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Apple Watchの衝突事故検出機能、Apple情報メディア記者の命を救う

Apple iPhone Apple Watch 衝突事故検出
 
これまで、iPhoneやApple Watch衝突事故検出機能で命が助かったケースを報じていたApple情報メディアの記者が、Apple Watchに命を救われました。深夜に人通りのない場所で転倒事故に遭い、大量出血して意識を失ったものの、衝突事故検出機能のおかげで一命を取り留めた、と米メディアAppleInsiderの記者が自身の体験を報告しています。
 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. Apple情報メディアの記者が、深夜に大量出血して意識を失う事故に遭った。
2. Apple Watchの衝突事故検出機能のおかげで助かった。
3. 記者は、同機能は常にオンであるべきとして、緊急連絡先を見直すよう呼びかけている。

 

深夜、人通りのない道路で転倒。大量に出血し意識を失う

米メディアAppleInsiderの記者を約15年間にわたり続けているダニエル・エラン・ディルガー氏は、ある日の深夜、数ブロック離れた場所まで車を取りに行くため、レンタルの電動スクーターに乗っていたところ、人通りのない場所で転倒してしまいました。
 

 
ディルガー氏は、頭部から大量に出血したまま、その場で意識を失ってしまいました。
 
衝撃を検知したApple Watchが緊急通報をしたことで、ディルガー氏は駆けつけた救急隊員によって事故から30分以内に病院に搬送されました。
 
約5時間の昏睡状態の後、ようやく意識を取り戻したディルガー氏は、眉毛が縫われて傷だらけの顔を見て、何が起きたのかを周囲に聞かなくてはならないほど、何も覚えていませんでした。
 

 
ディルガー氏の出血量は、そのまま救助が遅くなり、出血が続けば命を失っていたレベルのものでした。また、衝撃と大量の出血により、命が助かっても脳に深刻な影響が残る可能性があります。
 
さらに、深夜に人通りのない場所で倒れていることで、強盗などに襲われるリスクもありました。
 
ディルガー氏は、Apple Watchの衝突事故検出機能によって、一命を取り留めることができました。

2022年以降のモデルで利用可能な衝突事故検出機能

衝突事故検出機能は、2022年に発売されたiPhone14シリーズ、Apple Watch Series 8、Apple Watch Ultraに搭載されました。
 
iPhoneとApple Watchに搭載された加速度計やジャイロセンサーなどが衝撃を検知すると、緊急通報の準備を開始し、20秒以内に取り消さない場合、位置情報を伴う緊急通報が自動音声で発信されます
 
ディルガー氏は、乗っていたのが一般的な自動車でなくても衝突事故検出機能による緊急通報が動作したことに感謝している、と述べています。
 
なお、ディルガー氏のApple Watchは、傷だらけになったものの、事故後も動作しているそうです。
 

 
ちなみに、Apple Watch Series 4以降のApple Watchには、激しい転倒を検知し、1分間応答がないと緊急通報する機能が搭載されています。ただし、転倒検出機能が有効になるのは55歳以上の場合のみで、55歳未満のユーザーが利用するには「Watch」アプリで設定変更が必要です。

「衝突事故検出は常にオンであるべき」

ジェットコースタースキー場などで衝突事故検出による誤報が相次ぎ、ユーザーが誤報であることを伝えないまま電話を切ってしまうことで救急通報窓口に負担がかかっているとの批判もありました。
 
Appleや、日本の消防庁は、衝突事故検出による誤通報があった場合は、電話を切らずに誤通報であることを伝えてほしい、と呼びかけています。
 
一部には、ユーザーが必要な時だけ衝突事故検出機能をオンにすれば良いのではないか、との声もありました。
 
ディルガー氏は、今回の事故を通じて、いつ事故が起きるか分からないことや、こうした状況で自分がいかに無力化を思い知らされた、と振り返ります。
 
また、自分が事故に遭うとは思っておらず、電動スクーターに乗る前に衝突事故検出機能をオンにすることはなかっただろうと述べ、ユーザーを見守り、いざという時に助けてくれる同機能は常にオンになっているべきだ、と主張しています。
 
ちなみに、アメリカで事故に遭ったディルガー氏のiPhoneは、ヨーロッパの携帯電話番号と住所が設定されていましたが、衝突事故検出機能は問題なく動作し、正しい緊急通報先に電話をかけることができました。

「緊急連絡先」の確認を

iPhoneには、ユーザーに万が一の事態があった場合の連絡先として緊急連絡先を登録でき、緊急通報後にテキストメッセージで通知します。
 
しかし、ディルガー氏のiPhoneには、緊急連絡先としてパートナーと家族の古い電話番号が登録されていたため、緊急通報はできたものの、パートナーと家族への連絡はできませんでした。
 
幸い、ディルガー氏は位置情報をパートナーと共有していたため、パートナーは事態を把握して病院に連絡することができたそうです。
 
緊急連絡先は「ヘルスケア」アプリでプロフィール画像をタップし、「メディカルID」から追加・編集できます。ディルガー氏は「この機会に、緊急連絡先が正しく登録されているか、確認してほしい」と呼びかけています。
 

 
 
Source:AppleInsider, Appleサポート
Photo:Lime
(hato)

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