれています(阿部さん)
ROLEX
「GMTmasterII Ref.126710BLNR」(272万円)
2013年に新色として加わった男心をくすぐるブラック×ネイビー。スーツにもカジュアルにも合わせやすい絶妙なカラーリングで人気を伸ばしている。
【Others】
シーンを問わず着用できるシンプルなデザインのロレックス
エクスプローラー、デイトジャストなどを中心にシーンを問わず使えるロレックスを紹介。ベーシックさの中に見える細かな違いに注目して選んでほしい。
■エクスプローラー初の40mm。大型ケースで存在感アップ
以前に39mmは出たことがありますが40mmは初めて。大型ケースが長く人気なことも、40mmの発売に関係しているかもしれません(阿部さん)
ROLEX
「Explorer 40 Ref.224270」(154万8000円)
安定した人気を誇るエクスプローラー。ケース径は36mmが基本だが、2023年に40mmのモデルが発売。4mmの違いによって着けた時に受ける印象が大きく変わる。
■90年代のエクスプローラー。若い頃に憧れたあの1本
エクスプローラーは世代ごとの変化が少なく、初めての方は違いがわからないことも多いモデル。現行とはバックルの作りが大きく違います(阿部さん)
ROLEX
「Explorer Ref.14270」(92万8000円)
Ref.14270は1990年代に製造され、当時、ドラマで着けていた有名人を見て憧れた人も多いであろう1本。同シリーズ定番の36mmケースでシーンを問わず使える。
■シンプルさの中にある歴史経年変化で深みが増した
経年変化は過去にはただの劣化と評価されてきましたが、近年はディテールとして注目されています。特にミラーダイヤルは評価が高いです(阿部さん)
ROLEX
「Oyster Date Ref.6694」(62万8000円)
1950〜1980年代に製造されていたオイスターデイトの中から、1960年代に製造された1本。ミラーダイヤルの文字盤は少しエナメル質で経年変化で良い風合いが生まれる。
■定番のデイトジャスト。飽きのこないシンプルさが◎
ディテールや世代ごとの違いが最近、注目されるようになってきたモデル。これから人気が上がることが予想されます(阿部さん)
ROLEX
「Date Just Ref.1601」(78万8000円)
オーソドックスなデザインで1970年代に製造。1960〜1980年代のデイトジャストは文字盤のデザインや素材違いも豊富にあるので、自分だけの1本を探すことができる。
■個性派が好きな人向け。異端のデイトジャスト
従来のデイトジャストはシンプルな時計。昔から見てきた人には違う時計に思える珍しい1本です(阿部さん)
ROLEX
「Date Just 41 Ref.126301」(198万円)
現行で発売されているデイトジャストの1つで、通常(36mm)より大きい41mmケースやグリーンのローマインデックスが特徴。18金の使用によりラグジュアリーな雰囲気に。
▼人と違うロレックスが欲しいならとことん古いものを 探すのもアリ
ロレックスにシルバーやゴールドのイメージを持つ人が多いかもしれない。しかし、古い年代の時計を徹底的に探せば、アンティーク感満載の1本に出会えることもある。
■90年間、時を刻んできたアンティークオイスター
この時代の時計は修理不能なことが多く、使えるものは大変希少です。ストーリー性があり、その時代にあった証になるディテールも◎(阿部さん)
ROLEX
「Oyster Ref.2081」(73万8000円)
1936年に製造され、今も使用できる希少なオイスター。文字盤の裏に「X’mas 1939」とエングレービングされており、当時、大切な人に送られたギフトだっだと推測される。
※2023年10月6日発売「GoodsPress」11月号56-59ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/NOHOHON PRODUCTION 写真提供/ジャックロード>
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